シノシラセ 1996年 神奈川県 人が死んだのでお坊さんを頼みに行くと、「ああ、やっぱり」と言われる。「カランコロン下駄を履いて来られて、お寺の本堂にドーンとぶち当たるのでわかっていました」ということであった。
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キツネ 1965年 兵庫県 男が酒を飲んで帰り、墓ぐちの坂道に通りかかったら、座敷で三味線を弾いて酒盛りをしていた。その家から友達が出て来てあがれあがれと誘い、草鞋の紐を解こうとするが、断って帰った。はて、あそこに家があるはずがないと思い振り返ると、家は消えた。「われにあほにせられんぞー」と怒鳴り、家に帰った。この家も狐が化けているのではと用心し、かかと娘の尻に尾がないのを確認して、ようやく家に入った。
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シノヨチョウ 1946年 夜中に、障子の外の縁側で誰かが通るように着物の袖裾がすれる音がした。翌日、泥酔して田んぼに落ちて凍死した父親の死骸が運ばれてきた。同じころ、地方に居た子供たちにも不思議なことが起こった。東京にいる子は新しい下駄の鼻緒が切れ、海軍にいた子は背中を何度も強くつかまれるような気がしたといった。また、親戚の家では鶏が夜中に暴れたという。
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ユキヨシサマ 1984年 長野県 身分の高い人の草履が途中で切れたので、家臣が近くの農家にもらいに行った。しかし農民はあげず、そのためこの主従は素足で浪合に行って、そこで賊に殺された。それから先、この農家では代々足を病んでいる。
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キツネ 1937年 新潟県 前方から汽車が近づく音がしたので、運転手が駅に戻ったが、汽車はやってこない。翌日も同じことがあったが、そのまま進んでいくと、正面がなにかに乗り上げた。そこには狐の死体があった。音を出していたのは狐であった。
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キツネ 1989年 長野県 ある人が飯田の方へ行ったとき、昼寝していた狐に石を投げたら当たった。狐は痛そうな泣き声を上げて山の方へ逃げた。帰路、狐の寝ていたところに来るとにわかに薄暗くなり、日が暮れた。困ったと思っていると、向こうから弔い行列が来る。怖くなって道端の木に登ると、木の回りを回って、根元に棺を置いて火を焚いて帰っていった。棺が焼け落ちると中から死人が出てきて、木を上ってきた。その人がてっぺんまで上ると枝が折れて落ちた。悲鳴を上げると、辺りは元通り明るく、その人は土手の下に落ちていた。
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キツネ 1939年 青森県 対向から勢いよく馬車が突っ込んできたので、自分の馬車を下げてやり過ごした。しかし道路が悪く、下の小川へ落ちてしまった。見ると、今来た馬車はなくなっていた。
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オトコノヒト,キツネ 1938年 長野県 昔、5、6人の女の人が湯に行った帰り、小さい小屋に雨宿りをしていると、近所の男の人が傘を持ってきてくれた。ひとりの女の人が下駄でその男の人の頭をぶつと「キャッ」と叫んでどこかへ行ってしまい、傘は棒になった。
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マネクテ 1993年 香川県 拝み屋の主人の兄弟の子が、汽車が来るところに飛び込んで死んだ。拝み屋が霊を呼んで聞いたらきれいな花があるところできれいな着者を着て踊っていた日とが来いと言うので行ったら汽車にひかれたという。
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キツネ 1978年 山梨県 夕方、皆で草取りをしていたらいい自動車が止まって、乗せてくれると言う。皆乗せてもらっていい気分でいたら、車内で持っていた鎌が触れ合って音を出した途端に車は消え、みな地面に座り込んでいるのに気がついた。狐の仕業。狐は金属の音が嫌いなので、夜道は鍋などを鳴らしながら歩けば化かされない。
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フロ,ハシゴ,オケ,マエシラセ 1964年 福島県 知り合いの者が死ぬとき、はしごが落ちた音や、ふろのふたをする音がした。また、家の前庭をおけがころげていく音もした。
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キツネ 1994年 鳥取県 話者の里のおじいさんがお祭りの帰り、酔って歩いていると、何かがついてくる気配がしたので、持っていた折を投げた。翌朝見てみると、みんな落ちていた。
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キツネ 1982年 宮城県 ある男が船を出して魚を取って戻ろうとしたが、櫓をこいでも船が廻って陸につかない。なんとか家の下まで来ると、出征して死んだ兄が山から「東京に連れて行ってやる」と呼ぶので山の椿の下まで行くと、今度は「ベルトで首を吊れ」と言われた。枝にベルトを掛けても高さが足りないので、もっと山の中に入った。桑の葉が揺れるのが映画を見ているように感じた。皆が探しに行くと、狐が落ちたらしく断崖で寒い寒いといっていた。その男は3日ほど前からおかしかったという。
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ダイジャ 1997年 宮城県 猟師が天気の良い日に猟をしていると猪の皮で作った靴が固くなってしまった。そこで水喰沢の池で靴を潤していると、小さな蛇が泳いできて靴を齧りはじめたので、短刀で蛇に切りつけた。数日して池に行くと、大蛇が死んでいたので猟師は驚いて死んだ。
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エンコ,カッパ 1953年 愛媛県 出稼ぎの男が淵に鯰取りに出て水死し、「エンコにケツを抜かれた」と村人は言った。又村人がつないだ馬をエンコに淵の中へ引きずり込まれそうになったが助かった。
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ヒトカゲ 1985年 茨城県 車で走っていると、横切った人をはねたと思い、慌てて車外に出て確認した。そこに人の姿はなく車に戻ると、座席が水でびっしょり濡れていた。
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キツネ 1977年 福島県 塩峯峠で、ある若者が女性によって御殿に招かれた。女は山ほどご馳走を出して、「明日来るときはお守りを捨ててきてくれ」と言った。その時若者を呼び止める人がいて、行くなと忠告し、襟首に大きな縫い針をさしてくれた。翌日若者は女のところでお守りを捨てた。すると女は悲鳴を上げた。夜明けに血の跡をたどっていくと、縫い針で口が裂けた女狐が死んでいた。若者を呼び止めた老人はつんぼ神様だった。
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アカリヲツケタクルマ,タヌキ 1966年 群馬県 11月の収穫祭の時、夕方暗くなってから神社にお祭りに行くと、上の方から灯をともして車の音がする。気にとめないで歩き始めると、ボーッと灯をつけた1つの車がクルクルまわりながら浮かぶように道のない所へ下りていったのである。狸の仕業らしい。
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カッパ 1987年 長野県 牛が淵にはかっぱがいた。下駄を突っかけてやったらゲタゲタと笑いながら沈んでしまったという。
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バシャノオト 1986年 東京都 りんどうの間に寝ていると馬車の音が聞こえてくる。昔、この部屋で寝た女の子が二段ベッドの上から落ちて死んだのだという。
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