(ゾクシン) 2004年 香川県 お産に関する俗信。妊婦が火事を見ると赤い痣の子が、葬式を見ると青い痣の子が産まれるという。ウサギを見ると、三口の子が産まれるという。お腹が前に出るあるいは妊婦の顔つきがきつくなると男の子だという。はしかなど高熱で子どもが危ないときは、へその緒を煎じて飲ませるといいと言った。チヌを食べると、乳の出がよくなるという。ナナツキゴは育つが、ヤツキゴは育たないという、など。
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(ゾクシン) 1938年 香川県 産育に関する俗信。上の子がネンネコを作って子守りをし出すと、次の子ができるという。弱い子には7軒から切り布を貰って着物を作って着せると丈夫になるという。双子を産んだ女性と布を引き合うと双子を産むといって忌むという。妊娠中に帯を縫うと袋子を産むといって忌むという。
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(ゾクシン) 2004年 香川県 お産に関する俗信。お産は母屋の納戸でするが、箒を立てて神祭りをして箒の神様を集めた。箒の神が集まらないとお産ができないという。また、妊婦が箒を踏むと箒の神様が怒ってお産ができないという。妊娠中に葬式を見ると生まれた子どもの肌に黒いあざができるという。へその緒を煎じて飲むと夏病みに効いたり、雷避けになるという。産まれる前から産着を作っておくと、弱い子になるという、など。
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キツネ 1971年 茨城県 狐がお産するときは、狐の穴におにぎり、小豆飯、すし、おはぎを持っていって供える。これをしないといろいろと荒らされる。これをしなかったある人は、便所に行っている間に赤子を囲炉裏にくべられてしまった。
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(ゾクシン) 1973年 三重県 産育に関する俗信。鶏の初産の卵を飲むと、お産が軽くてすむという。子供が行方不明になったとき、へその緒を水に浮かせて、水に沈むと死んでいるが、浮いていると生きているので捜したという。男の子の髪の毛は、人が通る場所に埋めて、人に踏んでもらうといいという、など。
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イヤギヲサス 1933年 鹿児島県 子どもが産まれると母親が臍を接いでいる間に、家人の誰かが、神様に悪い運を授けられないうちに、先手を打ってイヤギ(運命)を差す(運を授ける)という。ズシキー(薄)の幹を三本1尺3・4寸に切って、サヌマ(茶の間)の東口の桁の上に差すのがその方法である。次子は、薄の間隔が遠いと遠くに産まれ、近いと近くに産まれるという。
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ヌレオナゴ 1991年 愛媛県 たかなご坂を通ると女が赤子を抱いていて、「子を抱いてくれ」と言った。抱いてやると赤子が次第に重くなったので放り出して逃げると女は追ってきた。家に入って戸を閉めると、女は先が鉤になった髪の毛を投げつけてきた。朝見てみると、釣り針のような毛が戸に残っていた。二枚戸だったので助かった。それで「二枚戸は祟られん」という。
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(ゾクシン) 1972年 長崎県 産育に関する俗信。出産前にそうめんを食べると、子供がそうめんをかぶって出てくるといわれている。へその緒は取っておき、嫁に行くときに持たせて生きるか死ぬかのときに飲ませると良いといわれている。最初、赤ん坊を腰巻きにくるまないと横着になるといわれている。5月に産まれた子どもはガワッパのせいで水難に遭うといわれているので、竜神の加護のある船大工に名前を付けてもらうといわれている、など。
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ヘソノオ 1956年 宮城県 子供が生まれると、すぐにへその緒を胎児の体から八寸のところで固く結んでその外側を切り取り、残りは美濃紙に包んで胎児の体の上に乗せる。また、出べそにならないようにモグサの灰をふりかけ、油と練って綿で押さえておくという。
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シュッサン 1939年 千葉県 出産に関する俗信。産婦は、出産後21日目にあたるオボヤキまで髪・手・足・首などを麻で巻いてほどかないという。この日、赤ん坊は産土神に詣でるが、参拝の際に鼻をつまんで泣かせ、大声で泣けば丈夫に育つという。100日目の食い初めには、歯が丈夫になるように、赤ん坊に石をなめさせるという、など。
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カラス 1934年 奈良県 烏がコカコカと鳴くと人が産まれ、カワイカワイと鳴くと人が死んだことである。産まれる時は家の雨だれに血の流れるのが見え、産まれる時には白い矢がたつのが見えるからだという。また棺は背に負わない。湯棺した晩には風呂をたかない。
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バケモノ 1977年 青森県 昔、女の人が山に行って化け物と仲良くなり、化け物の子を産んだ。7日7晩たっても生まれなかったが、7日目の風雨が強い晩、産婆の指示で産室を無人にしたら、何かが来てコチョコチョ話をし、子が生まれた。その子は口が耳まで裂けていた。産婆は誰にも見せずにどこかに埋めたが、翌日掘り返した跡があり、何も無くなっていた。
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ヘビ 1993年 岩手県 ヘビが美男に化けて若い女を次々騙して、子を産ませた。娘の腹がふくれて10ヶ月経つと、娘が一人のときに、ヘビが編み笠をかぶって入れ物を持った人の姿になってやってきて、生まれたヘビを連れて行く。ヘビが来なかった時は家の人が生まれたヘビを始末していたらしい。
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ウリコヒメ 1956年 宮城県 昔、子のないおじんつぁんとおばんつぁんがいた。ある日おばんつぁんが洗濯に川へ行たっとき、川上から流れてきた大きな瓜を拾って帰ってきた。切ろうとした瞬間、美しい女の子が出てきたので、瓜子姫と名づけて大事に育てた。美しく成長した瓜子姫が、ある日機を織りながら留守番していると、天の邪鬼がやってきて瓜子姫を食い、かわりに瓜子姫になりすました。帰ってきた2人が姫のあまりの食欲にその正体を見破って退治しようとすると、天の邪鬼はソバ畠に逃げる。そこを棒でたたきつけると天の邪鬼は真っ赤な血を出して死んだので、ソバの根が鬼の血でそまった。だから今でもソバの根は赤い。
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(ゾクシン),イナウ 1933年 北海道 扨て子女を産む方法として、柳の生木で造った「イナウ」で若い女性の腰部の辺りを打つのである。これは柳を誕生樹と認めているからであろう。またイナウを赤子の寝床の傍らに置き、生い先を守ってくれるように祈る。
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ヘビ 1990年 長野県 萩原の里のくしが下に百姓家があり、美しい三姉妹がいた。末娘はとりわけ美しかったが、そのうちに若い恋人ができた。若者は毎日通ってきたが、家人は彼を見るたびにぞっとするほど冷たい感じを受けた。あるとき、木綿針に糸をつけて若者の袖につけ、後をつけていくと箱だたみの淵につながっていた。若者は箱だたみの主だった。以後若者は通ってこなくなり、娘は身ごもって子供を産んだが皆蛇の子で、産後まもなく娘は死んだ。
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(ゾクシン) 1975年 愛媛県 出産の時に、夫が家にいると難産するとかお産が長引くという。箒を立てて産むと、安産するという。また、「一のひもとく、二のひもとく、三のひもとく、アブラオンケンソワカ」と唱えたり、ローソクで灯明をあかして「それがくいるまでに産ませてください」と言って祈ると安産できるという。産湯を日向に捨てるとトックリができるので、日向には捨てないという。
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(ゾクシン) 1974年 宮城県 産育に関する俗信。安産のために、年寄りが亡くなったときのエンの綱をもらうと、魔除けになるといわれている。熊の腸を干し、それを帯にすると、安産するといわれている。一軒の家で子供が2人生まれると、1人を外に捨てて拾ってもらう。そうしないと勝ち負けができるという、など。
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アサ,ロウソク 1967年 福島県 安産のために子安観音から麻とろうそくを借りてくるが、ろうそくに火をともして産室におくと安産する。また、まくらを借りるとき偶然白いのが授かれば男、赤のときは女という。
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(ゾクシン) 1981年 栃木県 産育に関する俗信。妊娠中は、柿の木の下を通ったり、柿を食べたりしてはいけないという。妊娠中に葬式を見ると子供に赤いアザができ、火事を見ると黒いアザができるという。へその緒は取っておいて、生きるか死ぬかの病気の時に煎じて飲ませると良いという、など。
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