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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

カサイ,キタウソウ
1975年 香川県
文化13年12月讃岐国金比羅の町で、13、4軒の家が焼失した。その前数日の間、付近に豆腐やこんにゃくが捨てられていたので奇妙に思ったが、聞けば、どこからか現れた祈祷僧が火災を予言し、逃れたければ金や豆腐、こんにゃくを捨てよといったためだという。不思議なことだ。

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ヨゲン
1946年
村に飲んべえの占師の男がいた。この男はときどきとんでもないことを言い当てたという。あるとき、村の石屋の家が火事になることを予言した。石屋は妙見様の神主に火伏の祈祷をさせたり、火の警戒をさせたりして無事であった。
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ヒバシラ
1977年 茨城県
金毘羅山という大地の周辺の町に小火があった。この山には火柱が立ち、それが倒れた方向に火事が起こると言われている。人々は内心不安であったが、一方であれは狸の悪戯だという人もいた。
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ホイドノヨゲン
1987年 山形県
1955年ごろのこと。年取ったホイド(物貰い)がある家の人に米や銭や茶を願ったが、すべて「ない」と断られた。ホイドは家の外でお経を唱え、「この家は3年以内に焼ける」と言った。ほかの家に行ったときに、「あのうちには米も銭もない。3年以内に焼ける」と漏らした。そのとおりになった。
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リョソウ,クラ
1934年 奈良県
ある人が大金持ちになり、7つ倉を建てた。ある日旅僧が来て、哀れを乞うたが拒まれた。翌日その倉は飛んでいってしまった。そこを七倉という。ある日その七倉が焼けて、そこからは今でも米が出るという。
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(ホウリキデカジヲケス)
1929年 福島県
好間村字大館の長奥村に智頓和尚という当時屈指の坊様がおられた。ある時「唐の金山寺が火事だ、早く消さなければならぬ」と言い出し和尚は寺男に命じて庭の石に水をまかせた。すると一天掻き曇って大雨が降ってきた。その響きは、和尚には「チドンチドン」と聞こえたそうだ。後に金山寺から御礼だとして涅槃像を送ってきた。
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コクキ
1975年 香川県
讃岐国大麻で文化13年正月27日夜、金比羅山の麓から幅1間長さ1里程の黒気が東西へたなびいた。しばらくすると西へ流れて風のように消えた。はじめは紫に見え、しだいに黒くなった。その様子は雲とも煙とも見えなかった。
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ヤマノカミノタタリ
1957年 愛媛県
山の神を祀らない祟りで14軒全部焼けた。易者にみてもらったところ、神の住まいである石グロの上に伐ったものを積んでおいたので祟られたということであった。
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ザシキワラシ
1974年 岩手県
火事が起きた時、おかっぱ姿の子どもが腹が空いたと言って食べ物をねだって家を訪ね歩いた。火事に気を取られて断った家は焼けてしまったが、食べさせてやった家は火元からの距離は同じだったが焼けなかった。お不動様が火事を避けて歩き回ったのだという。
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カイカ
1967年 茨城県
多くの人家があった黒塚千軒は、神の頼みを聞き入れなかったので大津波によって砂漠となった。弁天様は移動させられ今も信仰が厚い。黒塚千軒では暴風雨の夜には怪火が見られると言われる。
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カサイ,タイシ
1974年 和歌山県
寛永13年10月、高野山の麓の奈倉(名倉)の者、伊勢、高野山の参詣の為垢離をとっていたが、突然気が狂って、我は大師だ、信心せよ、と言った。しかし村人は信じず狸か狐の仕業だと捨て置いた。その者は気を失って倒れ、気がついた。垢離をしていたところ、若い僧が来て抱きつかれた後は記憶がないと言う。その次の月に全村が火事になり垢離をしていた男の家以外が焼けた。
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カイ,カイイ
1974年 東京都
午三月、土手四番町のある人の家で膳や煙草盆、石臼などが一人で空中に浮くことが続いた。修験者や陰陽師は仏神の祟りや狸の仕業と言い、彼の言うとおり祈祷をしたが効果はなかった。家が滅びる前兆かと心を痛めたが、とある人が「目黒出身の人をかかえると目黒の鎮守がそれを惜しんでこのような災いを起こす」と言った。この春のにかかえた者を調べたが、目黒出身者はいなかった。しかたなく3、4人に暇を出したところその怪異は止んだ。
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テン,タイショウ
1941年 新潟県
本堂から火が出ると見かけない小僧が出てきて、鐘を付いたり村中に知らせて廻った。これをやっていたのはおそらく寺のタイシャウ(貂)であろう。
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ベンザイソンテン
1966年 愛知県
享保14年酉春15日の夜、弁天女が夢の中に現われ、3日のうちに火事があるが私が火災を除けるので心配するなと言った。18日に隣町で火事があり、隣家まで類焼してきたが、そこで火は消えた。
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テング
1993年 福井県
大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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イシナゲ
1983年 東京都
江戸麹町の平河天満宮の裏門にある町家に、どこからか石を投げる事があった。昼夜を分かたず、多い時には50~60個の石が何処からの方角からか投げられるという。その石は小石ではなくて手頃の石で、青苔が生えているものや瓦欠けのものもあるというが、人にはあたらないという。石を拾い集めて蓄えても、夜の間にいずこかに消えてしまうという。
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キツネ
1993年 岩手県 
話者18,9歳の旱魃の年の5月のある日、暗くなってから米を買いに出かけたら、神社の神様が牛のように見えた。きつねだなと思って友達の家に逃げた。暫く休んでまた歩くと、今度は井戸の脇のあぜ道で周りをふさがれて歩けなくなってしまった。もう帰ろうと思って山道を行くと、ニシという屋号の家の倉の横で火が燃えていて、山々や土沢の町がガラッと見えた。倉の横で火なんか危ないなと思うと、ウサギのような足音が通り過ぎていった。きつねが諦めて山に入ったのだろうか。
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テング
1933年 兵庫県
25年以上前のこと。ある男が、不意にいなくなっては「摩耶山へ詣ってきた」「金比羅さんへ詣ってきた」と言ってひょっこりと帰ってきた。周りの人は疑ったが、そんなときは男は讃岐の金比羅さんの御札を懐から出して見せたりした。本人が語るところによると時折天狗が迎えに来て、遠方へと連れて行くのだという。
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ゼンシンオウ
1979年 東京都
弘化3年(1846)に江戸で火事があり、内邸も類焼した。翌日その跡を見に行くと、南西の隅にある善神王の祠とその風下の家数軒は残っていた。残った家の人に聞けば、炎が盛んだったときに、ここらで見たことのない僧が数人で火を防いでくれたという。鎮火した時にはもういなかった。それらは一時、神の使いと喧伝されていた。
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コジキ
1984年 福井県
昔、大晦日にある家に乞食が現れて、宿を請うた。家の人は哀れに思って泊めてやった。翌朝そっとのぞいてみると、乞食は冷たくなって死んでいた。その家の人は火葬場へ運ぼうと思ったが、正月で誰も手伝いにきてくれないので、夜になるのを待って囲炉裏で燃やしたが、いくら燃やしても燃えず、いぶかしんで火ばしでつついてみたら、いつの間にか黄金に変わっており、大晦日に太い薪を燃やすのはこのためであるといわれている。
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(ホウリキデカジヲケス)
1929年 青森県
或る日始覺山本覺寺五世貞博上人が、村人を呼び集め急いで山門に水を注ぎかけさせた。火事でもない所に何故水をまくのか村人はわからなくて上人に尋ねると、「只今京都の智恩院が大火である。せめて山門なりとも助けたいから皆に水をかけてもらったのじゃ」と述べた。後日智恩院から使僧がお礼にやってきた。
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