カマナリ,カマ,(ゾクシン) 1915年 群馬県 釜が鳴るのは不吉の兆しであるが、鳴る時と場合によっては非常に吉になることもあるという。
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カマナリ 1932年 岩手県 昨年、修験者が渡ってきて、釜鳴りを演じて見せた。釜に湯を沸かし、その上にすっぽりとはまる木製のこが(瓶)を乗せ、その口に蓋をする。暫く祈祷した後蓋をとり、「鳴れ」と声をかけると鳴り出した。音の高低や鳴り止む、鳴り出すといった調節は修験者の声により自在であった。不思議なことだ。
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(カマナリ) 1979年 物が自ら鳴るということは昔から伝えられている。釜や竃は今でも時々鳴ることがあり、特に不思議なことではない。
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カマ,(ゾクシン) 1976年 人家にある釜が鳴るということは、かならず凶事であるのといって忌むことである。
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(イエノカイイ) 1941年 長野県 釜で飯を炊くと、大判・小判を叩くような音がするので占ってもらうと、家の下に金が埋まっていると言われた。釜の下を掘り起こしてみると、大判・小判が出てきて金持ちになったという。
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カマナリ 1979年 釜が鳴り出したら、男に女装させて拝ませたら止む。また、女性を男装させて拝ませてもよい。
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(カマナリ) 1977年 人家で釜がおのずから鳴って止まらない事がある。術家の説では男が女拝したり、女が男拝したりすると止むという。また俗説には、釜が鳴っている時に女の襠を覆えば止まるという。また男の肩衣を覆うと止まるという。
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カマナリ 1979年 刀鍛冶の国員が12月の終わりに餅をつこうとしたところ、釜が急に鳴り出した。それ以来国員は有名になった。また、商人の家でも釜が鳴ることにより栄えるところがあり、屋号は往々にして釜鳴屋という。釜が鳴り出したら女性用の未使用の褌を上にかけると止む。
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カマナリ 1979年 釜が鳴ったら、男に女の格好をさせて拝ませると止む。女に男の格好をさせて拝ませてもよい。
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タヌキ,タイコ 1975年 愛知県 炭焼きに行くと、晩になって太鼓を叩く音が聞こえてきた。「たぬきがたたいているのだ」と言ったら、音は消えた。
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カマナリ,バニョ 1974年 釜が鳴る時はその鬼の名である婆女の名を呼ぶと、災にはならずに吉になるという。
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カマ 1976年 岡山県 備中吉備津宮で巫女が釜の下に火を焚いて、洗い米をひとつまみ入れ、水を入れて沸かすと、いつも釜が動く。神が受け入れれば、雷のように鳴り動くという。
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カネ 1929年 岩手県 ある時、淵に鐘が転落した。引いても動かないので新しい鐘をつくり、朝夕つくと、水中の鐘も同じ音で鳴り出すのだった。
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オカマノヌシ 1990年 山梨県 釜口の一の釜には何か神さんか何かいて、ブラクで困ることがあればそこへ行ってごめしん(頼み)言えば、膳椀をお釜の主が貸してくれた。それは昔機を織っていた人で継親に怒られ、お釜へとんどうだ(飛び込んだ)人が関係しているという。
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キビツノカマ,メイドウ 1977年 岡山県 備中国の吉備津宮に釜殿という大きな釜がある。ところの人は吉凶を占う時、社人は玉襷をして弊を釜の中にいれ、法を修すると釜が鳴動する。数十町先にも聞こえるその音の響きによって成就するかそうでないかを判断するという。
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カマナリ 1979年 田舎では、釜が鳴ることがあれば女性用の新品の褌を上からかければ止むといわれている。
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カマ,ウラ 1935年 岡山県 吉備津彦神社にはお釜殿があり、吉凶を占いたければ阿曾女という巫女に請えば、巫女は柴をたき、供米を篩に入れて釜の湯気にかざす。暫くすると釜は鳴動し、願主の願いが吉であるときは音が高く、凶であるときは低いという。これは昔、吉備津彦命が温羅の首をはねたときに、まだ生きているようだったので命はこれを釜の下に生められたため、その叫び声であるといわれている。
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ニンギョウ 1980年 秋田県 ある侍の倉で、夜毎に人形が騒いだ。その人形を釜で煮たら、家の繁栄が止まった。
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オンナノタマシイ,オトコノタマシイ 1964年 福島県 女の魂が寺にくるときは、台所から入ってなべのつるの音や茶碗を洗ってふく音をたてる。男の魂は、寺の門から入って鐘にあたって音をたてる。
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テングノサンオノギリ,タイボクニオノヲアテルオト,キノタオレルオト,ヤマノカイオン 1982年 新潟県 昭和10年代に村の男衆が何人かで山の奥へ炭焼きにいった。炭焼き小屋にとまっていると、遠くから大木に斧をあてる音がカーン、カーン、カーンと3斧聞こえてくる。やがて、ビリビリビリ、ドサーンと木の倒れる音がする。天狗の三斧きりというもので、音だけなのだという。音のするほうへ行って見ると、木は倒れていなかった。山の夜にはそういう山の怪音がするもんだという。
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