タヌキ 1960年 京都府 京都と丹波の境に狸を憑けてくれるお堂があった。明治20年頃、ある古着屋が狸の験徳で大もうけした.が、狸は増える上に大食で出費もかさむ。ある夜、狸に呼び出されたが、嫌気が差して行かなかった。すると狸は1匹残らず消えうせ、古着屋は失敗続きで落ちぶれた。
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イヌガミツカイ 1936年 徳島県 阿波國では狐使いならぬ犬神使いが盛んに横行した。その起源は、人間に霊的なものが憑くという古来の思想が時を経るうち式神のようなものの存在を確信させ、やがて狐使いのようなものの出現となり、更にそれに類似したことによるのであろう。それが時の経過にしたがって勢力をなくし、「犬神筋だ」などと言うと、世間は過去に犬神使いのなした悪事・呪詛などを想起して無意識に侮蔑・軽蔑の念から忌み嫌うようになったと考えられるのである。
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キンペイダヌキ 1986年 愛媛県 大阪に惠原屋金十郎という人がいて、ある日修験者が泊まったが、主人の様子がどうもおかしいので風呂を覗くと、金十郎は狸であった。勘付いた金十郎は自分が、伊予の惠原在大宮八幡の大柏に住む金平という狸であると明かし、郷里の人に、大阪に寄ったらぜひ恵原屋に寄るように伝えてほしいと頼んだ。修験者が伝えると一段と信者が増えた。
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タヌキ 1921年 徳島県 「ええじゃないか」踊りの時、狸が人に憑いて不思議をなしたのもあった。
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フルギツネ 1933年 兵庫県 明治初年、常源寺にある寺子屋に大きな古狸が現れた。腕白な子供が棒で追い出したが、縁の下から子供の課業の真似をする狸の声が度々聞こえたという。
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カイタク 1979年 大阪府 大阪には怪宅と称する、狐や狸が祟りを起こす家があるというが、それらは陰陽の気が通じていないのであって、そんなに怖れることはない。
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キツネ,タヌキ 1938年 鳥取県 松堤に霊力のある狐と狸が住んでいた。ある時、狐は狸に化け合いの競争を持ちかけた。互いに得意の化け合いをすることになり、狸は大坊主になるのが得意で、狐は殿の行列を見せるのが得意と言った。ある日、本当の殿の行列を見て、狸は狐が化けていると思い、自分も化けると言って大坊主になった所、行列の武士に妖怪だ化物だと言われ斬られた。
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タヌキ 1930年 長崎県 狸は人をえらかし、怪我させ、よそへ連れて行く。狸が人間に挑みかけたとき、人間の方が勝つと、その狸は死んでしまうものであると言う。
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キツネ 1962年 大阪府 明治の頃、ある人が枚方で夜11時に蒸気船を降りて宮の坂のだらだら坂を歩き、百済寺方面に向かっていると女と道連れになった。女が狐だと直感したので家まで連れて帰り飼い犬と格闘させた。狐は逃げたが、後日硬貨の入った袋が投げ込まれた。女と道々喋っている時に銭が怖いといった為だろう。
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タヌキ 1991年 愛媛県 昔は狸がよく人を道に迷わした。
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キツネ 1986年 神奈川県 「狐おどり」と言って、1人が御幣を持ち狐を呼ぶ。皆で唄を歌ったりすると、御幣を持った1人が踊ったり障子の桟を上がったりする。唱え言をして背中を3つ叩くと狐が帰り、正気に戻る。明治以降禁止されたが、竹やぶなどでこっそりやっていたという。
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キツネ 1996年 茨城県 明治時代の話。ある家の娘に狐が憑いて、地元の山伏が祈祷をしたら、娘が庭に飛び出して気絶し、狐は落ちた。
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タヌキ 1970年 長野県 狸は人に憑く。狸にとり憑かれると気が違ったりする。
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タヌキ,シバエモン,キツネ 1922年 兵庫県 淡路に芝右衛門という狸がいて、阿波の狸合戦に来て働いたが、その後京都へ上って伏見の狐に遇った。京の狐は口ばかりで腕の程も知れぬから、1つ腕前を見せてくれといわれたので、芝右衛門は翌日に狸の大名行列を見せた。狸の仕業とは見えない盛大な大名行列で、狐は驚きこれは殺してしまわないといけないと思い、次の日におれも大名行列を見せるから稲荷の鳥居に来てくれといった。芝右衛門が約束どおり行くと文句の付けようのない大名行列だったので手を打ち「ヤレヤレ」といってほめたが、それは本物の大名行列で芝右衛門は撃ち殺された。
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キツネ,タヌキ 1923年 和歌山県 狐と狸は人を騙す獣だとされる。
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キツネツキ 1937年 鳥取県 古来一般に狐憑きを信じていたが、目下この迷信も殆ど跡を絶つに至った。
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マメダヌキ,トマッコ,セイテンサマ 1983年 岡山県 豆狸、或いはトマッコ、聖天様というのは、大人の握りこぶしほどの大きさの狸で、群生し、人に憑くという。これらを飼っている家は俄かに富むが、あまりその数が増えると却ってその家の物を食い潰して貧しくしてしまうのだという。
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シロイヌ,カッパ,キツネ 1972年 鹿児島県 明治末期、安山家と西野家との屋敷の間でよく寝ている白い犬がいたが、正体は河童か狐ではないかということであった。
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タカニュウドウ 1937年 大阪府 明治15年頃まで、大阪北御堂裏に、夜半に高入道が出るとの評判があり、知らぬ者はなかった。付近の者はこれを恐れ、夜間の道歩きを控えた。古来、高入道が出た時には、棒や杖のようなもので高入道の足元を横薙ぎに払うとそれは消え失せるといわれるが、これは高入道が古狸の仕業であって、それが足許にいて誑かしているからであろう。
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タヌキツキ 1953年 鳥取県 狸を飼っていた家の母が憑かれた。祟りだといわれたが、対処しなかったので、狸のような行動をとるようになった母は死んだ。この家には、体臭が狸の臭いのする娘が生まれたりしたので、人々は狸の霊の子だという。
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