フナダマサマ 1937年 広島県 船魂様は女の神様で、女がひとりで乗船することを嫌う。ひとりで乗るときにはデコ(人形)を持って乗るとよいと言われている。船霊様として帆柱の下に収められるのはサイコロ2個と一文銭12枚、女のデコを1個である。サイコロは大工の棟梁が柳の木から新しく作ったもので、2と2の目が向かい合うように並べる。
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フナダマサマ 1967年 福島県 船霊様は、船大工が他人に知られないように船にはめこむ。これはさいころ2つを天1・地6艏3合わせとも4合わせになるように入れ、これととおに女の髪の毛で男女の人形2体を結い、銭12文を塩でよくもんで共に納める。髪の毛は、拝み屋に船頭の年回りなどから方角を示してもらい選ぶ。妊婦がよいとされるが、気立てもみる。髪の毛は頭の真ん中から取るのがよいとされ、この人には初漁の魚を届ける。不漁が続くので船霊様をあけてみたら、さいころが盗まれていたり、ころんでいたりすることもある。このときは神官を呼んで入れなおしてもらう。
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フナダマサマ 1988年 岡山県 船霊様は船の守護神であり、女性神であるといわれている。船が危険に遭遇しそうになるとチリンチリンと鳴って知らせてくれるという。この船霊様は船大工の手によって祭られる。御神体はサイコロ2個、銭12枚である。船霊様を納めるとき、戸は1回だけたたく。数回たたくと海難に遭いやすくなる。
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フナレイサマ 1939年 神奈川県 船霊様を入れることをオタマシを入れるという。オタマシはサイコロ、麻、紙、紅髪の毛(船主の女房のもの)、白粉、扇子、酒、米、草履、文銭12文、鏡の12品である。鰹船では、鰹が釣れないとオタマシをいれかえてくれと、酒一升もかってふるまい、エンギナオシとて船霊の品物を全部入れ替える。
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フナダマサマ 1989年 鹿児島県 船霊様は船の神様で、ホンバシラを立てるところに船大工が打ちつける。ホンバシラには船霊様がいるから、その横木に腰をかけるなという。お宮の形をした箱に男女2体の人形、五穀、サイコロ、銭などを入れる。サイコロはバクチ好きな船霊様が船で遊ぶために入れる。
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フナダマ 1940年 三重県 船霊は、中央の帆柱の控えの柱の下部を長方形に刳って収める。この時、親方の嚊の髪を納め、洗米、削鰹節、塩を供え、チョボ(賽)を2つこめる。
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〔フナダマサマ〕 1960年 愛媛県 舟霊様は、船の中央部よりやや後方にあり、船が完成したときに大工が米・ショウ銭(16枚)お守りを入れるという。大漁の時や風雨の出る時は、「チリン、チリン」と合図をするといい、必ず当たるという。舟によって、音は多少異なるけれども、これを「舟霊様がいさむ」という。
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フナタマ 1928年 広島県 船霊はばくちが好きだから文銭8個と双六の賽を神体にする。くちなわを嫌う。何事かある直前にまたは数日前に、チリンチリンと音を鳴らして吉凶の予報をする。
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フナダマサマ 1960年 愛媛県 船霊を船玉という。ご神体はサイコロで船の中間に祭ってあり、女であるという。船玉は蛇や猿を嫌う。新造船を作ったときに船玉様をのせる。また正月2日を初乗りといい、船玉様を乗せかえる。死人を乗せたときにも船玉様を入れかえる。夜船の上で寝ているときにチンチンと音がすることを船玉様がいさむという。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 一般に船霊様は女だといわれているが、名立町では、不漁のとき女性の髪の毛を船長室に飾ると必ず大漁になり、また災難除けになる。
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オフネダマサマ 1933年 大阪府 お船玉様は女の神様で、船が難破する様になるとシャンシャン泣く。稲の穂を賽2個と12文(閏なら13文)を紙で包み、帆柱の内部の中央に祀る。
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フナダマサマ 1964年 福島県 船を新造して台降ろしの祝いのとき、大工がしらと船頭が、3月3日に買っておいた男女二体の紙の人形を船玉さまとして誰にも見られないようにまつる。これと一緒に16文銭と夫婦健在の妊婦(5ヶ月目)の髪の毛、さいころ2つ(天1地6四方2合わせ)をまつる。さいころの目がころんでいたりすると不漁になる。
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イナリ,リュウジン,タイマ,エビス,ダイコク,カイジン 1986年 青森県 家の神棚に、稲荷、竜神、伊勢神宮の大麻、エビス・大黒を小祠箱を設け、吊り棚に並置する。特に竜神は「竜神様」と敬われ、海難を免れるようにと代々祀ってきたという。船霊信仰はなく、竜神信仰が顕著で、舳にはいつも竜神様がいる気持ちだといい、小用などは絶対にしない。船上では蛇の話を忌む。また、産婦を持つ夫は、2週間は船に乗らない。
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フナレイサマ 1939年 神奈川県 船霊様は船おろしの時、賽ころ、髪の毛(船主の女房のもの)、紅をツツノカタに入れてうめ木をし、荷舟では船大工のいうように色々入れないという。荷舟は売買した時、新しい買主がオタマシを入れかえることはあるが、一代だけではほとんど入れ替えることはなく、換えれば古い神体は海におさめる。
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フナユウレイ 1932年 福岡県 船幽霊にあったときには一文銭の穴からのそくとよい。
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フナダマ 1937年 福井県 若狭日向では舟玉は十六善神であるといわれている。これを売りにくる寺谷の法心寺の坊さんはトシバケツと呼ばれている。十六善神はお札で、船のトモか寝る場所に貼り付けておく。
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アヤカシ 2002年 山口県 風が西から吹くとシタテから亡魂がついてくる。自分の船と同じように灯りをつけて、どんなに暗くとも着物の柄までわかる。これはアヤカシ、バケモノである。
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リョウシノボウレイ 1982年 宮城県 漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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ヒトダマ,ヒカリダマ 1952年 神奈川県 人魂をヒカリダマともいう。人魂を懐に入れると、金ができる。
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オニババ 1941年 秋田県 怠け者の男が鬼婆から空を飛べる団扇を奪った。その後、海まで飛んで鯨からどんなに強いものでも殺せる針と、死人でも生き返る針を騙し取った。それから、死んだお姫様を生き返らせ、銭金をたくさんもらった。
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