タヌキ 1939年 大阪府 ある男が急に大食になった。尋常でない飲み食いをするので、男の妻は困り果てた。友人も駆け付けると、やがて、犬に警戒しつつ表を歩き出した。急に逆立ちをしたので、友人が背中を叩くと男は我に返った。きっと、狸に憑かれたのだということになった。
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シロイイヌ,(オオキイモノ) 2002年 香川県 ある人が炭焼きを終えて帰ろうとしたところ、白い犬が飛びついてきて、はずみで下に転がり落ちた。犬が上から押さえつけるような格好になっていたら、大きなものが通りかかって「犬の食いさしだから放っておけ」と言って通り過ぎたという。
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オオイヌ 1992年 石川県 大犬に後を付けられた男は、火打石で火をつけたキセルたばこを近づけて大犬を追い払った。
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イヌ,ダイジャ 1940年 大阪府 狩人が鹿を追って山に入ったが、絶好の瞬間に犬が吠えたために鹿を逃がしてしまった。怒りにまかせてその犬を斬り殺したが、犬が吠えたのは狩人に迫っていた大蛇から狩人を守ろうとしたためであったことがわかり、後悔の末に出家した。
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イヌミタイナモノ 1963年 岡山県 八幡様の堤に昔、犬みたいなものがいて通る人を睨んでいることがあった。ある爺さんがその犬に石を投げて追い払った。帰りに同じ場所を通ると、地響きがして後ろから怪物が追いかけてきてくるような気持ちになった。しばらくしてその爺さんは気が変になった。
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オオカミ 1974年 栃木県 55歳くらいの男の人が山仕事の行き帰りに、毎日狼につけられた。狼の送り迎えはその後何ヶ月も続いたという。知らないふりをしていれば何もしないが、振り返ったり、つまずいたりして隙を見せたりすると襲い掛かってくるという。
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ヤマイヌ 1985年 高知県 口が避けている山犬が人の前を横切ったときには、しまったと言ってはならない。あくまで落ち着いた態度でいなくてはならない。
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オクリイヌ 1968年 群馬県 オクリ犬は、餌のないとき山を行く人の後をつけるという。ある人が峠からオクリ犬につけられて、何もやらなかったので、飛び掛られて怪我をした。後になってその犬は、鉄砲で撃ち殺された。そのオクリ犬の牙が今も伝わっているという。
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オオカミ 1982年 宮城県 ある男が夜の山道を歩いていたら、狼が唸りながら寄ってきた。口の中に骨が刺さっていたのを取ってやると、そのままいなくなった。数年後狼が現れて男を引き摺って押し倒した。間もなく狼の千匹連りが通った。恩返しだった。
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オオカミ 1940年 大阪府 夜道を歩いていると、後ろから狼が付いて来る事がある。その時、後ろを振り返ると、狼が飛び掛って来て食い殺されてしまうという。また、家の戸口を入ってから後ろを向き、労いの言葉を言うと、狼は黙って帰って行くとされる。
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キツネ 1956年 宮城県 明治の中頃,北郷の者が大河原で魚を買い,酔って帰ってきたところ,洞門附近の杉山で身の丈一丈六尺以上もあるような大男に襲われて背後から羽交締めにされた。しかし男は柔術の心得があったのでこれを投げ飛ばし,麓の茶屋まで駆け下りて事の顛末を話した。茶屋の老爺から何か生臭物を持っていなかったかと聞かれて調べると,魚を包んで首に結んでいたはずの大風呂敷が無くなっていた。背負い投げで飛ばしたのは自分の大事な包で,狐に一杯くわされたのである。
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テング 1936年 岐阜県 夕暮れに履物をおろすと天狗にさらわれると言われているのを無視しておろしたところ、門口に立っていたほっそりした男について来いといわれた。ついては行ったが面白くなかったので休んでいると男は帰れといい姿を消した。1時間ほどの事だったが、5日間も行方不明扱いになっていた。
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ダイジャ 1940年 新潟県 猛犬が蛇が寝ているのを見て噛み付いた。大蛇も尾で叩いたので、犬は村のほうに走っていった。蛇は追ってきたが、堀を飛び越すことができた犬と対照的に蛇は越せなかったので、犬は命拾いをした。
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ダイジャ 1968年 高知県 大蛇に飲まれそうになった男は斧をふるって逃げてきた。この道には同じような話があり、大蛇は木の上から降りてきて飲まれる人もいる。金毘羅のお守りに守られたと言う人もいる。
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オウサキ 1981年 埼玉県 お犬さまをお迎えに行くと村まで来てくれることを信じない男が、慣例を破ってお犬さまと一緒に帰ることにすると、気持ちが悪く何かに後をつけられている感じがした。お犬さまは下山祝いの膳も食べたという。
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イッポンタタラ 1989年 奈良県 山道を通っていると狼が現れ、その人の袂をくわえて物陰に引っ張り込んだ。そのまま隠れていると、一本たたらがやってきて、「人臭い、人臭い」と言いながら通り過ぎていったという。
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(ツキモノ) 1988年 長野県 憑き物に憑かれると、行者を頼んでお犬様を迎え、これで追い払ってもらったという。
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タカボウズ 1966年 香川県 昔、駒足峠に高坊主が出るとされ、恐れられていた。ある夜、猛者が峠を通っていると両側の山をまたいだ人の足を見つけ、見上げると大男が笑っていた。勇気を出して切りつけると手ごたえがあり、以後高坊主の話は聞かなくなった。
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シカ,ダイジャ 1931年 大阪府 飼い犬を伴って出かけた猟師がいた。ところが、頻りに犬が吠えるので獲物を取り逃した。怒った猟師は犬の首を切り落とすが、犬の首が猟師を食わんとした大蛇に噛み付いたため、猟師は間一髪助かった。
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ヤマイヌ 1986年 新潟県 山犬は人を襲う時、親指を噛んで動きを封じた。山犬除けの為におにぎりを別に持って行き、現れるとごくろうと声をかけてそれを渡す。荷縄を長くしておき現れるとそれを切って投げることもある。
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