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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

カニ,タキノヌシ
1989年 静岡県
大城の兵太ヶ滝の滝壷には、滝の主である1000年を経た大きさ1丈(3m)四方ある蟹がいて、時々稲取の海へ遊びに行く。そのときは山が鳴り、風が吹くので、土地の人は「兵太ヶ滝の蟹が出た」と怖れる。この蟹を目撃した古老もいる。

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オオガニ
1975年 愛知県
享保7年8月14日、三河国幡頭郡吉良庄富吉新田の堤が大嵐で切れた。里人が修復に向かうと、7尺ほどの大きさの甲羅を持つ蟹が出た。水門に穴をあけて住んでいたようで、その穴から堤は切れていた。この蟹を捕えようとしたが右のはさみを残して逃げた。今でも時としてこの蟹は現れる。
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カニ,タキノヌシ
1989年 静岡県
釣り好きの男が、滝の洞川の青葉の滝に魚釣りにいき、大きな岩の上で釣り始めた。ところが岩だと思っていたのは巨大な蟹であった。青葉の滝の主は蟹。
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オオカニ,ダイジャ
1961年 新潟県
越後の妙高山と黒姫山の狭間、関川上流に「地震の滝壷」がある。そこに住む雌雄の大蟹は、信濃野尻湖の主といわれる雌雄の大蛇と毎年戦争をすると言う。
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カニ
1989年 静岡県
昔、梅雨が過ぎても雨がやまず、霧が濃い年があった。茅野の三階滝の上を旅僧が通りかかると、甲羅が1mもある大蟹が泡を吐き、黒雲と霧を作っていた。僧が印を結んで祈ると、蟹は滝壷に落ち、雲も晴れた。以来三階滝の一番上を「かにだる」と呼ぶ。
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イケノヌシ,カニ
1959年 鳥取県
サカナル山にある七池・七フクジンという場所の池の主は大きな蟹で、ある時洪水に流され滝つぼの中で死んだ。この滝をカンバサレの滝と呼ぶようになった。その時の蟹の爪が付近の旧家にあって、小便壷にされていたという。
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オオガニ
1962年 石川県
山道に沿う小河の淵に久しく住む大蟹がおり、夜中に子供に化けて出てきて通行人を苦しめた。弘法大師と神明明神が協力して、烏帽子を蟹に与えて淵に埋めると、蟹は烏帽子と共に石となった。旱魃のときにこの蟹の甲石を掘り出せば、雨が降るという。
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ガサメ
1976年 京都府・奈良県
山城と大和の両国の渓間に擁劔蟹(がさめ)という蟹がいる。毎年10月の丑の日に群れて出る。また関中には蟹がいないので、乾かした蟹を門口に掛けて瘧除けにする。
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ジョロウグモ,タキノヌシ
1989年 静岡県
天城湯ヶ島町の浄蓮の滝の主は女郎蜘蛛。農夫が滝の上で休んでいると、蜘蛛が足に糸を巻きつける。糸を桑の切り株に掛けたら、大地が震えて切り株は滝に呑み込まれた。
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タケブンガニ
1976年 兵庫県
元弘の乱の時、摂津国兵庫の海で死んだ秦武文という男の怨霊が蟹になった。ゆえに兵庫と明石の蟹を武文蟹という。大きさは1尺程もあり、はさみは赤く白い斑がある。
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オオカニ
1961年 鳥取県
伯耆の船上山麓には大松7本と7池があり、池の主は大蟹だった。ある時洪水で蟹が流され、下の池の滝壷にはさまれて死んだ。池田家ではその蟹の爪が小便壷にされていたという。
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タキノヌシ,ダイジャ
1985年 和歌山県
平治川の滝壺に牛の糞を入れたら、滝の主が出現した。その背は滝よりも高かったという。主は大蛇である。
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オオガニ
1998年 愛知県
ある年の秋、刈り入れ前に田が食い荒らされた。部落民が見張っていると、海から甲の長さが1メートルもある蟹が現れた。皆震え上がったが、侍くずれの一人が伝家の槍で戦い、明け方近くにやっと殺した。祟りを恐れた部落民は小祠を造ってこれを祭り、「蟹堂さん」と称した。
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カニ
1962年 石川県
和気村では炎天が続くと鍋谷川の水源・蟹淵の主の蟹に雨乞いをする。ある夏、雨乞いの為に水戸口を切り開くと大蟹が出てきたので、驚いて鍬で蟹の足を傷つけてしまった。その後、ある百姓が湯治へ行くと、足を怪我した武士がいた。その夕、鍋谷の炭焼が山を登っていく武士に会い、何処の人かとたずねると、自分は千年前からこの上の淵に住む者だと言った。それ以来、この淵をがんぶちという。
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エンコウ
1928年 島根県
明治21、2年の話である。滝壷の横の大岩の上に小猿のような動物が1匹いて、人を見て滝壷の中へ飛び込んだ。エンコウであるといわれる。
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オオガネ
1972年 鹿児島県
慶応年間の6月の梅雨時、安山家の屋敷の前の道路とヤマンカン馬場の接する三叉路で安山松之丞等が甲羅の大きさが畳の半分ほどの毛が生えた蟹に遭遇し、これに刀で切りつけた。蟹の甲羅は固く刀の刃が折れたが、もう一本の刀で目を切りつけるとこれを切り落とすことができた。蟹は退散し、血痕は海まで続いていた。昭和六年ごろまでこの目玉は保管されていた。また、梅雨前になるとヤマンカン馬場の南方道路のほうからウーンウーンと正体不明のうめく声が聞こえてくることがある。
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カニ
1961年 鳥取県
鷲峯山に人を食べて害を成す蟹がいた。そこで鹿野の譲伝寺にいた高徳の僧が法力で退治したとの伝説がある。
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タケブンカニ
1975年 兵庫県
摂州大物浦に海人が武文蟹と呼ぶ蟹がいる。これは尊良親王の随身であった秦武文が、松浦の枝に謀られて御息所を奪われる。武文はこれを追って大物浦で自殺し、その寃鬼が風濤を起こして主を救い、ついに蟹に変化したという。
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タキツボ,フチノヌシ
1930年 岩手県
志和の大瀧の滝壷の主は、1丈以上の大木は滝壷に引き入れてしまうので、どんなに長い大木でも「9尺、9尺」と叫ぶと無事に通過できる。
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オオカニ,オオウナギ
1967年 宮城県
昔、三階滝に住む大カニは、体が大きくなって身を隠せなくなったため、大ウナギが住む近くの不動滝を我がものにしようと、夜ごとに目玉を月のようにらんらんと光らせてウナギを攻めた。ウナギはある鉄砲撃ちに加勢を頼んだが、鉄砲撃ちはカニの迫力に動転し、鉄砲を打てずじまいだった。結果、大ウナギは大蟹のハサミで7つに断ち切られ、頭が飛んだ。
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テング
1999年 宮崎県
双石山の麓の九平には滝が100あった。ある日、山師が材木の切り出しに行き、昼飯後に余興として、空になっためんぱ(弁当箱)をかぶって神楽舞をしていた。天狗が面白がって鹿に化けて近づいたら、山師の一人が気づいて、鉄砲で撃ってきた。天狗は人間が怖くなり、滝の1つを棲家に決めて、人間の目から隠してしまった。以来、九平の100滝は99滝になった。
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