カネ 1928年 茨城県 弁慶が盗んだ鐘を船に乗せて湖を渡ろうとしたとき、三又沖で急に鐘が鳴り出し、風が吹いてきて波が高くなった。船が沈みそうになったので、弁慶が鐘を湖に捨てると月明かりが出て、風はやみ、波もおさまった。鐘は今も湖の底にあり、そこには渦がまいているといわれる。嵐の夜に耳を澄ますと、鐘の音が聞こえてくるという。
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チンショウ 1974年 東京都 六本松というところにあった鐘が、漁の邪魔になるというので漁師がとりのぞくよう申し入れたが、ききいれられなかったため、漁師は夜間に寺田の谷間に鐘を投げ捨てた。近くの人がいくら探しても鐘はみつからなかった。
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カネ 1974年 福岡県 鐘ケ崎近くの海中には、今でも晴天の日、海底に鐘の姿をみることができる。
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オオヒト 1927年 山口県 遺跡から出る土鐘に、昔ここに住んでいた大人が網を作り、魚を捕らえて常食としたという伝説がある。
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チンショウ,アマゴイ 1974年 長野県 釣鐘渕の沈鐘は引き揚げられて寺におさめられており、日照りが続いて畑の作物が枯れるというときに、その鐘を渕に沈めて雨乞いすると必ず雨が降ると言われている。
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スガワイケ,ツリガネ 1913年 長野県 昔、ある人が国分寺から釣鐘を盗み出して須川池のほとりで休んでいると、俄かに「国分寺恋しやボーンボーン」と鐘がうなり始めた。
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カネ 1974年 愛知県 気味の悪い唸り声がして地底から大鐘がうかび、しばらくしてまた沈む。
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カイテイノカネノオト 1928年 長崎県 盗人がある寺の鐘を盗んだが、追っ手に追い詰められて鐘もろとも海へ飛び込んだ。今でもこの鐘は海底に沈んでおり、周辺の波の音が高いのはその鐘が鳴っているためである。
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チンショウ 1974年 長野県 大照寺の釣鐘がある晩唸りをたてて渕へ沈んだ。新しい鐘を鋳るとまたそこへころがりこむので、今もこの寺では釣鐘を造らない。
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タノタタリ 1969年 福島県 田の真ん中に弁天様が祀ってあったものが、いつのまにか埋まってしまった弁天谷地という田は、祟りをおこすといわれていた。大正期学校で耕作したこともあったが、校長がポックリ死んでしまった。権兵衛という大工が作り始めたが、妻と子を亡くし、気味悪がって手放してしまった。ある人が草を刈ったら大きなうなぎがでてきたともいう。
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ツリガネ 1929年 岩手県 圓満寺観音堂の釣鐘は江刺の軍兵に奪われた。彼らが持ちかえり鳴らそうとしたが音が出ず、大勢で割れんばかりにつくと「圓満寺恋し」と響きわたった。それから毎夜ひとりでに唸って圓満寺を恋しがるので、仏神が籠られているからではと本所に返すことになった。
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カネ 1929年 岩手県 ある時、淵に鐘が転落した。引いても動かないので新しい鐘をつくり、朝夕つくと、水中の鐘も同じ音で鳴り出すのだった。
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カミナリマツ 1987年 愛知県 大きな松が河和の北屋敷の海岸近くにあり、よく雷が落ちるので「雷松」と呼ばれていた。この木に雷がよく落ちるのは、根元に金の茶釜とか金の鶏が埋まっているからだといわれていた。今は枯れてしまってもうないという。
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チンショウ 1974年 東京都 井戸に鐘がなげこまれ、村人みなでひきあげにかかったが、何度やってももう一息というところで太縄が切れておちてしまう。ついにそのまま井戸を埋めて塚を築いた。
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アマゴイ,ツリガネ,ウミボウズ 1935年 香川県 ある運送屋の夫婦が釣鐘を運んで阿波の国に向かう途中、釣鐘がいつの間にか消え、驚いた夫は水死し、妻は後を追った。それ以来、沖では、鐘の音が聞こえたり、鐘を撞く海坊主が見られた。風説が広がり、恐れられたので、船頭達は鳴神を祀って神社を建てた。怪異はなくなり、この神社は雨乞いの験があるという。
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カネノミサキ 1974年 福井県 越前敦賀の海中に鐘があり、引き上げようとすると恐ろしいことがある。
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ハクハツノニョニン 1961年 山梨県 高前寺の梵鐘は一名横取りの梵鐘といい、日蓮宗に信仰のある富豪が奉納したものであるが、完成した後富士川の鰍沢から身延山を目指しての下りの船で天神ヶ滝の難所を過ぎて鴨狩に近付いたときに奇石に座礁した。この巌に竜波穴と称する謎の巌谷があり、難破の彼方に白髪の女人が現れて申すには、梵鐘は近くの寺に納めて、身延山奉納は改めてみてはどうかという意味だった。それにより、高前寺に納めたため、横取りの梵鐘という。
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フルヤシキノウナリゴエ 1956年 宮城県 この地方に今でも古屋敷と呼んでいる屋敷跡がある。昔ここに住んでいた長者が沢山の宝物を地中に埋めたということで,その後夜になると地中から「ああ,重い重い」と言う呻り声が聞こえたと言う。
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リュウ,ツリガネ 1916年 新潟県 真光寺の鐘は、一説には雌鐘であり、もう一つの雄鐘は八幡新町を流れる川に沈んでいるという。これは龍王が惜しむので、今日でも川から揚がらないということである。
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ジゾウカツオ 1922年 静岡県 ある年の6月23日、猟師が鰹漁に出ると、木像の地蔵が網にかかった。その地蔵を海辺の松の木の下に安置して供養すると、網が破れるほどの鰹が獲れるようになった。
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