ゴンゲンサマ,タタリ 1950年 秋田県 八沢木にホロワサン(保呂羽神社か)という霊験あらたかな権現様が山の上にある。この山の麓には宿坊が2軒ある。その内1軒で身内が亡くなったのを知らせないまま参拝人を泊めた。するとその晩、物凄い轟音と共に窓から家の者と参拝人が放り出され死んだ。これは権現様の仕業だという。
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ジゾウ 1958年 三重県 4、5歳の子が高熱に苦しんでいた。ある夜父親の夢枕に新道の地蔵様が立ち、早速お参りに行くとその日の夕方から熱が下がったので立派なお堂を建てた。この話が広まり、地蔵様は付近の村々から参拝者が集まる流行神になった。流行は4、5年続いた。
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ユダテシンジ 1956年 宮城県 大きい湯立釜で熱湯を沸かし、これに神官が着衣のままで入り、息絶えるころに介添え人が助け出す。のち、その神官が一年中の農作物の豊凶・疾病の有無などを託宣したという。
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(レイム) 1967年 福島県 昔、ある法師が修行の途中、この地で一夜を明かしたところ、夢に地蔵が現れ、ここに長年埋まっているので、掘り出して安置するなら奇瑞を現すと告げた。言われたとおり掘ってみると土中から光明が輝いたので、掘り出してみると延命地蔵尊であった。そこでその地に堂宇を建立した。
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ドウチヤクシニョライ 1936年 岩手県 道地薬師如来が苦病に悩む人を救おうとして川に落ちた。流れてきた仏体を持ち帰った人の夢枕に立ち、祠を建てよと言ったので、薬師神社を建立した。
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ムジナ,ダンサブロウ,アヤシイモノ 1984年 新潟県 明暦年間に、佐渡奉行の地役人の中沢という人が、日が暮れてから酒に酔って団三郎ムジナの二ツ岩にさしかかると暗くて道がわからない。団三郎に提灯を頼むと、高張提灯があらわれ、昼のように明るく照らし、怪しい者が現れて親分を神さまとしてあがめるようにしてくれという。中沢は役人をやめて団三郎の棲家を麓の十二権現の末社とし、自分は神主になった。
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ユタテ,オハナユタテ 1956年 宮城県 芋沢字向寺今野家の氏神はオデンノウサマ(八坂神社)で、お祭は6月15日だが、前夜の夜籠りに鎮守の社掌さん(神官)が来て「お花湯立て」の神事を行う。15日朝にも「朝祈祷」をする。
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アヤシイヒ,カミナリ 1921年 新潟県 越後の八石山城主毛利太萬之助と北條の城主北篠丹後守の間に争いが起こった。北條は毛利を自分の女の婿にし、毛利が湯に入っているところを蒸し殺した。それから八石山に怪しい火がでたり、雷が鳴ったりするという騒ぎになり、住職が雷休権現をたてて祀った。
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エンゾウノウラミ,ユメマクラ 1995年 山形県 1800年頃のこと、米沢藩の年貢が厳しいので役人の番所を焼打したが、役人は米沢に行っていて無事だった。円蔵という者が高さ1丈の石塔を建てて供養してもらう約束で自首して火焙りになった。しかし高さ1丈の石が見つからず、石塔が建たないでいたところ、村内に火事が多発した。円蔵の恨みと思い、5尺の地蔵を建てたがだめだった。すると円蔵が夢枕に立ってどこそこを掘れ、という。そのとおりにすると1丈の石が見つかり、おさまった。いまでも7人のお坊様を呼び、地区で供養している。
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ジガミノタタリ 1984年 新潟県 ある家の主人が風邪を引いたようになって寝込んだが、そのうちに口が利けなくなり、耳も痛くなってきた。入院したが、病名がわからない。「八海山」が神さまにうかがったところ、「地神さんの祟り」ということがわかった。その家の地神は屋敷の藤の木の根元にあり、毎日お椀1ぱいの飯を上げていたが本尊のムジナの眷属が多くなってそれでは足りなくなったという理由であった。早速たくさんの供え物をしてまつったところ、主人は急に回復した。
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ショウベエジゾウ 1987年 長野県 昔,庄兵衛という人が牛が淵で雨乞いをした時,荒縄で縛った地蔵様を沈めた。するとどうしても上がらなくなってしまったので,庄兵衛は水底に取りにいった。そのまま上がって来なくなってしまったので,「庄兵衛地蔵」として祀った。
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ジゾウサマ 1990年 長野県 天明年間、善光寺参りの人々が家々に立ち寄ったが、飢饉のさなかで水がなかった。人々が立ちつくして寝ていると、地蔵様が出てきて水のありかを教えてくれた。水で喉を潤した人々はお参りの帰りにその場所に地蔵尊を建立した。
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エンメイジゾウ,(ユメノオツゲ) 1978年 新潟県 狼に食われた老婆の供養のために建てられた延命地蔵が洪水で流されて行方不明になった。40年ほど前に、当時40歳ほどの男性が病気にかかり、医者にかかっても治らなかった。ところが夢の知らせで、延命地蔵が川下に祀られているが上に上がりたいと言った。川下では、川の底から掘り出されて祀られていた。皆で引き上げた。その男性は、人の病気を治したり診たりするようになったという。
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バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
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トウハチゴンゲン,テング 1995年 静岡県 天狗になった藤八を祀った藤八権現は戦時中、出征者の無事を祈願する人々で賑わった。日中戦争の時に大陸で道がわからなくなった人が、藤八権現のお告げで導かれて助かった、などという話がある。その人は北海道の人だった。
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シロシカ,シロオオカミ 1954年 東京都 日本武尊東征の際、御嶽山からの山路を越えた時に、邪神が白鹿となって道を塞いだため、尊は道に迷った。白狼が現れて西北に導いた。尊はこの狼に告げて、山上の本陣での火災盗難の守護を命じたため、以後、御嶽山の守護神としてあがめられたという。
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リュウジンサマ 1969年 秋田県 田代潟の竜神様のお祭りは旧暦で毎月19日。特に3月には阿仁や青森からも潟参りに来る。火の悪い人が潟参りにいけないので代参を頼んだが、その人が潟に賽銭をいくら投げ込んでも、戻ってきてしまったという。森岳の人は田代潟に馬の骨を投げ込んで竜神を怒らせ、雨乞いをする。田代潟の竜神様は森岳の人が潟の水を飲みすぎて神になったといい、森岳の人が来れば必ず雨が降るという。
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スミヨシタイジン,シンリュウ 1983年 大阪府 摂州東成郡野里村には住よし太神が祀られている。その地に乃左渡彦という者がおり、いつも住吉を崇敬していた。或る夜の夢に翁姿の住吉が現れ、近く東方の深淵でその証拠を見よと告げた。そこで野里彦がお供え物などを持って言ってみると、黒雲が淵の上に覆い、白波が上がって真龍が現れた。野里彦は神の出現を喜び、水向にあった神器を崇めて社を建てたという。
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ヘビ 1976年 山形県 出羽国最上郡新庄の戸沢侯の領内の今神の湯という温泉には熊野神社があって、密通する者や、金銭を盗む者がいたが、蛇が出てきて、密通する男女にからみついたり、盗まれた金銭の上にとぐろを巻いて在りかを教えたので、罪人があきらかになったりした。
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ゴズテンノウ 1987年 長野県 昔,村の人が馬を曳いていると馬が大きな穴に足を取られてしまった。するとその穴の底から「俺は牛頭天王だが,俺を祀ってくれないと村中に祟ってやる」という声が聞こえた。そこで村中で祀ることになり,今は村の東方の馬場山上に祀ってある。
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