オンナ 1976年 京都府 鉄砲の名手が山に猪を撃ちに入ったところ、とても美しい女に出会った。場所柄怪しいとは思ったがついて行くと、小倉明神という社を巡った。猟師も一緒に巡ったら、女が睨みつけてきた。その眼は5つになっていた。驚いて逃げ帰り、その後は猟師を止め、農業につとめた。しかし罪のためか、ほどなく足腰が立たなくなり、子供も2人あったのだが、1人は早世し、もう1人は白癩(シロコ)であった。
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オンナ 1913年 岩手県 ある猟師が、女を鉄砲で撃ち殺そうとしたら、手足がしびれて声が出なくなり、そのまま女はにたにた笑いながら行き過ぎてしまった。この猟師はあとで病気になった。この女を見た者は、病気になるか、死んでしまう。
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ドウサイ 1936年 岐阜県 山小屋へ毎晩美しい女が来て糸車で木綿糸を引いた。女が怪しいので木こりは猟師に頼んで撃って貰った。何度撃っても当らないので行灯を撃ったところ、翌朝どうさいの目に弾が当り死んでいた。それは3尺程の大きさだった。
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フネ,ムカエ 1990年 高知県 猟師が危篤のとき、きれいなお姉ちゃんが船に乗ってやってきて「おいでおいで」と言った。行こうと思って踏み出したが、鉄砲の玉の状態が気になって片足を引き抜いた途端に目がさめた。5時間後に亡くなった。1969年ごろの話である。
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オンナ,ヤマガミ 2000年 福島県 猟師が山中で、女と出会った。山の神が、殺生を止めさせるために現れたのだと考え、猟師はそれから猟をやめた。
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テング 1928年 愛知県 射止めた鳥の傷口から流れ出てくる血が一向にとまらないので、気味が悪くなりそのままいしておいた。それでも気になった猟師はまた引き返したが、鳥の姿も血痕もなかった。天狗の仕業であろういうことになった。
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サンチュウノキ 1976年 群馬県 ある、殺生好きな侍が、草履取りと共に山に小屋を掛けて狩に入ったが、獲物が獲れそうになかったので下山しようとしたところ、山の奥からざわざわと音がして、大きな火の玉が小屋に向かってきた。侍が弓で射ると、鉄球にあたったような音がして火は消えた。その後、家まで帰ると侍の母親が怪我をしたという。母の部屋に行くと、侍が射った矢が落ちていたので、草履取りと共に押さえつけた。暫くはうめき声が聞こえたが、やがて静かになったので、見てみると、夜着以外何もなかった。家人も消えていた。
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ヤマンバ 1995年 愛知県 楽田の本宮山で福富信蔵という男が狩をしていたら、光るものが見えた。山姥の目の玉が光っていたのだった。鉄砲で撃つと血を流して逃げていった。血の跡を追うと大きな釜屋に入ったので、変わったことはないかと訊くと、家内が具合が悪くて寝ているという。その家内が山姥であった。山姥は逃げて、岐阜のおがせの池に入ってしまった。その池では魚を取ってはいけない。話者が20歳くらいのころ、その池の魚を食べて赤痢で死んだものがいたという。
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ヤマウバ,ヤマンバ,メシヲクワンヤマンバ,メシヲクワンヤマウバ 1984年 岐阜県 男が山奥で出会った美しい女を飯を食わせない約束で妻にする。女はよく働き次々に子どもを産んだ。ある日、障子に穴をあけてみてみると、大食いの山姥であった。正体を知られた山姥は山中へ逃げ込んだが、事故で谷底へ落ちて死んでしまった。男はいい嫁がいなくなったと嘆いた。
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キツネ 1980年 青森県 夕方、きれいな女の人が立っていたのでキツネだと思い、猪猟のヤスで突き殺した。死体は朝日があたるとキツネになった。
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オシドリ 1976年 栃木県 殺生を好んで鷹を使うものがいた。ある時鷹狩りの帰りに鴛の雄を捕まえ餌袋に入れて帰った。その夜、夢にうつくしい女房が現れ、夫を殺したと嘆いた。そのようなことはしていないと否定したが、女房は和歌を詠んでふっと立ち上がった。それを見ると鴛の雌であった。驚いて哀れに思っていると朝になり、昨日の雄と嘴を食い合って死んでいる雌がいた。これを見て発心し出家した。
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マモノ,コヲダイタワカイムスメ 1975年 高知県 猟師がたまたま火事場にであって手伝いをした後、子を抱いた若い娘に行き会った。シガキ待ちをしていると、谷いっぱいに口を開けた魔物が迫ってくる。一目散に逃げるとまた同じ娘が近づいてくる。その後猟師は熱病にとりつかれ、一週間後に死んだ。
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アモレヲナグ 1928年 鹿児島県 奄美嶽の小沼で狩人が銃を撃つと美女が風呂敷包みを背負って現れ、「いつもこの山を騒がすのはあなたですね」といって消えた。狩人は病の床につき、別の農夫の前に美女が死の知らせをつげに来た時、狩人は死んだ。その小沼は昔からアモレヲナグの沐浴の場所として、昔から禁猟の地帯だったが、狩人はそれを知らなかったために禍を蒙ったのだ。
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キツネ 1974年 福岡県 筑前福岡城下近くの岡崎村に、高橋弥左衛門という馬乗りがいた。用事があるといって出かけたが、すぐに帰ってきたので妻が問うと、先方で話がついたので仕方なく帰ってきたといい、あまりに疲れたからといって寝室に入った。供の者どもも食事をして寝た。しかしこの家の婆が妻に言うには、主人は通常右目が見えないが、今日は左目がつぶれているのでおかしいと。そこで妻が確認すると確かにそうなっていたので、寝室の扉を閉じて四方を囲み、主人を打ち据えるとコンコン、カイカイと鳴いたところを突き殺した。家来は供の狐を叩き殺した。未熟の狐だったので化け損じたのだろう。
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キツネ 1938年 長野県 魚商がうんと荷物と担いで同じ道を何度も往復している。木下に狐がいるのを見つけた猟師が狐を射止めると、魚商はその場に倒れ、手当てをしたが間もなく亡くなった。
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キツネ 1987年 奈良県 山に蕗を取りに行ったら狐に化かされた。帰ってくると木や下草が全部蕗に見えるのだと言う。ボケたようになってひとりでに出歩き、山に入るようになった。たまりかねて猟師が鉄砲で撃ったら、狐が落ちた。
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ヘビトカエル 1956年 宮城県 薬売りがある晩、田んぼ道を急いでいると、1匹の大蛇がビッキ(蛙)を今にも呑もうとしていたので、「そのビッキを逃がしてやったら俺のオガダ(嫁)にしてやる」というと蛇はビッキを放した。3日ほどあと、17,8の美しい娘が薬売りの寝所に来て「あなたのオガダになるから側に寝させてくれ」と裸になって床に入ってきた。次の晩から毎晩同じ時間にやってきて、だんだん薬売りはやせていった。ご祈祷しても治らず困っていたところ、ある夜少し年取った女がきて、「わたしは助けてもらったビッキだが、今夜あの娘がきたら、今自分は病気で苦しい、それを治すために辰巳の方角の山にある大きな木のワシの卵をとってきてくれ、と言え」と話して去る。薬売りがそのとおりに言うと、娘は蛇となり木に登り卵をとろうとしたが、枝が折れて下に落ちていくところを大ワシが飛んできて蛇の目をついて殺した。それで薬売りの病気は治ったが、蛇は執念深いものだということだ。
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キツネ 1922年 茨城県 治郎兵衛という農夫が山林中で死んだ雉子を見つけ、持ち帰った。夜になって治郎兵衛の家の周りを1匹の狐が鳴きながら何回となく回った。「そんなに欲しくば返してやる」と、治郎兵衛が戸を開けると狐はすでに絶命していた。それから間もなく治郎兵衛の家の前の石橋が破裂し、家は全焼し、治郎兵衛一家は離散した。雉の持ち主は狐で、眷属の大宴会に雉を出す予定だったが、治郎兵衛に取られ、多くの賓客に合わせる顔がなく、帰ることも出来ず治郎兵衛の家の周りを泣き明かしつつ死んだという。
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ネズミ 1952年 神奈川県 狩人が山小屋で鼠を撃ち、半死半生の様を哀れに思った。妻がその日お産をしたが、生まれてきた子供はみな頭が鼠だった。哀れんだのがよくなかった。
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ヤマオトコ 1989年 長野県 ある猟師が谷に入って一日仕事をしていたが、獲物を捕れなかったので山小屋に帰ろうとしたところ山鳴りがして山男が出てきた。山男と戦っている内に鉛玉がつきたので金の玉を込めて撃とうとすると、「それをすると死んでしまうので仲直りをしよう」と言い出した。結局山男が負けたことを言わない代わりに、山に行くたびに猟を分けてくれることになり、その時は1人で来いということになった。後、他の猟師が「どこで猟をしているのか」と問うのに言わないでいたら、子供に口のきけない子が産まれたという。
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