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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ジイシ,バイシ
1987年 長野県
昔,松代の金持の年寄り夫婦が,上田に住む娘の所へ孫が生まれたお祝いに行こうと籠で地蔵峠を越えた。しかし,そのときの籠かきが性悪な二人で,金剛寺峠に差し掛かると夫婦から金を奪い,籠ごと山の中へ放り投げて行ってしまった。その時,転がり落ちたおじいさんは山の途中に引っかかって爺石に化け,お婆さんは林の中で止まって婆石に化けた。また,籠は山の神の傍に落ちて籠岩に化けた。

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バアトイシジゾウ
1956年 宮城県
昔、老夫婦がいた。婆が庭を掃いていると角から豆粒が1つ転がり、馬小屋の側の小穴に入った。婆がもったいないとその穴を掘っていくと、広い野原に出てそこに石地蔵が立っていた。婆が地蔵に豆が転がって来たかと聞くと、地蔵が「豆はそこの俵の中に入ったが、まあ遊んでいけ」というのでしばらく休んでいた。地蔵は「今から面白いことがある。何があっても声を出すな。俺が手を上げて合図したら鶏の鳴く真似をしろ」といったので、婆は俵の中で黙って待っていると、鬼が集ってメクリ(賭け事)をはじめた。鬼が金を出して盛んになってきたとき地蔵が合図し、婆が地蔵の言うとおりにすると鬼はみんな逃げ、婆は鬼の金を地蔵からもらって帰った。隣の慾深婆が火を貰いにきたときその話を聞き、真似をするが、地蔵の合図する前に鳴いたので、鬼にばれて両耳をもがれて帰ってきた。
類似事例

ジゾウサマ,オニ
1934年 秋田県
昔、爺様が山へ柴伐りに行ったとき、転げた握り飯を地蔵に食べられてしまった。地蔵は爺様を鬼が博打をしているところに連れて行き、財宝を手に入れさせた。隣の爺様が真似したが、鬼に見つかって半殺しにされた。
類似事例

コエ,ジイ
1953年 大分県
良い爺が山に行くと「取付こうか引っつこうか」という声がするので、「とっつかばとっつけ、引っつかば引っつけ」と返事をすると、金がとんできて体中について長者になった。隣の爺が真似して松脂がつき、婆がかざした手燭の火が燃え移って大火傷をしたという話も多く、良い爺には饅頭・羊羹・大判小判がつき、悪い爺には蛇・蛭・蜂・むかでなどがついて食い殺してしまったという話もある。
類似事例

オトンキツネ
1935年 鳥取県
昔因幡国立見峠の古狐は里人を騙して頭をつるつる坊主にするというので恐れられていた。村の若い者がある日退治することとなり、2人で立見峠に出かけると黄金色の古狐がぶらぶら歩いていたが、やがて若い女に化けた。そして道端の石地蔵を抱き上げ川の水草をつけると赤子となった。それをおんぶして歩き出したので、後をつけると女は一軒の老夫婦を起こし、その子を抱かせた。老夫婦は孫だといって喜んでいたので、見てきた話を聞かせたが信じないので湯に赤子を投げ込んだが、赤子は死んでしまった。年寄り夫婦が怒っているところへ和尚が通りかかり、2人を剃髪して弟子とした。2人は一心に礼拝して木魚を鳴らした。夜が明けて村の人達が立見峠にくると、2人の若者が草野原に座り、竹櫛に馬糞を貫いたものを打ち振って騒いでいた。おとん狐のしわざである。
類似事例

ムジナ
1959年 山梨県
馬方の爺様が炭売りに行った帰り、峠の途中で男の子に化けた狢が現れた。爺様は男の子に化けた狢を騙して馬に乗せ、縄で鞍に縛り付けた。家に帰ると鞍に縛り付けたまま火で炙った。狢は正体を現して泣き、やっと許してもらって山へ逃げていった。
類似事例

オカネウムムスメ
1956年 宮城県
昔、名鰭沼のふちに夫婦が住んでいた。子どもになかなか恵まれず、願かけて神に祈っていると、春の猫柳の芽がふくれる頃、嫁の腹が大きくなり、ついに女の子が生まれた。しかし片目片耳の子だったので、人目をさけてボロに包んで納屋においておいた。あるとき用事で、どうしても子を背負って町にいかなければならぬことになったので、慎重に包んで出ていった。町の用事がすんで帰るとき、石の上に子どもをおろして休んでいると、腰のまがった白髪の爺さんがきてボロをはがして子どもを見て「これはいい子だ。神様の授かりものだ。今にお金を生むから毎朝米一粒ずつつかませておけ」と言い残して消える。ためしに米一粒つかませるとお金を一つ産んだ。夫婦はしだいに金持ちになったが、慾の出た夫婦は「うんとつかませたらうんと生むだろう」と、ある日つかみきれないほど米をつかませると、子どもは死んでしまった。
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ウスギヌヤマノヨウカイ
1956年 宮城県
上沼村の東北部北上川の近くに薄衣山という岡があり、そこは村の墓地で人家はなく、老松が茂って昼も薄暗いような場所で、得体のしれない妖怪が出て人々を怯えさせていた。この山の南方の弥勒寺村(中田町)に、剣道の心得のある豪胆な米三という若者がおり、化け物退治を決意した。病臥している妻を理由に家人が引き止めるのも聞かずに出かけ、松の大木にのぼって見張っていると、使いの者が「妻が命を落とした」「出棺だ」と迎えに来た。米三はそれを怪しみ、もし本当だとしても、どんなことがあっても退治するまでは家に帰るまいと決心したので我慢して帰らなかった。暫くすると我が家の方向から弥勒寺の方へ妻の葬儀と思われる提灯の行列が見えた。妻の亡霊とおぼしき白いものが飛んできて、恨み言を言い足元に手をかけるばかりになったとき斬り払うとギャッという叫び声がして、ドドッと転がり落ちる響きがした。朝になって降りてみると夥しい血溜りがあり、血痕が北上川まで続いていた。家の妻は生きており、それ以後怪異はとまったという。
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ヒダリメッコ
1956年 宮城県
箆岳山みたいなところに老夫婦が住んでいた。あるとき爺が今日は遅くなると行って町に出かけた。晩方になって意外と早く爺が帰ってきたので、爺の顔を見ると左目っこの爺が右目っこになっていた。「狸が化けたか」と気をつけて、爺の好物の南ばん大根を作ったが、爺はその焼き大根を食べようとしないので怪しむと、狸は思い切って食べてむせた。婆はおかしさをこらえ、大きな叺を持ってきて、早くこの中に入れと狸に言う。さらに「おじんつぁんは隙間があると寝付かれないから、いつもぐるぐる縄を巻かせるが」とうそをつき、狸をぐるぐる巻きにする。狸を言いくるめて寝たふりをさせ、そのうち八つ下りになって本当の左目っこの爺が帰ってきたので、婆は今日のことを語った。爺はびっくりしたが、やがて「ばんさまのおかげで狸汁食うにええ」と喜んだという。
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ヤマンバ
1991年 香川県
昔々、山の中にある家で風呂を立てると山姥が隣の人に化けてやってきた。家人が先に入ると、山姥は風呂桶ごと頭にのせて山中へ走った。家人は松の枝につかまって何とか逃げることができ、以来松はめでたい木となった。
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ジゾウ,オニ
1941年 秋田県
爺様が転がった握り飯の綺麗な部分を地蔵に供えると、地蔵は爺様に知恵を授けた。爺様はそれで鬼から大金を手に入れたが、隣の心の悪い爺様と婆様がこれを真似して失敗し、鬼に痛い目に合わされた。
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バケネコ
1970年 福島県
化猫の話だが、石川街道のごさんしょ峠の上にはお助け小屋があった。そこに爺様と婆様が住んでいて、猫に人を殺させて金品を奪っていた。ある日須賀川の薬屋が泊まったが、薬屋は鴨で猫を手なずけた。猫が薬屋を殺していないと知った爺様が煙管で猫の頭を叩いた。すると猫は爺様と婆様の喉笛に噛み付いて殺してしまった。猫は薬屋に金をやって姿を消した。それで薬屋は須賀川一の金持ちになったので猫を祀っている。
類似事例

キツネ
1954年 神奈川県
大下の爺様が釣りに行き、山道で昼寝する狐の頭の先をとんとんと叩いて通った。するとあたりが真っ暗になり、近くの家の宿を借りたが、ずっと先に行って寝てくれ言われたので先へ行くと、本宿の池に落ちたという。また、昼寝する狐を嚇して畑を打っていると、遠くから葬式が来て棺をおいていった。木に登って見ていると、棺から化け物が出て来たという。
類似事例

キツネ
1985年 和歌山県
あるお婆さんがキツネに化かされて、広い道を歩いていると思わされて山中に連れて行かれ、一晩中歩かされた。山中で寝てしまったら、畑のズイキの中で寝ていた。
類似事例

フルヤノムリ
1956年 宮城県
老夫婦が冬の雨の晩、「古家のむりは狼よりもおっかねえ」というのを軒の下で聞いた狼が馬小屋の中で雨宿りしていた。そこへ泥棒が馬を盗みにやってきて馬と間違えて狼に飛び乗った。狼はそれを「古家のむり」だと勘違いして振り払おうとするが、泥棒はしがみつくので、狼は走り出し、林の中で泥棒は振り落とされる。泥棒が一休みしたお堂の中で神様が出てきて「今から悪いことすんでねえぞ」というので、改心して謝った。狼から話を聞いた猿は笑い飛ばして仇を取りに行ってやると泥棒の寝ているところへ尻尾をいれていたずらしていたが、寝たふりをしている泥棒に腕を切られた。帰ってきた猿から話を聞いた狼は「やっぱり古家のむりはおっかない」と、猿と一緒に海を渡ることにしたが、猿の方は傷口が傷んでしかたなく帰ってきたが狼は遠くにいった。だからここらには猿はいるが、狼はめったにいない。
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サル
1939年 長崎県
お爺さんが悪さをする猿を捕まえてお婆さんに預けていたが、猿はお婆さんをだまして殺してしまった。その後、猿はお婆さんに化けてお爺さんにお婆さんの肉を食べさせた。
類似事例

ムジナ,タヌキ
1976年 新潟県
滝ノ口というところの、左目の悪い爺さんが暮れに津川に買い物に出たのを見て、ムジナが婆さんを騙そうと爺さんに化けて出た。ところが正面から見て化けたので、右目の悪い姿に化けていた。婆さんは化け物だと気づいて、ムジナが囲炉裏で油断してきんたまを炙り出したところに、真っ赤に焼けた鉄瓶の蓋を投げ込んだ。ムジナは逃げていき、山の中で死ぬ思いをして唸っていた。
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タヌキ,(ヤマデミチニマヨウ)
1981年 京都府
老女が子供の頃から熟知した山の中で迷った。藪のような所で身動き取れなくなったのでその場で夜を明かしたら無事に帰れた。狸に化かされたのである。
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オニトムスメ
1956年 宮城県
2人の姉妹が、天気の良い日に栗拾いに山の奥まで行った。そのうち夜になって道に迷い困っていると、柴を抱えた同じ年頃の娘が来たので、その娘の家に泊めてもらった。そこは山の崖下にある粗末な掘っ立て小屋だったが、「自分は鬼にさらわれてここにいる。鬼が来たらどんな目にあうかわからないから、長持に隠れていろ」と娘が言う。鬼が帰って「人くせえ」というが娘がなんとかごまかし、鬼は「誰か来たら逃がすな」と言い残して去る。逃げる機会をさぐっていた娘も一緒に、一鞭あてると千里走る車を奪って逃げる。帰ってきた鬼は残っていたもう一つの車に乗って追いかける。海まで来て鬼は一息に海の水を飲み、娘たちの車が鬼の目の前に来たとき、娘たちはしかたがなくなって、3人で腰巻も何もかもひきあげて尻を丸出しにしてぴたぴたと叩いた。すると鬼が大笑いし、その拍子に水は鬼の口から出て、娘たちの車は無事に対岸へ着いたという。
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ヤマノババ
1933年 岩手県
和尚さんに言われて、小僧が山へ薪をとりに行った昼に味噌の入った握り飯を食べるとき、味噌を一粒落としてしまった。帰りに小僧は山の婆に襲われた。小僧は和尚さんからもらったお札の力で寺まで逃げ戻った。寺まできた鬼婆を和尚は一粒の味噌に化けさせ、小僧に食べさせた。婆は味噌が化けたものだった。
類似事例

バカムスコトカゲボウシ
1956年 宮城県
老夫婦に息子が3人いて、兄はたいへん利口、中の兄は中くらい、末っ子は馬鹿だった。上の2人はよく稼ぐから婆もひいきで、羊を2匹買って1匹ずつ任せた。あるお天気の日に兄たちは羊に草を食わせに行き、末子は婆の作った団子を届けにいった。途中、末子の脇の方を痩せた病人のような奴がゆーらり、ゆーらり歩いているので、末子はわかいそうに思い、団子を食わせようとした。しかしさっぱり食おうとしないので、竹で土の中へ埋めて歩き出した。ところが今後は痩せた奴が後から歩いてくるので又団子を土に埋めた。どこまで歩いてもその痩せた奴がついてきて、その度に団子を食わせたので、兄たちのいる山に来た時は団子がなくなってしまった。その話を聞いて兄たちが言うには、「そいつは影法師といって、お天気のいいときにゃ、いっつも出るのさ」といって、家に帰ってお昼を食べたという。
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