タヌキ 1940年 大阪府 村のある家の嫁が婦人病で悩まされた。巫女が占うと、村の油屋に棲む狸の仕業だという。そのため、家人は狸を家に祀り、供物を与えた。すると、嫁に憑いた狸が家人の前に現れ、しきりに食物をねだる。あまりにも大食のために、家人が狸に食って掛かった。
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タヌキツキ 1922年 徳島県 一般に狸が憑くのは本人が狸に悪戯をしたとか、不景気で食べ物が得られぬからという。また憑かれた人は食事の量が急に増したり、嗜好が変わったりする。ある下女が薪刈りに行って一休みし、再び薪を背負うと非常に重くなり、家に帰ってみると家に居た婆さんにご苦労様と言われた。狸が薪に乗ってきて婆さんについていたのである。狸が憑くとまず陰陽師や修験者を頼む。神様の護符を頂かせて祈祷者が退散させるがその時に大抵要求を出す。狸に関する俗信あり。
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タヌキ 1975年 愛知県 60年ほど前に、あるところに古い狸がいた。時々取り憑くので祠に祀ったが、あまり祀らなくなったので怒ってまた人に取り憑きはじめた。ある人がお産をし、ある晩、その尻を見た狸がこれに取り憑いた。その人はとても弱くなったので、皆で祈祷した。心経を千巻読むことにすると、30巻くらいで狸が「千巻くらいでは出て行かない」と言った。3日目に三千経ではどうかと言うと、「帰ってもいいが祀ってくれ」と言った。お祀りすると、病人は治ったという。
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タヌキ 1985年 徳島県 ある婦人が里帰りし、土産に赤飯を持って帰る途中狸が憑いた。帰って来て一切口をきかないので親戚が集まって拝んだが効き目がなく、医者に見せた。医師は精神病と診断し、電気ショックをかけるように指示した。するとすぐ普段の通り喋り出した。狸は電気が怖いのだろうということになった。狸は祭土産の魚や食物によく憑くという。
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タヌキ 1957年 和歌山県 女房が狸に憑かれた。大古(おおぶる)の宮前の土管のとこに行くと、狸に餅をもってこいとか魚を持ってこいだとか言われた。一緒に行ったがその声は女房にしか聞こえなかった。憑かれているときは非常に力があった。
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タヌキ 1979年 徳島県 狸が芋畑で荒らしたので、捕まえて木に縛り付け、叩き殺した人がいた。するとその嫁に狸が憑いて、気が触れ、縛られていた木に日参するようになった。次の代の人にも、その次の代の男の子にも祟り、棟の上を走り回ったりした。坊さんに拝んでもらったが利き目がなく、結局土地を離れた。
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キツネツキ 1922年 岡山県 幼少の頃、落合村付近の某村に縁辺があり、そこに60前後の好人物な婆さんがいた。ある日婆さんが川に入り歩いていく。狐憑で、主人が引っ張ってきて寝かし、法印の錫杖を持ち出して念仏をやりだした。なぜ憑いたと問うと、食べ物がなくなり、婆さんが小便をかけたので憑いたという。揚げ豆腐、赤豆飯などを食べた後、婆さんは倒れ、狐は落ちた。
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タヌキ 1963年 岡山県 狸憑きの家があったが、法印が加持祈祷をして取ってしまった。狸憑きの狸は鼠の大きいのが連れ立って歩くようなものが憑くという。
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タヌキ 1970年 高知県 老婆が具合が悪くなったので祈祷師に見てもらうと、憑き物のせいだといわれた。両足を持たせて逆さ吊りにすると、老婆は物凄い力で跳ね除けて家を飛び出し、跳ね返ったと思ったら病気が治った。狸の仕業だったのだろう。
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キツネツキ 1954年 岡山県 隣家の50歳ぐらいの婆さんに狐が憑いたことがあった。朝早く着て、「今私のうちには五千の眷族を飼っているが食べ物が無いので下さい」などと語った。祈祷者に拝んでもらうと、「わしが住んでいた穴を埋めただろう」などと、有る事無い事をしゃべった。また宮に参らない人に憑き、狂言妄語させたと書かれたものもある。
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タヌキ 1992年 奈良県 畑を荒らす猪を見張るために、小屋を作って毎晩泊まっていた。そうしたら、狸が名前を呼び戸を叩いて訪ねてきた。毎晩続くので、狸が騙そうとしていると考え、ある晩狸の手を鉈で切った。翌朝、落ちた血を伝っていったら、狸が死んでいた。それからその家は貧乏になり、狸の祟りだと言われた。
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タヌキガツク 1991年 高知県 狸に憑かれた人がいて、お祭でオキの方の狸に憑かれた人とこっちの人があって、その憑いた狸がオトモドイ(兄弟)だったとかいって、連れ立って行ったとかいう話があった。その人はご祈禱して治ったという。
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タヌキ 1979年 徳島県 芥附から田中に至る橋のたもとに元々は杉の木が3本あり、地蔵さんがある。そこにいる狸はよく人に憑いた。ある人が腹痛を起こし、狸が憑いたせいだということになった。村人に来てもらって中心にその人を置き、百万遍の数珠くりをして和尚が念仏を唱えた。その人は数珠の下をくぐって自分の家に逃げ、あまり暴れるので背中をついて転ばせると狸が落ちたという。
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ハヤリガミサン,タヌキ 1979年 徳島県 大師を信仰しているハヤリ神さんの老婆が居た。亭主があるときに、狸が憑いて、はやり始めたという。
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タヌキ 1962年 大阪府 ある冬、畑仕事をしていた人が急に気分が悪いと言って家に帰り寝ていた。やがて妻君に当り散らし酒や油揚げを要求した。買ってきて与えるとすごい勢いで食べた。夜9時頃に満腹だから帰るというので同行すると枚方駅近くの鈴見の松まで来て我に返った。周りの人は憑いていた狸が出ていったと判断した。
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タヌキ 1951年 徳島県 洞窟に老狸が住んでいた。村人が病気になった時、そこにお参りすると全快する。今でもそこにおしめをひいて祭っている。
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タヌキ 1979年 三重県 山奥に泊まりこんで山仕事をしていたら、妻が来て「子どもが病気だ」という。急いで帰ったが、家では何もおきていなかった。狸の仕業。
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タヌキ,ヒョウイ 1938年 徳島県 40歳を過ぎた女の人に狸が取り憑いた。聖天堂に御籠すると治るが、出るとまた憑く。この女にはこういうことが何度かあったという。
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フルダヌキ 1982年 滋賀県 お医者さんの屋敷の裏の竹薮に住みついた狸が、観音様にお参りに行く人にいたずらをするので困る。ある晩、病人のおばあさんに膏薬を貼ってやると、それは観音様の堂の裏に張ってあった。いたずらは続いたが、竹薮は残したので、家は栄えた。
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キツネ 1930年 兵庫県 ある家に美しいお嫁さんがいて、美しい声で毎日歌っていたところ、声に惚れた狐が憑いてしまった。この狐を祓うため、全国の狐の総大将である伏見のお稲荷さんから護符を頂いてきたところ、嫁が急に恐ろしい顔で、「京都から2本さした侍が来る」といった後、狐が落ちた。狐が腹の中で毎日の食べ物を食べてしまっていたため、嫁は痩せて骨と皮だけになってしまっていたという。
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