テング 1922年 神奈川県 八手の葉は天狗が団扇に使うのでこれを天狗ッ葉という。
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マヨケ,ハチノタロウ,ナンソノボウ 1931年 岩手県 八の太郎は網の目の数を剣にして、南僧の坊は8万4千の経文を剣にして戦った。しかし、網の目の数は経文の数に4目足りなかったので八の太郎は負けてしまった。それが無念で、猟師が網の目を4目だけ多くしたらそんな災禍でも払ってやると言った。それ以来、網の目は必ず4目多く作るようになり、これが魔除けになると言われるようになったという。川猟師の俗信である。
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アクマ 1916年 長野県 門の入り口にほどこす魔除けの方法として、馬の藁沓や蹄鉄を吊るすと悪魔を払うと言われている。また、軒端に熊蜂が巣をつくった時などは取らない。悪魔を恐れさせるという俗信だろう。
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キモン,エンジュ,サイヤク,(ゾクシン) 1915年 群馬県 鬼門に槐の木を植えると災厄がこないといわれている。
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ヤクビョウガミ 1982年 新潟県 2月8日と12月8日には、疫病神を防ぐためにオハギ3個を三本股の枝にさして戸口に出す。ソバ殻、籾灰などを入口の小路にまく。
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テングノヒジュツ 1956年 宮城県 昔、立石屋敷の佐藤松吉という者に理八とよぶ武芸好きな息子がいた。家が貧しく、館矢間村の小田という豪家に奉公しつつ、夜分は同村の剣道指南高木与惣兵衛のもとに通った。学ぶこと3年、20歳の頃、理八に勝つ者はいなくなったが、先生は奥許しの目録を与えなかった。理八は貧乏人の故かと僻んだが、自分の未熟さを悟って気を取り直し、毎夜同地万騎の峰の中腹にある俗称天狗の宮に、剣の工夫に通いだした。そこは昔から天狗が棲むといわれており、夜路に山犬が横たわっていたり、美しい女が現れたり、生首が飛んできたり、恐ろしいことが起こったが、理八は毎夜猿や樹木や巨岩を相手に剣の工夫を凝らした。ついに百七晩目の夜の丑の刻に天狗が現れて理八を掴み、天狗の宮の谷沢一つ隔てた天狗の角力場に放り投げられたかと思うとまた投げ返され、その間に飛空の術を会得させられた。のちに理八はここに天狗尊を祀り、村に道場を開いた。一寸の間に4,5里先の隣村に往復したり、他流試合に来た江戸の武芸者を角田の大沼に案内して湖上を歩き出して度肝を抜いたりした。評判が仙台藩公の耳に入り、養賢堂大道場で御前試合を行い、「飛剣」の名を与えられた。
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ナンテン(ゾクシン) 1938年 鳥取県 南天は不浄をよける木とされる。南天を朝見るとその日は災難をのがれる。南天が屋敷の軒に届くとその家は家運長久繁盛する。南天の生垣をすると貧乏神が入らぬ。金壺の植えてある所には南天がうえてある。
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ボダイジュノタタリ 1988年 茨城県 平将門の乱で敗れた武将のお姫様が奥州に逃げる途中で死んでしまい、7人の家来もそこで切腹した。親鸞上人が哀れがり、そこにぼだい樹を植えた。それが話者の家のぼだい樹で、枝を折ると災難があると言う。ある人がぼだい樹から蜂の巣をとったら、話者の妹がひきつけをおこした。行者にお祓いしてもらったら治った。
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(キショウ,テンタイニカンスルジュホウ) 1956年 宮城県 三日月を毎日拝むと難を逃れる、流星が消えないうちに願い事をすると叶えられる、五社山をお参りすれば雷の災いから逃れられる、雷鳴のとき桑の枝や葉を門口に差すと落雷よけになる、線香を立てて呪文を唱えると雷が落ちない、などとされる。
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ミツミネグウ 1956年 宮城県 昔、武芸の心得があった幸蔵という者の家に一匹の狼が台所から入ってくる。女房がやせ犬と思い気にもとめず、3人の子を置いて外出する。幸蔵が畑から戻ると、いきなり飛びついたので拳で何度もなぐったが屈しない。そこで両耳をつかんで叩きふせ、小川に頭を突っ込んで殺して流したが、元のところへ戻る。女房が不思議に思って占いを立てたら、「幸蔵が武芸を鼻にかけているので、懲らしてやろうと百里先から来たが負けた。霊験を与えるから葬ってくれ」とあったので祠を建てた。祠の前で、くらん返り(でんぐり返し)をすればオコリが落ちるという。
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シノイミ 1950年 岩手県 忌負けする人としない人がいる。忌負けしない人は自分の家に不幸があり、忌に掛かっているときでも何をしても差し障りがない。負ける人は忌に掛かっている時に山や田に入ると真っ黒に枯れるといわれる。忌負けする人は死忌のある場所や家に出入りしたり穴を掘ったりするだけで、その忌を貰う。
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(イショクジュウニカンスルジュホウ) 1956年 宮城県 十五夜の月の光で針に糸を通すと縫い物が上手になる、井戸を埋めるときには梅と葭(よし)を入れる、盗人予防として洗足桶を伏せておく、盗人が忍び込む際、家人が目を覚まさないようにと戸口に糞をする、門口に胡桃の木を植えて悪魔払いをするなど。
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カニ 1961年 全国 蟹の甲羅を入り口に吊り、悪魔災難よけ招福とする風習がある。蟹の中でも平家蟹、武文蟹、島村蟹、長田蟹の甲羅は人の顔に似ているので、家の入り口で悪魔をにらみ払いのけるという。
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オツカイメシ 1932年 香川県 八栗山(剣山)の聖天を信仰してその使いの蛇を授かってくると、蛇の成長にともないその家は栄える。しかしそれはその家の子孫の運を吸収したものなので本人が死ぬと急にその家は没落し、子孫は貧乏を免れない。
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オコトノカミ 1956年 山梨県 旧師走8日と2月8日を八日様といい、門口にスイノウ、目籠等を掛ける.。この日にはオコトノカミという目の大きい(1つ目とも言う)怪物厄病神が各戸を覗き手帳に厄病を病ませる人の名前を記入して歩く。だから覗かれないようにスイノウ、目籠等をかけておどかす。疫病神は自分よりも目の大きいものがいるというので逃げ帰る。
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エキビョウヨケ 2000年 富山県 風邪・赤痢・麻疹等の厄病除けに手形を張り、悪疫が屋内に入るのを防いだ。
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イドニカンスルゾクシン 1940年 神奈川県 井戸を屋内に設けると、病人が出るという。また、便所の側には南天を植える。卒倒した時に、南天に指先や着物の端がふれると命が助かるためだという。
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ハチメンダイオウ,オニ,ヤマドリ,(ユメノオツゲ) 1990年 長野県 有明山のふもとに住む弥左衛門は息子の弥助が幼いうちに八面大王という鬼にさらわれた。立派に成長した弥助はあるとき大きな山鳥を助けた。それから3日して弥助は美しい娘を娶った。そのうちまた八面大王が暴れ始めた。坂上田村麻呂が観音堂で祈ったところ、特定の山鳥の尾を矢にするよう言われた。その話を聞いた弥助は悩んだが、嫁がそれを持ってきた。嫁は山鳥の化身であり、その後姿を消した。その矢で八面大王は退治された。
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マモノ 2000年 青森県 八皿と呼ばれる魔除けの儀礼を行うと魔物の進入を防ぐことができる。この習俗は折敷や膳に8つの皿、または椀、その真ん中にゴキ椀などと呼ばれるものを配置し、九曜星を作る。次に、皿や椀に濁酒もしくはドベ酒(酒粕を溶かしたもの)を注ぎ、主人に続いて家族の者が次々に飲み干す。最後に飲み残した物をジョノクチ(屋敷の入り口)に撒くものである。
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ヒトツメコゾウ,オニ 1978年 秋田県 2月8日には一つ目小僧が来ると言って、入り口に目の多い目籠類や籾とおし等を下げておく。これは、人家に入ろうとした鬼がこれを見つけ、目を数えているうちに夜が明けて入れなくなって逃げてしまうという俗信からきているものである。
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