ヒダマ,ヒジャマ 1977年 鹿児島県 天の神様がヒジャマ(火玉)に下界へ降りて家を焼いてくるように言った。ヒジャマは指定された家に来て甕壷に隠れて焼く機会をうかがっていたが、朝も晩も火に用心しているので焼けなかった。たまりかねたヒジャマは甕壷から出て、村人たちに頼んで小屋を焼いてもらい、その煙によって天に帰ることができた。
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ヒジャマ 1977年 鹿児島県 ヒジャマは空の甕に宿をとり、家を焼く。ヒジャマに焼かれそうで危険な年は、小屋を作って甕を置き、その小屋に火をつけて焼いた。その火の勢いでヒジャマを天へ帰したのである。
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ヒジャマ 1962年 鹿児島県 ヒジャマが家を焼くために下界に来た。その家の奥さんは用心深く、毎日炉に水をかける。ヒジャマはあきらめて、カヤを燃やしてほしいと奥さんに伝え、その煙と共に天に戻っていった。
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ヒジャマ,テンノカミサマ 1976年 鹿児島県 天の神様に命令され、ヒジャマ(火玉)が家を焼きに行ったが、家の女王が用心深かったので焼くことが出来なかった。甕壷は蓋をしておかないと風が吹くたびにワンワンと鳴る。その音を聞いてヒジャマがやってくるのだという。
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ヒジャマ 1962年 鹿児島県 ヒジャマは火の玉であるが、村に来たら追い返すために、砂利を各家の壁にたたきつける。昔、ユタ神が来た時には、ヒジャマドーといって砂利を投げつけ、村はずれでかやの小屋をつくって燃やすと、煙と共にヒジャマ天に戻る。
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ヒジャマ 1976年 鹿児島県 ヒジャマは甕壷に宿を取るので蓋を開けておいてはいけない。宿をとってしまって村が危険な場合は小屋を作って焼くと、その火の勢いで甕壷に入っているヒジャマを天にかえすことができる。
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ヒジャマ 1977年 鹿児島県 軒下の口の空いている徳利を置いておくと、天からヒジャマが火をつけに来る。親が火をつけろと言ったときには、必ず「はい」と返事をしないと、ヒジャマが代わりに火事を起こす。ある時、ヒジャマが家に火をつけようとしたが、そこの母親が用心深くてできなかったので、ヒジャマは鳥のように翼を広げて飛んでいった。
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ヒジャマ 1977年 鹿児島県 昔、ヒジャマが家の後ろに放置してあった味噌甕に隠れていて、火事を起こそうと狙っていた。けれども家主が信心深く、いつも火の神に無事を祈っていたので、ヒジャマはその家に災厄をもたらすことなく、味噌甕から抜け出して消滅してしまった。
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オシラサマ,ヒカルコボク 2001年 青森県 某家のオシラサマは、祖父の代に火事にあった際、屋敷内で焼けて光っていた古木から形作って祀ったものだと言う。だが、父の代に信心が薄れてこれを焼き捨ててしまったところ、不幸ごとが続いた。これはオシラサマのとがめであると言うことになり、再び新しく作り直して屋敷内のお堂に祀った。
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ヒジャマ 1976年 鹿児島県 ヒジャマが家を焼こうと甕の中に隠れていたが、母親が用心深かったので、諦めで甕から抜け出して飛び去った。鳥の形をしていて、翼を広げて飛んでいったという。
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キ 1941年 愛媛県 昔、庄屋の家を建てるために、村人が山の大木を切ろうとしたが、一日で切りきれなかった。そして、翌日、その木は無傷だった。かろうじて切り終わったら、今度は重くて動かせなかったが、ヒマヒヲンナが来てくれて簡単に引けた。しかし、この木で建たれた家は直ぐ燃えてしまい焼けた。この木は北向きの神山のものだったという。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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ケンムン 1977年 鹿児島県 女が機を廻していたら、ケンムンが天から降りてきた。女は恐れをなして逃げた。翌日、ケンムンがまたやってきた。女はすでに逃げていた。歌を歌っていたら、女の夫帰ってきて船を浜に揚げようとしていたのでケンムンは邪魔をした。ケンムンは夫と一緒に家に戻った。妻は夫を誘い、家を捨てて遠くへ逃げた。ケンムンはその家を焼いて天に昇ったという。
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ヒジャマ,トートガナシ,ヒニャハムガナシ 1976年 鹿児島県 昔、ヒジャマが家の後に放置してあった味噌甕に隠れて火事を起こそうとしたが、家主が「トート・ガナシ」の呪文を唱えて無事を願っていたのでその家に厄災をもたらさずに味噌甕から抜け出して消滅した。
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ヒカヒシ,ピダマ 1931年 沖縄県 人玉が人家を焼いて半焼した際には、家の四隅から屋根茅を集め、それで小さな家を作る。それを燃やし、その煙に火玉を乗せて天に昇らせ、各人が煙鐘を打って追い払う。
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ドウソジンサマ,ワルイカミサマ 1962年 山梨県 道祖神様はよい神さまで、そこへ山から悪い神様が時々おりてきて、道祖神の帳面へ「今年は幾月頃誰と誰を病気にして病ませろ」と、留守の間に書いていった。道祖神様は家へ帰ってきて帳面を見てどうしてそんなことができるかと、村人に帳面を焼くように言いつけた。そこで村人たちは正月14日に道祖神様の前でどんどん燃やし、奥山の悪い神さまによく見えるようにほのおを高く燃え立たせた。あとで悪い神様がやってきて帳面を見せろといっても、夕べ大火で燃やしてしまってないという。それがどんどん焼のはじまりだ。
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ミブケノフシギ 1956年 東京都 壬生家を建てる時ジノタケが上がらなかったが、翌朝ひとりでに上がっていた。屋根の萱に燃えきじりを差し込まれたが、火事にならなかった。以後、ハングルマサマという火の神を祀っている。
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テングサマ,カミサマ 1988年 茨城県 神社にお参りに行き、お賽銭を上げずに頼みごとだけした。すると天狗様が掛けて行って、その人の家に火をつけていた。
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カマドガミ 1965年 岩手県 ある草深い田舎に怠け者の婿がおり、カマドの火たきを怠けたため歌人は怒り、婿を家から追い出した。生来の怠け者の婿は困窮し家に戻ってきた。嫁は婿を哀れんで一生カマドの火たきをさせた。婿の死後、家人は婿を火守り神として面を刻み、カマドの上に祀った。
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シンボク,タタリ 1989年 長野県 御神木を使って建てられた家があった。その家では日暮れから朝に顔を洗う頃まで小嵐様の方で太鼓が鳴るのが聞こえるので、近所の人に聞くと「聞こえない」と言われる。ある人に言うと、きつねかむじななので退治してやると言われたが効果がなかった。それから2・3日してその家は焼けてしまった。が、ご神木だった木だけは焦げただけで焼けなかったのでそれを使って仮小屋を建てたところ、また太鼓が鳴るようになった。それで神様の木だと判ったという。
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