フナダマサマ,スズムシノナクヨウナオト 1984年 全国一般 船霊様の性格の大きな特徴として、海路難所・岬といった特定の聖地に神をまつってあり、天候の急変や神に対して粗忽をした場合、吉凶の前兆にイサムとかシゲル(サエズル・オクメともいう)といって、鈴虫の鳴くような音が特定の人にのみ聞こえるといわれる。
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フナダマ 1983年 愛媛県 天変の予兆や大漁の時は船霊がイサム。天変の予兆の時はチリンチリンと音を発する。大漁の時はそれと違う合図をする。
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フナダマサマ 1992年 宮崎県 船霊さまはチッチッチッ、チンチン、ジィーンジィーン、ツンツン、チチ、などと啼く。船霊さまが勇む、しげらっしゃる、おめかす、せせる、などと言う。強風や凪、災難や大漁の前兆。啼く場所や声の聞こえる方向、回数などにより異なるという。
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フナダマノサエズリ 1942年 新潟県 船霊の囀りは吉事の前兆である。鈴虫の鳴き声のように聞こえる。
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イサム、シゲル 1946年 船が大きく揺れたり、牛がほえる様にうなることをイサム、シゲルと言い不吉な兆しとした。
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フナダマサマ 1969年 船上で不思議な音がする。これを「船玉様がしげる」、「船玉様がいさむ」などと言った。船上の音はリインリインと鈴虫が鳴くように聞こえたりチンチンチンと強く激しくなる事もあり、その音が吉凶の前ぶれとして捉えられていた。
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フナダマサマ 1972年 長崎県 船霊様は女神で蛇などを嫌うという。また、船霊が鳴ることを「船霊様がヨロコバス」あるいは「ナリオラス」という。鈴虫のようにリンリンリンと鳴くときは船にとって都合の良い風が吹いて船がよく走るという。嵐などがある時には、船の後方から前に向かってチチチといさむという。
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オイサミ、オイサム 1946年 山口県 船霊様のオイサミは船頭にしか聞こえないが、山の神のオイサミであるオイサムは誰でも聞くことができる。
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フナダマサマ 1946年 山口県 船霊様のオイサミがあるのは非常に良いときか悪いときで、どちらかを聞き分けることができるのは船頭だけ。
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フナダマサマ 1946年 船頭が陸に上がって出歩くときは船霊様は船頭の袖の下に入っていて、何か異変があるとシゲルという。
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フナダマサマ 1992年 宮崎県 船霊さまは沖に出るとき「チッチッチッ」と声を出す。漁師はこれを聞くと「船霊さまが勇みなさったからマンがいい」と喜ぶ。漁師の家族もこの声を聞くことがある。
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フナダマサマ 1968年 愛媛県 天候が悪くなる前に、船霊様が「チンチン」と鳴る現象を「船霊様がいさむ」という。これは悪いことの前ぶれだという。
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フナタマノサエズリ 1973年 佐賀県 船魂は「チュチュチュ」という音で吉凶の前兆を示す。その音は船の表から艫へ移動する。この音を「船魂のサエズリ」、「船魂さんのサエサス」、「船魂さんがナカス」と呼ぶ。この音を聞くと必ず海はしけるという。船主は山にいても船魂のサエルのがわかるという。
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フナダマサマ 1946年 島根県 船頭が陸に上がると船霊様もついてきて陸に上がられ、船霊様がちんちんと鳴ることがある。
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フナダマサマ 1940年 山口県 船霊様の祠がちっちっと連続して小さな音を出すことがあり、これを「船霊様がいさむ」という。この音は並んでいる他の船には聞こえず、船霊様がいさむと船に何か吉凶が起こるといわれている。船霊様は船頭の袂に移ることがあり、そこでいさむことがあるので、船頭は船霊様が移ってくる左の袂には物を入れないという。
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フナダマサマ,(ゾクシン) 1981年 大分県 船霊様は「キチキチ」と鳴く。「キキケェー」と異常な声で鳴くのは荒天、または投錨場所が危険なことを告げる。温声は凪、平静を告げる。「チリリーン」と鳴くときは安全で大漁がある。
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フナダマサマ 1992年 宮崎県 船霊さまは船の災難と難破を悟り、船から離れて船主の家に行き、啼くという。船主が陸上で遠出をするときにも、ついてきて守護してくれるという。
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フナダマサマ 1946年 愛媛県 船霊様がいさむのは大漁か時化の前兆。
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フナダマサマ 1946年 福岡県 船霊様の親である志賀明神の付近を通るとどの船の船霊様も必ずしげり、舩が左右に揺れる。
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フナユウレイ,ウグメ 1932年 長崎県 しけの晩に船を乗り出すと、突然目の前に島が現われることがある。凪であるのに、風を受けて疾走している船があれば、船幽霊であるという。このような海の幽霊を、ウグメともいう。
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