ガワタロ 1991年 滋賀県 盆に水浴びをすると、川の中からガワタロが手を伸ばして、けつの穴から肝を抜くという。それが恐ろしいので盆には水泳しなかった。
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サル,ダイジャ,ナメクジ 1973年 香川県 ある池の端にきれいな娘が出るが、その娘に見られると夜にはたいてい食べられてしまうといった。ある薬売りが池を通りかかる前に、猿が泣いていたので腹痛の薬をあげたところ、襖に何か放り込んでいった。その晩、薬売りが宿の納屋の隅で休んでいたところ、大蛇が来た。大口を開けたので猿がくれたものを放り込むと、蛇は逃げていった。夜が明けてから宿の亭主と確かめに行くと、猿がくれたものは蛇にとっては毒であるナメクジだった。
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ガワタロ 1991年 滋賀県 7月の祇園さんの日に川に入ると、ガワタロが来て肝を取るので、入ってはいけないと親に言われた。
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カワウソ 1966年 新潟県 ある人が、夜、酒を飲んで町から山越えして帰る途中、後ろから誰かにバリツカレタ。家に着いて見ると、肩に足跡がついていた。カワウソの仕業だろう。
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カッパ,カオロ 1939年 岐阜県 川畔の岩に直径5尺深さ3尺位の円形の穴がある。俗にビンダライといい、カオロの入浴するところという。カオロは河へ行って水泳中の子供の尻から肝をとって食うと信じられており、子供は大いに恐れている。
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ガワッパ,スイジンサマ,ヤマンタロウ,カワンカミサン 1970年 熊本県 カワマツリに供える団子を分けて家に持って帰るのはガワッパに引かれぬためという。ガワッパは水神様ともいい、人の肛門から手を入れて肝を取り、長生きする。またある時、草相撲取りが山を歩いていると子供が現れ相撲を取ろうという。簡単に勝ったが次々と同じような子が現れる。おかしいと気付き唾をつけると姿がなくなった。この子らはガワッパが秋に山に入ったヤマンタロウであったという。ガワッパは川の合流点にいて人間を見ると相撲を取りたがるという。ガワッパはカナモノが嫌いという。
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モミ 1983年 秋田県 森吉山にいるイモリに似たイモリより少し大きな虫。山中の草深い所に住み、人が昼寝などしていると体に入って精液を吸い廃人にする。寛政4年の夏、ある藩士が山に登った時、配下が捕って来て見せたという。火を焚くと集まるともいう。
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ウデトリ 1956年 東京都 昔はウデトリという怪がいて、「カンポウ腕ェ出せ」と言というので、怖くて夜歩きはしなかったという。
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ガタロ 1991年 滋賀県 2人の若者がもぐりをやっていて、1人が大岩の先から深みに飛びこんだ。渕の底におかっぱ頭の上に皿があるガタロが一匹いて相撲を挑んできた。上で待っていたものがいくら待っても上がってこないのでもぐっていくと、河童が先の男の尻に吸いついてずるずると渕の奥へ引きずって行った。肛門から肝を抜いたのだ。
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ヘビトカエル 1956年 宮城県 薬売りがある晩、田んぼ道を急いでいると、1匹の大蛇がビッキ(蛙)を今にも呑もうとしていたので、「そのビッキを逃がしてやったら俺のオガダ(嫁)にしてやる」というと蛇はビッキを放した。3日ほどあと、17,8の美しい娘が薬売りの寝所に来て「あなたのオガダになるから側に寝させてくれ」と裸になって床に入ってきた。次の晩から毎晩同じ時間にやってきて、だんだん薬売りはやせていった。ご祈祷しても治らず困っていたところ、ある夜少し年取った女がきて、「わたしは助けてもらったビッキだが、今夜あの娘がきたら、今自分は病気で苦しい、それを治すために辰巳の方角の山にある大きな木のワシの卵をとってきてくれ、と言え」と話して去る。薬売りがそのとおりに言うと、娘は蛇となり木に登り卵をとろうとしたが、枝が折れて下に落ちていくところを大ワシが飛んできて蛇の目をついて殺した。それで薬売りの病気は治ったが、蛇は執念深いものだということだ。
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カッパ 1982年 鹿児島県 娘が河童に川へ引き込まれて死んだ。父親が一計を案じ河童を食事に招いた。河童には孟宗竹の吸い物を出したところ、こんなものを食べる人間は恐ろしいと驚き、口からだと噛み切られるからと尻から人間の肝をとるようになったという。
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ダイジャ 1941年 朝鮮 宣川郡身彌島三角山に虎喰洞という洞窟がある。昔は大蛇が住んでいて、青い煙を放ち、洞窟を覗く人はその煙に目が飛び出し、蛇の力に引き寄せられ餌食にされてしまうという。巫女は、1年に1人の娘を捧げれば害はないと言うのでそうしていた。ある年に少年が通ると洞窟の中で美しい娘が酔ったように真っ赤な顔で唾を吐けという。その通りにするとそのまま倒れて大蛇の身になってしんだ。そして村人は祟りを恐れて大蛇碑を建てたが、今は朽ち果てている。
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クモ 1982年 宮城県 田束山のクモ滝に大きな蜘蛛がいた。ある人が山に行ったら、滝から蜘蛛が出てきて足に糸を巻いた。糸を脇の樹に引っ掛けておいたら、その樹は滝壷に引き込まれた。
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ノヅチ 1968年 奈良県 太いノヅチが上から来るのを見た人がびっくりして肝返りし、2、3年患った末に、天理教の信者になった。
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ニワトリノアシ 1978年 石川県 昔、若者が集まって何かご馳走を食べようという話になり、ニワトリを一羽盗んできた。囲炉裏の中にニワトリを生き埋めにして、口の中に醤油や塩を入れて調理して食べた。食べ終わって戸を開け庭に出ると、玄関の上から大きなニワトリの足が下りてきて、人の頭を引き抜いて掴んでいってしまったという。
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オオサキ 1974年 埼玉県 付近にオオサキという正体不明のものがいて、人間の体内に入ると発熱したりうわごとを言ったりするといわれ、特に子供や弱い人につきやすいという。これを防ぐためには辛いものや臭気のあるものを食べると良いといわれる。
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オボウリキ,ショウニヲダイタオンナ 1934年 秋田県 夜中に村はずれの墓地を通ると、小児を抱いた女の姿が朦朧と現われる。ある年の夏、男が肝試しに行って恐怖症になり、廃人同様の生活を送ったという。
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ガヲロ 1936年 岐阜県 乙姫の病気を治す薬である猿の肝を河童が取りに来た。河童は猿を騙して水中に連れ込むが、殺されそうになった猿が肝は陸に干してきたと言い再び陸まで戻りそのまま逃げた。
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クモ 1982年 宮城県 田束山のクモ滝にある人が行ったら、滝から蜘蛛が出てきて足に糸を巻いた。糸を脇の樹に引っ掛けておいたら、その樹は滝壷に引き込まれた。
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キンキニカンスルゾクシン 1939年 東京都 真夜中にトウドノ(頭殿)がシホゴーリを汲みに行くところを見たものは一年以内に死ぬといわれていたので、村の人々はその晩は絶対に外出しなかったという。また、頭殿の勢力が大きく、その一年間は草履の鼻緒が道で切れても、道で会った人がその鼻緒を必ずたてねばならなかったという。
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