カミヅツミ,リュウグウジョウ 2003年 沖縄県 与那覇村の男は龍宮城で歓待を受けたが、家に帰りたいと神に訴えた。神は地上では三十三代の時が過ぎていることを告げたが、男は帰りたがった。すると神は1つの紙包を男に与えた。それを携えていくと向かうところが道になり、故郷に帰れるという。また故郷に居場所がなかったら、紙包を携えて帰ってくればまた戻ってこられるという。神は男に紙包を絶対に開けてはいけないと戒めた。男は紙包を携えて故郷に帰った。
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カミ,リュウグウジョウ 2003年 沖縄県 与那覇村に1人の男がいた。男は与那久浜で異様に長い髪を拾った。誰の物だろうかと怪しんでいた男が翌日髪の主を探していると、浜でとても美しい女に会った。女は髪の持ち主で、髪を返すと喜んで男を連れて海に入った。すると波が開けて道になり、男は女に導かれて龍宮城に行った。龍宮城には神々がいて、男は3日の間歓待を受けたが、神に家に帰りたいと告げた。
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テング 1933年 長野県 藤蔓をとりに山に入ったとき、白髪の老人にあい、弁当をあげたお礼に石をもらった。その石には金や銀が混じっていた。山を降りたとき知人に会い、知人に石の半分をあげたところ、知人は3日目に死んでしまった。
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シラガノハナノタカイロウジン,カミカクシ 1928年 愛知県 ある男が神隠しにあい、幾日かして、大きな木の根株を背負って帰ってきた。白髪で鼻の高い老人に連れられて各地を巡り、別れ際にこれを背負って帰るように言われたとのことであった。この株は燃料にされたがなかなか使い切れないで、5、6年前まではあったという。
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トウザン 1928年 台湾 昔、相思の男女がいたが、男がふとしたことから死んでしまった。夜昼なく狂い歩いていると、死んだはずの男が現れ、いっしょに暮らそうと女にいった。しかし、この男はその女以外には見えなかった。ある日、女が赤ん坊を抱えて戻ってきたが、女から離れると子は木の根になった。女は帰りがけに母親に自分が死ぬときには塔山に白い布が張られると言った。数日後、塔山に白い布が張られ、その後、女が姿を見せることはなかったという。白い布はやがて石になり、塔山の白石と呼ばれるようになった。答山は妖怪の山と言われている。
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ヨウカイ,ヨウマ 1989年 沖縄県 昔、久嘉喜鮫殿が漁を通じて親しくなったある男が妖怪であることに気づき、その男が当山にある桑の老木に住んでいることを探し当てた。鮫殿は妻にその樹を焼かせ、妖魔は国頭に移っていった。その後、首里で鮫殿が友にその話をすると、妖魔の化身であった友が怒り小刀で鮫殿の指の間をきりつけた。それがもとで死んだ鮫殿は、指の間以外は鯖鮫のような肌で、指の間だけが柔らかかった。
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テング 1932年 長野県 横川山には天狗が住んでいて笛や太鼓の音がした。藤蔓をとりにその山へ入った男を案内してくれた白髪の老人に、弁当を分けてやるとお礼にと金銀の混じった石をくれ、他の者にやってはいけないと告げた。男が知人にうっかり分けてやると、その知人は三日目に死んだ。
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テング 1919年 京都府 天狗がすんでいると噂の場所で、道の中央に突然出現した石灯籠をなぐりつけた男はその後気を失った。気付いてみると、見当もつかない場所に倒れておりつつじの切り株が額に刺さっていた。天狗に山上へほうりあげられたらしい。
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ボウレイ 1982年 宮城県 漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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カガミトタビビト 1956年 宮城県 家を離れて旅を続ける1人の旅人がいた。のどが渇いたので沢にいって水を飲もうとしたら、道端の笹のかげに小さな鏡が落ちていたので懐に入れておいた。いつの間にか日が暮れたのでそこで野宿していると、夜更けに「与右衛門さん、与右衛門さん」と自分の名を呼ぶ者がいる。「誰だ」と聞くと、「おはまでござりす」と言い、見ると磐城に残してきた妻だった。「あなたが旅に出てから泣き続け、子の与助も春にホオソ(疱瘡)で死んで張り合いもなくなり、あなたを追ってきました」と涙ながらに言う。旅人は悲しくなったが、ふと懐で触れたさっきの鏡を出すと女の腕が写り、それは毛むくじゃらだった。火を焚いて化けの皮をはがそうとすると女は火を嫌がり、饅頭をすすめた。旅人が半分に割いて女にすすめると女は腹を痛がり泣き出した。旅人はまだ馬鹿にする気かと棒で女をたたきつけようとすると狐は正体をあらわして逃げていった。いつの間にか明け方となり、旅人は「おはまやー、与助やー」と叫び、鏡を見ると、宵の明星がピカピカと輝いていた。
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キツネ 1982年 宮城県 ある男が船を出して魚を取って戻ろうとしたが、櫓をこいでも船が廻って陸につかない。なんとか家の下まで来ると、出征して死んだ兄が山から「東京に連れて行ってやる」と呼ぶので山の椿の下まで行くと、今度は「ベルトで首を吊れ」と言われた。枝にベルトを掛けても高さが足りないので、もっと山の中に入った。桑の葉が揺れるのが映画を見ているように感じた。皆が探しに行くと、狐が落ちたらしく断崖で寒い寒いといっていた。その男は3日ほど前からおかしかったという。
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テング 1979年 岐阜県 下洞集落の根の松という男が行方不明になった。天狗にさらわれたのだということになり、村人が「根の松返せー」と叫んで探し回ったが、本人は何食わぬ顔で帰ってきた。
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タタリ 1929年 東京都 昔、松があった。この松を切るものは病になったり死ぬといわれていた。ある老人が松を切ったところ、病気になり死んだ。
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テング 1992年 三重県 男の人が帰る途中に笛の音を聞き、谷底へ落とされるがどこも痛くない。松の木に天狗が住んでいて、天狗の機嫌が悪いときには人を投げ飛ばしていた。天狗は山の守り神だが、くらま山に封じられて以来姿を現さず、松も枯れた。
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ジャタイノマツ 1967年 福島県 海岸に蛇体の松と呼ばれる二股の老木がある。昔、慶長の頃、与吉という百姓がおり、お松という娘があった。ある時、殿様が与吉の家で休んだ際に、お松を侍女にすると城へ連れ帰った。ところがお松は家に帰りたがって言うことを聞かないので、小船に乗せて竜神の淵に捨ててしまった。お松は海岸に泳ぎ着いたが、力尽きて女面蛇体の死体となって海岸に打ち上げられた。親たちはこれを見て悲しみ、娘の名にちなんで松を植えた。この松が大きくなったものが蛇体の松である。この松は霊験があるという。
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ウワバミ 1974年 大阪府 大蛇が住むという泉州谷の輪の居守山の榎の枝を薪にしようとする者がいた。榎の枝を打っていると大蛇が出てきたので眉間に鎌を打ち込み大蛇を倒して枝を持って帰った。その様子を友達に語っていたが、病気になり、20日程後に死んだ。
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リュウグウ 1930年 熊本県 昔、貧乏な男が年の暮れに譲葉と裏白を売り歩いていたが、ちっとも売れないので海の中に投げ込んだ。翌日、龍宮から迎えが来て、美しい姫様を嫁にもらった。男は毎日嫁を眺めていて働かなくなった。そこで絵師に似顔絵を書かせて持たせた。その絵が風が吹かれて殿様の手に入り、殿様は男の女房を手に入れようと画策するが、女房の智恵と才覚で難題を解決し、いつまでも仲良く暮らしたという。
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テング 1922年 岩手県 五葉山に枝を取りに行った男が日が暮れて困っていると、岩窟に白髭の老人がいた。ここに泊めてもらい、酒の肴に人間の肉の塩漬けを出された。老人は天狗であったが、おまえのようなものを取って食うことは無いと言った。
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グインサン 1981年 広島県 ある人が何日も帰らずに西の一本松の方を開墾していたら、大きな坊主が現れ「俺を負うて赤道まで帰れ、帰らんとお前を引き裂く」と言った。恐ろしいので一生懸命に背負って赤道まで行くと、背中から降りて「夜は人間の世ではなくわしらの世だ、お前がおると邪魔になる、俺はぐいんさんだ」と言って去った。その人は家へと帰ったが髪が抜けており、その後病気になり早死にした。
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ヘビムコ,カエルノオンガエシ 1968年 愛媛県 爺さんが山に行く途中で蛇から蛙を助ける。爺さんには美人の娘がおり、蛇が男に化けて娘のところへ来る。娘は男に惚れたが病気になった。遍路がきて、大杉の木のてっぺんにある鷲の卵を食べさせろと教える。娘が男に頼むと、男は蛇体で木に登ったが、巣にかかろうとするところで鷲に食い殺されたという。
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