(クワカラエダ) 1977年 静岡県 遠州豊田郡月村の百姓である作十が持っていた古い鍬から、枝が出て花が咲いた。枝は鉄色で鍋つるのよう。花はここめさくらで、色は金銀のようだった。
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ツエ 1925年 東京都 谷中の領玄寺に、日享上人が皮付きの桜の杖を刺した。この杖は桜の木になり、会式桜と称し、毎年旧10月の会式の頃に咲いた。
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ツエ 1925年 兵庫県 明石の人丸社に座頭が参詣して祈請したところ、眼が開いたので、不要になった杖を庭に挿した。翌春、その杖から芽吹き、花が咲き、桜の木になった。
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ツエ 1925年 和歌山県 熊野の山奥の請川と日足の村境に、請川の住民が朝鮮征伐のときに持ち帰った杖を刺したところ、成長して桜の木になった木がある。高麗桜ともいう。
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〔フルツバキノネ〕 1938年 京都府 古い椿の根が、光って飛んだという話があったという。
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ツバキ(ゾクシン) 1920年 兵庫県 化けるのは古い椿の木である。
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サクラ,サクラノセイ 1928年 新潟県 寛延改元の春、花見をしていると、桜の大木の梢の花から「花も今年限り、人々も今年限りぞ、あら名残惜しや、さらば、さらば」と聞こえてくるという出来事が3日ほど続いた。この噂が広まり、花見客はいなくなった。翌年、予言どおりに桜は枯れてしまった。
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ヤマノカミ 1955年 静岡県 山中の大欅(槻)を切ろうとしたら傍の藤の木が唸り、寒中だというのに花が咲いた。持ち主が短冊に和歌を書いてあげたら花が散って仕事ができた。山の神が怒ったためだという。
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ツエザクラ 1961年 島根県 吹雪のために死んだ比丘尼が携えていた桜の枝を挿したのが発芽した。
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キボク,ウメ 1976年 岐阜県 美濃の国安八郡香島村の梅が寺という寺院にある梅の古木は、春に花が咲くことなく、実を生じる。
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〔ネナシフジ〕,アベノサダトウ 1956年 宮城県 前九年の役に安倍貞任が敗走して、馬が倒れた時、側にあった銀杏の木の根本に、藤の鞭をかけて去った。これに芽が生じ花が咲いたが、藤はのちに枯れ、銀杏が残る。
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オシラサマ 2002年 岩手県 馬を殺された娘が家を出るとき、父親に春の3月16日の夜明けに臼の中を見るようにと告げる。娘は馬と共に天へ飛び去り、娘の言うとおり臼を覗くと、中には馬の頭をした白い虫が湧いていた。
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ユウレイ 1987年 岐阜県 尾倉ほぎの椿の木の上にきれいな女の人が座っていた。あまり出るので、椿の木を切った。60年前のこと。
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サンボンマツ 1967年 福島県 昔、湯の花をあげたときに、松の杭を打ったが、それが成長して枝葉をつけたのだといっている。
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エンノギョウジャ 1928年 奈良県 弟子たちが仏菩薩を供養したとき、冬だったので供える花がなかった。それをみた行者が枯れ木を取って加持を加えると、紅白の艶のある花が咲いたという。
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マツ 1922年 福岡県 永享11年、神殿に松の木が傾きかかって造営の邪魔になるので、伐り倒してしまおうということになったが、不思議にもその松は一夜にして元の長さに伸びた。
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フジカズラ 1983年 兵庫県 播州揖西郡の室津にある神社では、21年に1度大祭が行われる。この祭では奇瑞があり、社地を離れたところにある藤葛は、必ず祭礼に合わせて花が咲き、もし延引してもそれに応じて咲くという。
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バケツバキ 1956年 古墳に椿の老木があり、夜、人がその下を通ると、美人に化けて路傍に立っている。この古墳は、以前村人が発掘して祟りを受けたので、供養のため椿を植えたものであるという。
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モウジョウザクラ 1928年 兵庫県 人丸山の柿本神社の桜は歌聖人麿が目を開けてやった盲人の持っていた杖が生長したものであるといわれている。目の開いた盲人が必要なくなった杖(生木)を地面に挿したところ、根をおろして芽が出たものである。
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シロツバキ 1929年 大分県 宮園にある大きな白椿は、昔阿蘇の明神様がついて来た杖を刺したのが、繁茂したのだと伝えられている。
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