イヌガミ 1936年 高知県 犬神はその家に伝わる。
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イヌガミ 1985年 愛媛県 犬神の正体は犬の霊とされている。犬神に憑かれると犬のようになる。延宝五年の宇和島藩の記録に、犬神持ちであるために追放された親子の記述がある。東予地方のある村では犬神に憑かれると犬の鳴き真似をしたりしたりするが、ゴキトウで落ちるという。
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イヌガミ 1914年 徳島県 犬神の起源。源頼政が鵺を退治したとき、鵺の体が4つに切れて全国に飛んだ。尾の蛇は備中に落ちてヅイカヅラとなり、頭の猿はさぬきに落ちて猿神となり、胴体の犬は阿波に落ちて犬神筋という神力の源になったといわれている。
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イヌガミモチ 1922年 島根県 自分の郷里には今なお犬神の迷信があり、犬神持といわれる家が少なくない。犬神というのは猫によく似て口は耳まで裂け、目は虎のように鋭く、体には白と黒の斑がある。犬神持の家でお膳の底を叩いて、団扇をかざして床の上から見ると犬神が見られる。犬神持の家から何かを貰った時、惜しいという気持ちが少しでもかかっていれば犬神がついてきてとり憑く。犬神に取り憑かれたものは正気を失い、どこそこの犬神で何々が気に食わないなどという。犬神持といわれる家は財産家が多い。
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イヌガミツカイ 1936年 徳島県 阿波國では狐使いならぬ犬神使いが盛んに横行した。その起源は、人間に霊的なものが憑くという古来の思想が時を経るうち式神のようなものの存在を確信させ、やがて狐使いのようなものの出現となり、更にそれに類似したことによるのであろう。それが時の経過にしたがって勢力をなくし、「犬神筋だ」などと言うと、世間は過去に犬神使いのなした悪事・呪詛などを想起して無意識に侮蔑・軽蔑の念から忌み嫌うようになったと考えられるのである。
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イヌガミ 1986年 愛媛県 犬神の話は終戦前まであった。妙なことやつまらないことを言う人は犬神が憑いたなどといい、あの家は犬神スジだ、あの人が犬神の系統だといって、敬遠したり嫁のとり手がなかったりする。
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イヌガミ 1976年 九州 九州には犬神つかいと言う者がおり、犬の霊を祭って使役するという。
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イヌガミ,ネズミ,ヘビ,イヌ 1965年 宮崎県 犬神の正体は尻尾の先が3つに分かれた鼠か、尻尾の先が3つに分かれた蛇という。犬であるともいう。
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イヌガミ 1936年 徳島県 犬神は小豆大の白い子犬などの一定の形相を持った可視的なものではなく、長い年月の間に形作られてきた1つの迷信上の妖怪的存在であって、その本質は迷信を生じるに至った人々の心理中にあると考えられる。その起源については、犬をトーテムとした異族の残存に求めるものと、古くからあった犬そのものにある霊力があると考えた思想に求めるものとがある。
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イヌガミ,タヌキツキ,サルガミ 1936年 徳島県 犬神は女の生霊であり、また、嫉妬深い女の邪気によるものだという。
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イヌガミ 1949年 徳島県 犬神の作り方や由来について。犬神が人に憑くのは噛み付くということから付会した話のようである。
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イヌガミ 1936年 高知県 犬神は家に伝わっていく。
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イヌガミ 1938年 徳島県 犬神は代々女に伝わる。娘が15歳になったときに母親から伝えられるといわれている。特に好かれるか嫌われると噛まれる。話者の祖父が犬神をつけられ、どこの誰にどうして犬神をつけられたかを口走り、四つんばいで歩くようなり、ついには死んだという。犬神に噛まれて死んだものは体のどこかに犬の歯型があるといわれている。
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ヤマイヌ 1943年 長野県 山犬を拾って育てていたが、猟に出た夜にその山犬食われそうになり射殺して難を逃れた。その後3年、村では悪い病と凶事が続いたので、犬の祟りということになり、祖先が頭蓋を拾ってきて犬山之神として祀る事にした。
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ゴズテンノウ,ツルメソ 1974年 犬神人は牛頭天王が下界に天下った時、一緒につれてきた2頭の犬が子を産み、その子が人に変化したという。
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イヌガミ 1951年 大分県 犬神屋敷が1軒ある。O家は旅館兼縫い針製造業だったが没落し、他国に移った後子孫が絶えた。その後移住してきたP家は同じ旅館業で大いに繁盛した。犬神の飼い方がこの差になった、と人々は噂した。犬神は屋敷裏の大石の下に押えてあるという。
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イヌガミ 1965年 高知県 犬神には生霊と死霊がある。生きた人間が取り付くのが犬神。これは血筋で伝わり、犬神すじの家の娘が嫁に行くと、その家も犬神になる。犬神筋の家に嫁入りしても、犬神持ちにはならない。
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〔ミサキサマ〕,イヌ 1963年 岡山県 小西の山の上に大きな犬がいて女に憑くので困ったので、相談して鉄砲で撃ち殺した。ところがそれから不幸が続いたため、ホウジャに見てもらうと犬が祟っていると言われたので、御崎様として祀った。
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イヌガミ 1954年 高知県 高岡郡の東津野村での昭和17年の聞き書きでは、犬神は鼡(ねずみ)に似て小さく、尾に筋があると言われ、犬神統の家では犬神を集めて飼い、毎朝供物をするという。他人がこれを殺すと犬神統の家に異変があると言われる。憑かれたときは、狐の皮を吊すとよく、憑かれた物のうわごとが犬神統の人と同じ声色になるという。
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イヌガミ,コウボウダイシ,マジナイ 1913年 愛媛県 昔、弘法大師が宿を借りたお礼に、野猪が畑を荒らさないように、紙に何かを書いて封じ、封を切ってはならないと言って、禁呪の紙を与えた。野猪が出なくなった不思議さに封を破ったら、犬の絵が描いてあった。その犬が飛び出て犬神になったという。犬神は鼠のようなもので、家の人々には見えても他人には見えない。家族の数だけ存在し、犬神の家から嫁をもらうとその家も犬神になるという。
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