タヌキ 1992年 奈良県 狸がきれいな着物を着た娘さんに化けて出てきた。男の人がついていったら、寂しい所に連れて行かれた。そして男の人は険しい崖を上って帰ってきたという。
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アンドン 1956年 宮城県 太郎山の麓にいた二人の兄弟が山に行くと、白髪の老婆が行燈のそばで麻績みをしていた。この老婆を化け物だと思い、何度も鉄砲を撃ったが死なず、弟が家に玉を取りに行って戻ると、兄はすでに食われていた。弟が老婆ではなく行燈を撃つと化け物はいなくなった。狸が化けていたのだという。
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ユウレイ 1968年 福井県 寺島の女が、毎夜丑三つ時に雄岩で、狼除けのために幽霊に変装して板垣の男の所に通った。男は想いの強さを不気味に思い、女を遠ざけようと、友人に自分は死んだ事にしてくれと頼んだ。友人は雄岩で猫の死体を焼き、男は死んだと伝えると、女は幽霊の衣装を着ずに帰ったので、狼に食われて死んだ。男は女を悼んで雄岩に南無阿弥陀仏と彫ったという。
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ウタゴエ,ワカイオンナ 1967年 茨城県 子供をなくした母親が、毎日木の実を搗いて子供にやるのだと言って、団子を作っていた。その母親の姿が見えなくなった時に、白子山の白石がなくなった。誰が持ち出したのかわからないが、その石のあった辺りから、若い女の歌声が聞こえるようになった。
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イシガントウ 2001年 中国 山東省 ある日泰山に住む石敢當という若者が薪を売るために町に出かけると、毎晩王の邸宅に妖怪が現れて娘を苦しめており、退治した者には財産の半分と娘を礼に与えるという告示を見かけた。そこで石敢當は宝剣を手に取り「泰山の石敢當これにあり」と叫んで妖怪を追い払い、娘と結婚した。しかし、妖怪は別の村に現れて悪事を働くようになった。村人たちは石敢當に助けを求めたが、そのたびに妖怪はまた別の村に逃げていき捕まえることができなかった。そこで石敢當の妻は、妖怪を追い払うために石敢當の名を書いた石碑を村の入り口や壁の傍に建てるよう提案し、すぐに村々に知らせた。そのためどの村にも「泰山石敢當」の石碑がたっているという。
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タヌキ 1984年 埼玉県 白石の下の家にある日の夕方、得体の知れない男がやってきてイロリにあたらせてくれという。おじいさんとおばあさんがあたらせてやるとそれからちょくちょく来るようになった。どうもおかしい、その男はタヌキの化け物ではないかと思った。翌日は餅を食べていき、次の日にやってきたときに酒を飲ませると、火の側でウトウトしだし、見ていると木の葉が出てきた。そこで石を焼いて焼き餅だといって投げてやるとその石が股の間にのったので、タヌキは逃げ出してそれ以来2度と来ることはなかった。それはムジナ沢のタヌキである。
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リュウ 1932年 奈良県 ある美男子の許に、ある夜美しい女が尋ねてきた。2人は夫婦となり子も生まれたが、男は妻について、草履が濡れている事と、井戸で水鏡をしている事を不審に思っていた。ある時それを尋ねたら、妻は亀山の原の池に牡竜とともに住む牝竜の化身であり、池が井戸とつながっているのだと言い、池へ帰ってしまった。池を訪れ妻を呼ぶと牡竜が現れ男を食おうとした。逃げ帰ったが病に倒れ子とともに死んでしまった。
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カミヅツミ,ハクハツ,リュウグウジョウ 2003年 沖縄県 龍宮城でもらった紙包のおかげで与那覇の村に帰ってきた男だったが、村人は皆知らない人ばかりで、家も変わり果て家族もいなかった。男は呆然として、桑の杖を傍につきたてて穏作根をした。そしてふと思い出して紙包を開けたところ、中から出てきた一束の白髪が男の体にまとわりつき、男は見る間に老いてそのまま枯れるように死んでしまった。男がいた丘を穏作根嶽という。
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ヘビノコヲウム 1956年 宮城県 昔,この地方に母娘が二人で住んでいた。毎晩のように娘のもとに美男の若衆が忍んで来るが,何処の誰かわからない。どうも化生のものらしい。母の言葉に従ってこっそり長い糸を針で袴の裾に縫い付け,翌朝二人で糸を辿っていった。糸は裏山の大木の所まで続いており,根元の穴から呻き声と「俺が死んでも,子供を千疋つくったから未練はない」という言葉が聞こえた。驚いた母娘が和尚の教えに従い,菖蒲と蓬の湯を沸かして娘を入浴させると,娘の体から千疋の子蛇が出てきた。若衆は蛇の正体を現して死んでいたという。
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ネズミイシ 1958年 岐阜県 双六で、鼠の模様が白く浮き出た自然石が出土した。この珍しい石を寺に置くと、お客(檀家)が増えて栄えると考え、部落の人に石を運んでもらった。しかし、部落で旦那や長男の不幸が続いた。鼠が死人を引いているのだろうということになり、鼠石は寺から双六の方に戻した。
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ヘビジゾウ 1956年 宮城県 釈迦堂公園南裏手の畑地にある蛇地蔵の由来譚。昔,化粧坂の辺りに機織で生計を立てている母娘がいた。いつからともなく,娘の所に毎夜凛々しい若衆が通ってくるようになった。娘が日ごとにやつれていくので,母が娘に若者の素性や名前を聞いたがわからないという。母は寺の和尚に相談し,娘に言い含めて麻糸を若者の裾にこっそり針で縫い付けさせた。翌朝母娘が糸をたどって裏山に登っていくと,糸は草地にある穴の中に吸い込まれていた。二人が部落の人に頼んで穴を掘り返してみたところ,中から大きい白蛇が糸を尾に縫い付けられた状態で這い出してきたので皆で打ち殺してしまった。母娘は白蛇の供養のために懇ろに葬って地蔵を建ててやった。
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ウバ 1997年 鹿児島県 山にはウバという妖怪がいた。道に迷わせたり昂ぶらせたりする。白い小物を着ているといわれ、神がかりの女が引き回されたことがあるという。
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ヤマノテラドウウンジ,ダイジャ,シロキツネ 1956年 宮城県 女とその懸想した男が大蛇となってから500年経た暦応元年(1338)、加州金沢の大乗寺三世明峯素哲禅師が陸奥に弘教し、岩沼竹駒神社の初午に参詣した時、老翁からこの話を聞き、その案内で大菅谷保の藤左衛門の家に泊った。翌未明山ノ寺の南の丘に登って大蛇の棲む寺跡の湖水を見、7日の間祈祷したのち一喝して杖を投ずると2頭の大蛇が現れて逃げ去る。そのとき白狐が飛び出して禅師に感謝し、永く寺の守護を約する。禅師が祈祷した地に寺を建て実相寺という。
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(タヌキ) 1938年 福島県 ある娘が婆と山に行き、婆は一足先に帰った。家に着いたと思われるころ、婆の姿をして山へ登って行くのを見た。(片目の狸が化けたのだろう。)
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イトダヤマノカミノタタリ 1979年 長野県 昔、此田で子守と赤子が山へ行って行方不明になった。それ以降、この山に関係するものに祟りが及び、山の持ち主は必ず死ぬかけがをしたり、山の木を伐った人は災難にあうという。これを糸田山の神といい、山の持ち主はこれを家に呼んで祀るようにする。この山はバチ山ともいわれている。
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ヘビ 1959年 福井県 700年ほど昔、海山の寺を建てるときに、大工と女中とが懇ろになり、子ができた。女はお産の後を見てくれるなと言ったのに大工が覗くと、女は大蛇で、大工は逃げた。女は大工の朋輩に子供を託し、自分の両眼球を乳代わりに与えた。寺大工と一緒になって成仏しようと思ったが叶わなかった。しかし自分の前世の罪が滅びたとき、寺の椎の木に実がつくので、見届けて欲しい、と言い残した。その椎の木は花は咲いても実がならなかったが、昭和30年ごろ実がついた。蛇女が成仏したのだろう。
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ヘビ 2005年 三重県 近所のお婆さんが畑仕事をしているとき、鍬で白蛇を切ってしまった。そのお婆さんは家に帰ってすぐ死んでしまい、白蛇の祟りということになって、白い石を積み重ねて墓を作って供養した。白蛇の墓は、現在は草に埋もれてわからなくなっている。
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ユウレイ 1989年 長野県 世間に思い残しがあるときは、幽霊になって出てくるという。白い着物姿で、道端にある首をくくった木の処に出るという。
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オンナ,タヌキ 1929年 長崎県 老人が隣村からの帰りに、前からやってくる女と会った。知り合いの女だったので声をかけたが、女は笑うだけだった。狸だと気づいた老人は、女の行く手を阻んだ。キャンといって飛び上がると、女の姿は消えていた。後日、老人がまたこの道を通って目的地に行こうとした。全く着かないのでおかしいと思っていると、正反対の方向に進んでいて、山の頂上に座っていた。
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ツツジノムスメ,マショウノケシン,アタタカイモチ 1987年 長野県 若者は,毎晩毎晩細い身で険しい山を越えてくる娘に疑いを抱き,魔性の化身に違いないと思うようになった。娘と関係を続けると,いずれ食い殺されてしまうのではないかと考えた若者は,娘の殺害を決意する。山中の断崖で待ち伏せしていると,娘が疾風のような速さで通り過ぎようとした。若者が踊り出て娘の体をつくと,娘は叫び声を上げながら谷底に落ちていった。その後,娘の落ちた辺り一面に真っ赤なつつじの花が咲き乱れるようになった。娘の血が花と化したものだという。
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