コヘビ,エンコン 2000年 男のもとに通っていた女が、ある日橋が流されて渡れないので行き倒れの死人を橋代わりにして渡る。それを気味悪がった男は女を遠ざけ、新しい妻との生活を守るため女の命を奪う。すると女の、小蛇と化した怨魂が夫婦を苦しめる。
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ヒトダマ 1937年 大阪府 ある夏の宵、船町橋の辺りの川面を飛んでいた人魂を見つけて小僧達が叫び立てたが、やがてそれは消えてしまった。すると筋違橋の辺りの陶器商の主人は、咽が乾いて水を飲みに行ったが、悪太郎共に追われてやっと逃げ帰ったのを夢に見て汗びっしょりで目覚め、夢を妻に話してから頓死してしまったという。
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ヤマンバ 1936年 牛方が塩鯖を運んでいるときに山姥に襲われ、鯖も牛も食われてしまう。牛方は木に登って隠れていたが、その姿が沼に映っていた。その姿めがけ、山姥は沼夜涛に飛び込んだので、牛方はその間に逃げて、一軒家に隠れた。そこは山姥の家で、牛方は山姥の餅や甘酒を飲んでしまったが、山姥はそれを火の神の仕業と思い、唐櫃の中で寝た。山姥は牛飼いが錐で蓋に穴をあける音を聞いて「明日は天気だけで、きりきり虫が鳴かあや」といいながら殺された。
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オニ 1963年 徳島県 昔ある所に仲の良い夫婦がいたが、女房が魚と大量の飯を食うので怪しんだ夫が、隣に住む神主に偵察させると、女房の正体は頭の割れる鬼であった。正体を知られた鬼は男達を食い殺そうと追いかけたが、生えていた蓬と菖蒲で殴られると倒れてしまった。
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キツネツキ 1989年 山梨県 旅の人がここに住みついて炭焼きとかをしていたが、奥さんが狐に憑れてしまって困った。その人はとうとう雨畑川のつり橋から飛び込んでしまった。
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〔ムクイ〕 1978年 東京都 ある吝嗇な長者が金銀を人の来ない原に埋め、手伝った人をくらし橋で殺して川に流した(よってこの橋を姿不見(すがたみず)橋や俤(おもかげ)橋という。するとその報いを受けて長者の娘が蛇になった。長者は改心して入道した。
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ウシ,ユメ 1974年 京都府 京かわら町の牛屋にて、ある時牛が主人の夢に現われ、明後日に死ぬので死後ある寺に葬って欲しい、私はその寺の3代前の住職である、と語った。同じ夢を牛屋の妻と寺の住職もみていた。
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キツネ,シゲダ,ヒヤシバ 1976年 山形県 肴屋の平吉が商売を終え、「しげだ」と呼ばれる場所に差し掛かると、女房が子供を背負って迎えに来た。平吉が売れ残った蒲鉾を子供に与えると、次々とかなりの量を食べた。女房は左脚が跛(びっこ)だったが、目の前を歩く女房は右足を引きずっていた。狐に化かされたと思った平吉が天秤棒で薙ぎ払うと、狐は正体を現して逃げていったという。
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オニ 1932年 熊本県 ある金持ちの酒屋の主人が、百人前働く鬼を買った。鬼はよく働いたが仕事を与えないでいたら、主人を食べてしまった。鬼は主人を心配して出てきた奥さんも食べてしまった。
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オニ 1967年 東京都 江戸中橋で、夫に対する妬みゆえ病気になった妻がいた。ある夜妻が飛び起き、腹が立つと言いながら両手の指を口に突っ込み口を耳まで裂いて夫に襲いかかった。夫はこれを殺し寺へその死体を送ったが、その後放心状態になり百日程の後に死んだ。
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オバケヤシキ 1976年 東京都 橋本屋という料理屋はがつぶれるとき主人は本妻を殺して妾と逃げた。以来家はお化け屋敷と呼ばれ、本妻の幽霊が出るという噂がたち階段を上り下りする音がするという。物好きな買い手がついても、幽霊の怨霊で主人は頓死、妻は事故で死んで家が絶えた。
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ウシオニ,ヌレオンナ 1933年 島根県 夜、男が釣りから帰ろうとしたとき、濡女が現れた。濡女は赤子を男に抱かせると消えてしまった。男が赤子を投げ捨てて逃げ出すと、牛鬼が追いかけてきた。男はある農家に逃げ込むことができやっと助かった。
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ヌマノヌシ 1928年 福岡県 昔、姑が嫁の虐待に耐えかねて、嫁を憎んで沼に身を投げて死んだ。その怨霊が嫁を取り殺し、沼の主になって道行く人にまで祟るようになった。
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シニン 2000年 大阪府 一里ばかり郡を隔てて男のもとに通う女がいた。ある夜西河原の宮の森にさしかかると、いつもの一つ橋が流されて向こう岸に渡れない。女は行き倒れの屍骸を橋代わりにして渡ろうとする。するとその死人は女の裾をくわえて離さない。女は引き剥がして渡ったが、いぶかしがり戻ってわざと裾を死人の口に入れて、死人の胸板を踏んだ。すると先ほどのようにくわえた。足を上げると口が開いた。死人に心はなく、踏むと口を閉じ、離すと口をあけるのであった。そのことを男に話すと、男は肝をつぶし女を遠ざけてしまった。
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イケノヌシ,アカウシ 1990年 長野県 昔、池の平には大きな池があり、そのほとりには若夫婦が住んでいた。ある時、妻が池の主に引き込まれて死んだので、怒った夫は人糞を池に投げ込んだ。すると池の主は大きな赤牛になってししが平に登っていったという。
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ウシオニ 1976年 島根県 雨が続き湿気が多い時、橋の辺に牛鬼が出る。ある人がそこへ行った時、白く光るものがひらひらたくさん飛んでいた。橋を渡るとそれがまとわりついた。近くの人家で聞けば牛鬼に会ったのだろうと言った。
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キツネ 1938年 岐阜県 祭りの帰り道、橋を渡ろうとすると橋が急に二股になり渡れなくなった。背負っていた孫がご馳走を落としたというので探したが見つからなかった。気が付くと道を外れた河原に立っていた。狐の仕業である。
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ウシ,コンジキノブツゾウ 1928年 長野県 強情に寺参りをしようとしない老婆が河原で布を洗っていると、牛が出てきた。老婆が牛をののしりながら追いかけていくと、牛が善光寺に入っていった。老婆も本堂に入ったが、そこに牛の姿はなく金色の仏像だけがあった。翌日、村の観音堂の本尊の首に、牛に奪われた布がかかっていた。
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ヤマンバ 1936年 岩手県 牛方が残った魚を山姥にやったが、山姥は食い足りないといって牛も食べてしまう。牛方は逃げて、百姓の家に隠れる。しかし、その家の妻に長持ちに穴をあけられ、湯を注がれて殺され、金を奪われる。主人公が不幸になる話は珍しい。
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オニ 1933年 京都府 一条戻橋のほとりで深夜、美しい女人に会った綱は、女の願いを聞き入れて馬に乗せ正親町へ差し掛かったところ、女はたちまち恐ろしい鬼の姿となり、綱を掴んで愛宕山へ飛び去ろうとした。綱は慌てず鬼の手を斬ると北野の社の回廊の屋根に落ちた。鬼は腕を斬られ光ながら愛宕山へと飛んでいった。
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