カッパ 1989年 長野県 せば淵にかっぱ一族が越してきた。馬のシリノコで宴会をしようとしたが、失敗して人間のシリノコを取りに来た。するとその民家に諏訪の殿様の家来の武士が泊まっていて、かっぱは腕を切られた。しばらくするとかっぱが腕を返してくれとやって来て、武士はかっぱに一族郎党皆人間に悪さをしないことと腕をつなげる技術を教えて貰えることを条件に返してやった。武士は最後には藩お抱えの接骨医になった。
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カッパ 1989年 長野県 かっぱの腕を部屋に持ち帰った武士は、しばらくたつとおかしな気配がすることに気づいた。すると何かが室内に入ってきて謝罪する。それはかっぱだった。あまりに謝るので武士は一族郎党に至るまで人間に悪さをしないことを条件に腕を返してやることにした。
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カッパ 1990年 長野県 かっぱが毎晩便所に出て、人の尻をなでていたずらするので、ある晩かっぱの手を掴んで引き抜いてしまった。かっぱは一度逃げたが、後で帰ってきて「手を返してくれ」と言った。「悪いことをしないなら返してやる」と言って手を戻してやった。そのお礼に、それから毎晩魚を届けにきたという。
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カッパ 1989年 長野県 せば淵にかっぱ一族が越してきた。同族に挨拶をするために宴会を開くことになり、そのごちそうにするために川で洗われる馬のシリノコをねらった。しかし、馬に跳ねとばされたり尻尾で叩かれたりして失敗した。
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カッパ 1990年 長野県 かっぱは三本指だという。その指で鋏のようにはさんで、シリノコを抜くという。
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カッパ 1980年 豊前国に河幅が広く徒歩で渡る川があり、夜にそこを渡ろうとすれば必ずかっぱが出て相撲を取ろうとする。小笠原信濃守の家中の大つか庄右衛門と従兄弟のせ川藤吉がこの川を渡ろうとしたところ、かっぱが出て来たが、すぐに刀で切った。死体を見ると、子供の様な体つきで短い髪、顔色は真っ白で、爪は猫のようだったという。
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カッパ 1992年 宮崎県 毎年秋の彼岸過ぎにはかっぱがピーヒョピーヒョと鳴いて山に登り、いたずらをする。風呂好きのかっぱは人の家の風呂に入るが、かっぱが入った後の水は真っ黒に汚れ、ひどく臭う。こまった家人が猿を捕まえてきて風呂場につないでおくと、その晩来たかっぱは驚いて、腹立ち紛れに家を揺さぶっておいて逃げていった。それからかっぱが風呂に入りに来ることは無かった。
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カッパノヒデンセッコツヤク 1956年 岩手県 旧仙台領江刺郡の北上川畔二子町城下に住んでいた小田島大炊之助という侍の家で,夜厠に女中衆が入ると怪物が出て悪戯をする。主人が夜上厠してみても何事も起こらないので,女装して屈んでいるとやがて冷やりとしたこわばったものが触ってくる。大炊之助がそれを捉え,隠し持った短刀で斬り離すと怪物は叫び声を上げて逃げ去った。よく見るとそれは水掻きのある痩せた腕であった。それから三日目の夜,夢現の中で化生の者が大炊之助の枕上に現れた。跳ね起きて脇差を構えると,化生の者は平伏して「この河の鎧が渕に棲む河童だが,向後悪戯はせぬゆえ腕を返して賜れ」という。切り離した腕を返しても仕様があるまいというと,それには秘薬があるからというので,秘薬の処方と引き換えに腕を返した。河童は妙薬を取り出し,見事に腕を継ぎ合わせてみせた後,その処方を伝授し,帰っていった。手負いの者の治療に大変もてはやされたが,代替わりの後はさほどでもなくなった。
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カッパ 1980年 豊前国に河幅が広く徒歩で渡る川があり、夜に渡ろうとすれば必ずかっぱが出て相撲を取ろうとする。小笠原信濃守の家臣・大つか庄右衛門の家中に力の強い者がおり、相撲を取ったところ、かっぱは動きが早く、また捉えてもウナギのようにすりぬける。そして全身針のように尖っていたので傷だらけとなり、その者は病気になってしまった。
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カッパ 1990年 長野県 かっぱは川へつっころばしてシンノコを抜くが、陸ヘ上がると力がなくなるという。ある人が馬の尻尾につかまったかっぱを捕まえて家へ帰ってきた。するとかっぱが秘伝を教えるから許してくれというので許してやった。そして、魚を捕る秘伝と魚を腐らせない秘伝を教えてもらったという。
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カッパ,ベンジョ,クスリ 1953年 鳥取県 ある藩士の家の便所で尻をなでる怪物があり、武芸の達人が腕を切り取った。保管者が夢で見たことに従って、人間の婆の姿をした河童の元へ持ってゆくと、薬を並べて調合を教え、自分の腕を付けた。
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カッパ 1990年 長野県 土尻川のおなら淵にかっぱが住んでいた。そのかっぱが馬の尻に食らいついて離れないので、桑の木沢の家へそのまま連れて行った。これからこんないたずらをしたら殺してしまうと言ったら離れ、おなら淵へ戻っていったという。
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オオカミ,ネコ,カジヤババ 1961年 長野県 武士が東筑摩郡の狼ヶ番場を通ると狼が出たので、木の上に逃れた。狼はイヌツギをして登ってきたが、1匹分足りないので「カジヤババを呼んでこよう」と言っている。しばらくして大きな猫が登って来たので武士が刀で斬ったら、猫も狼も逃げ出した。大猫の血をたどって行くと村の鍛冶屋に入った。医者の振りをして鍛冶屋の婆を診ると、片腕がないので退治した。縁の下から本物のお婆さんの骨が出て来た。
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カッパ 1990年 長野県 かっぱは金物が大嫌いである。また、川流れの人のシリノコを抜くという。
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キンノヘラ 1956年 宮城県 昔、お羽黒様(神社)のような所に、なまけもののほいとう(乞食)がいた。うまい金儲けがないかと思っていると、「下の沢に金のへらが落ちてるからそいつで尻を撫でろ。そうすると、トッピツ、トロペツ、トントコピッコ、ロクドの太皷の、皮になーらばなーれ、スッポンポン、スッポンポンと鳴る。やめたくなったら裏で撫でろ」という夢を見た。ほいとうは大喜びで次の日行ってみると1本のへらが落ちていた。早速拾って尻を撫でると「トッピツ、トロペツ、・・・」と鳴り出した。裏でなでるとぱったり止まった。ほいとうは尻を鳴らして金儲けをしたが、ある晩糞をしてこのへらでふいてから、何度裏でふいても音が止まらず、「トッピツ、トロペツ、・・・」と毎日毎日鳴るので、とうとう死んでしまった。
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カッパ 1980年 水の中にはかっぱというものがいて、馬や人を捕って食う。またよく物を言って人を騙す。豊前国に河幅が広く、徒歩で渡らねばならない川があり、夜にそこを渡ろうとすれば必ずかっぱが出る。かっぱは相撲を取ろうと誘うが、子供だからと侮ると最後には川に引き入れられて食われてしまう。
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ヤマウバ,クモ 1972年 岐阜県 木こりが見合いをして嫁をもらったところ、この嫁が働き者で料理上手だった。ところが嫁は米を炊くのに自分の小便を混ぜ込んでいた。木こりがそれを知った日、木こりが風呂に入っている間に嫁は風呂桶ごと木こりを担ぎ出した。辛くも逃れた木こりは嫁が山姥であることを知った。嫁は今晩蜘蛛になって木こりを糸で縛り、山姥たちのもとへ連れて行くつもりだと語り、木こりはそれを聞いて一計を案じた。その晩、木こりは囲炉裏端で蜘蛛を待ち受け、やって来た蜘蛛を囲炉裏に投げ込んで殺した。
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カッパ 1990年 長野県 川で馬を洗っていると、急に馬が飛び出して家へ帰った。見ると、尻尾にかっぱがつかまっていたので石臼につないでおいた。するとかっぱが命乞いをして、「助けてくれたら、膳椀を用立てる。大橋の上から要るだけの数を紙に書いて投げ込んでくれ」と言った。そこで放してやり、何度かその様にして用立ててもらったが、借りた椀を壊してそのまま返してからは貸してくれなくなった。
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テ 1975年 新潟県 岩間半左衛門が手柄を立てるうち、油断するようになった。油断のあまり、刀掛けに刀をかけて便所へいくと、便所の中から毛の生えた手が出てキンタマをしっかりつかんだ。それは天狗の手であった。天狗に戒められ、半左衛門は心をいれかえた。
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ガワッパ,スイジンサマ,ヤマンタロウ,カワンカミサン 1970年 熊本県 カワマツリに供える団子を分けて家に持って帰るのはガワッパに引かれぬためという。ガワッパは水神様ともいい、人の肛門から手を入れて肝を取り、長生きする。またある時、草相撲取りが山を歩いていると子供が現れ相撲を取ろうという。簡単に勝ったが次々と同じような子が現れる。おかしいと気付き唾をつけると姿がなくなった。この子らはガワッパが秋に山に入ったヤマンタロウであったという。ガワッパは川の合流点にいて人間を見ると相撲を取りたがるという。ガワッパはカナモノが嫌いという。
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