ヌエ 1975年 梟のような夜に鳴く類の鳥なのであるだろう。
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トリ,イヌイ,フク 1953年 香川県 大晦日の晩に戌亥の隅で鳥が鳴くので、爺と婆は非常に不審がった。爺は面白い人であったので、「戌亥のすみで鳴く鳥は福つくか福つくか」というと、福がついて村一番の金持になった。このあとに隣の爺の真似そこないの話がついている。
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カイチョウ,ギッシャ 1974年 京都府 安永3年4月のある宵に、夜の御殿の上に牛車を引く音がして、女房や殿上人などが恐れおののいた。乳母が御殿の上を見ると、鳩ほどの鳥が瓦の上にいた。しばし見ると南の方に飛び去って、怪しい音はしなくなった。
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タタミタタキ 1938年 高知県 夜中に畳を叩くような音を立てる怪物であるといわれ、土佐では狸の仕業であるとされている。
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オクリスズメ,ヨスズメ 1938年 和歌山県 オクリスズメは夜の山道でちちちちと啼きながら後先を飛ぶ小鳥であるといわれているが、夜に飛ぶので鳥ではない。送雀が鳴くと送狼がついているしらせだといわれる。南宇和郡では、ヨスズメという一種の蛾がいるが、これは犬のさきぶれであるといわれている。
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カラスナキ,ハトニニタブキミナトリ 1970年 三重県 烏の鳴き声は死の前兆だと考えられている。烏よりもっと不気味な鳥がいて、それが一声鳴くと即時に、二声、三声鳴くと二日、三日後に死人が出るという。格好は鳩に似ていて、その鳴声は地獄の底から響くようであるという。周囲の血縁の薄い者には聞こえるが、本人や家族には聞こえないといわれる。
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イチョウ 1983年 東京都 武州豊島郡新堀村の名主・権四郎の家の近くにある杉の梢から、4月の中頃より夜な夜なポンポンと無く声が聞こえた。その声は6町四方に響いていた。先月13日頃にその異鳥を捕らえた者があり、それによると、大きさは鵁の2倍ほど、羽の色は黒く、羽先は瑠璃色に光り、眼のふちは金色に光って大きく、足は黄色かったという。
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タタミタタキ 1956年 冬の夜中などに畳を叩くような音を立てる怪物。土佐ではこれを狸の仕業といっている。
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シンシノトリ 1931年 長野県 蓼科の峯に雷鳥に似た神鳥がいる。朝と暮れに時を知らせる声が麓まで聞こえることがある。雄は色黒で白斑があり、碁石鳥に似ている。雌は黄雌鳥に似ていて、胸は黒く、白斑がある。足は踵の際まで毛がある。雛は鳩と同じように松の実や松のみどりの葉をついばむという。
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モミ,ヌエ 1975年 京都府 清盛が内裏に伺候していたある夜、ぬえの音を出す鳥を捕まえた。よく見るとそれは、年老いた毛朱だったという。毛朱とはむささびのことだと考えられる。
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ショクカケイ,カズハル,ヒクイドリ 1978年 丁卯11月に姫路侯の邸で変わった鳥を見た。形はだちょうのようで、とさかは金色、首の毛は翠で赤いところもあり、全体に黒い毛で覆われ猪のようであった。爪は銅色で中指ほどの大きさで、高く飛ぶことはできない。炭火や石を食べ、饅頭なら1日100個を食べた。
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オオトリ,モノスゴイオト 1937年 福島県 あるとき、虎捕山本殿のあたりにいたら、大鳥の飛ぶような物凄い音が近付いたが、南西へ飛び去った。姿はまるで見えなかった。
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(ゾクシン) 1998年 全国一般 夜、子供が口笛を吹くと、鳥の夜泣きと思いあやかしの者がくるという。
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(オオガオノオンナ) 1980年 高知県 土佐国の猟師が、鹿を捕ろうと鹿笛を吹いたところ、俄に山が騒ぎ出して何かが来る様子になった。樹間で待ちかまえていると、伏木の上に常人よりも3つや4つ分ある大きな女の顔が見えた。頭の下は見えなかった。撃ち損じると大変だと思いそのままやり過ごした。これは『山海経』にある鴞の類である。
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コイノオドリ,キツネ,タヌキ 1981年 東京都 樵が鉈や斧で木を切る音が、夜中にすることがある。これはテンゴウの仕業といわれている。けれども実はテンゴウではなく、猿の仕業である。猿が人の真似をして木を叩くのが、木を切る音のように響くのである。
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シラトリ 1976年 京都府 寛徳2年2月、羽の長さ4尺、身の丈3尺の白鳥が侍従池に来住した。その鳥は飯有り菜無しと鳴いたという。
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オト,テング 1951年 山梨県 正月十四日頃山のどこかから鼓笛の音が響いてくる。人が近寄ろうとすると止み、別のところで鳴りだす。桶の底を叩くような音で、狸囃子と似ているため、人々は天狗の能囃子と呼んでいる。
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テング 1919年 京都府 年に一度天狗が音羽山に集まって三夜ほど遊楽にふける。そのときはこの世のものとは思えない妙音がきこえるという。時々堂守のところに火を借りに来るので、さぞ楽しいだろうと言うと、天狗は、われわれは亦翼に羽虫が生じてずいぶん苦しいと答えたそうである。
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(カイチョウ),(ウメキドリ) 1982年 京都府 享保11年、岡崎辺、聖護院森の際に怪鳥が現れた。その声は人のうめき声に似ているためうめき鳥と呼ばれた。その姿を見ようと、近所の者が森林を捜索したが、声しか聞こえなかった。近所の古老が言うには、300年前にもこの辺りで鳴いたと伝えられているという。その姿は鷺のようで青いという。
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ムチ 1942年 高知県 土佐山村で言われるムチ(鞭)は特に牛馬に憑くもので、夜道を曳いて行く時、鞭の鳴るように牛馬のほとりを鳴っていく。この時に曳主は目隠しをしないと取り殺されるとされている。
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