テング 1931年 山梨県 おえいという婆が急に見えなくなった。村中の人が3日探し回ったがさっぱりわからなかった。そしておえい婆は高さ何尺もある一枚岩の上で見つかった。婆を助け出して聞くと、鼻の高い顔の赤い人に連れられてきたという。
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カミカクシ 1967年 栃木県 話者が8歳の頃のこと。村内の子どもがいなくなり、消防団が一晩中捜してもみつからない。ところが次の日、大木の根本にその子がボーッと立っているのが見つかった。その子は、夕方山道を行ったら白装束で白髭の老人で出て来て自分を背負い、空に飛び上がった。そのあとは憶えていない、と話した。
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テングサマ 1936年 岐阜県 子守女の息子が3歳の時、畑仕事の途中で行方不明になった。後に平湯峠で同村の者がその息子と出会った。その子が言うには天狗にさらわれ修行を積み、今ではどこでも好きなところに飛んでいけるようになったという。
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テング,カミカクシ,アカイカオシタハナノタカイショ 1982年 新潟県 ある夕方に、9つくらいの村の子どもがお宮の木の下に下駄を脱いだままどこかへいってしまった。村の衆は神かくしだといって、マスの底を棒でたたいてその子の名をよんで探しまわった。2、3日して昼ころに泣きながら帰ってきた。どこへいったと聞くと、赤い顔した鼻の高いしょ(人)に連れられて山道を行くうちに分からなくなり、目をさますと、山奥の、朴の葉っぱをしいたとこで、それから、やっと帰ってきたといった。
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テング 1970年 滋賀県 ある人が晩に竹の棒をつかんで「誰か来おった」と叫んで駆け出して行き、そのまま見つからなくなった。父親が跡を追っても姿が見えず、玄関には草履が揃えて脱いであった。村中の人が天狗に向かって返せと叫びながら提灯を持って探したが、見つからなかった。一週間たっても帰らないので、親類が天狗の好物のうどんを屋根の上にお供えしたら、うどんは食べられていて、男はいなくなった場所にその時刻に帰ってきた。天狗がごきげんを直したのだろうと言われた。
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アメ,ジゴク 1986年 石川県 毎日決まった時間に飴を買う男がいたので飴屋の主人が後をつけると、身重の女性が埋葬された墓の付近で消えた。そこを掘り返すと赤子が飴の棒を手にして泣いていた。近くのお地蔵さんが飴を赤ん坊に与えて育てていた。
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ネコタノコウシンヅカ 1956年 宮城県 郷士阿部某の娘が夕方向山の北裾の山路を通ると,突然身の丈6尺程の大猿が現れ,娘は失神してしまった。翌朝家人が失神している娘を見つけ,家に担ぎ込んだが,娘は日増しに痩せ衰えていく。ある日村の若い衆が見舞いにきて娘の額に手を当てようとしたところ,突然男の頭に柿の実が飛んできてぶつかった。見廻しても仲間しかおらず,翌日も同じ事が続いたので三日目には見張りをつけた。一人が娘の額に手を触れると,突然屋根裏から南瓜が投げ落とされる。上を見ると天窓から大猿が歯をむき出していたので,大勢で追いかけたところ向山のほうに逃げてしまった。その後も,見張っていないと大猿がやってくるので,刈田岳のマタギに頼んで大猿を撃ち殺してもらったが,同じ時刻に娘もあっとうめいて息を引き取ってしまった。その後村人は娘と猿の供養のために山の北麓に庚申塔を建ててやった。初め猿田の庚申塔といっていたが,現在では猫田の庚申塔といわれている。
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ヤマウバ 1984年 愛知県 子ども好きの山姥がいて、よく百姓の子のお守りをしてくれた。しかし、ある日、畑仕事に連れてきた子どもが行方不明になり、数年後に白骨で発見されるという事件があったときにはその山姥の仕業だといわれた。
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キエタヒト,タクハツ 1987年 奈良県 お父さんの体が弱いので、その子供が半日歩いて村に食べ物を貰いに来ていた。その子がいなくなり、だいぶ探したが見つからなかった。そうしたら一週間ほど後、どこかのお稲荷さんのどこかから出てきたという。
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カミカクシ 1975年 高知県 子守の娘が3歳になる主家の男の子を背負って山で遊ぶうち、数分の間に子どもが行方不明になった。部落の男が探したが見つからなかったが、三日後子どもが裸で歩いているところを発見され、口からコーシバの葉やミミズを大量に吐いたという。
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テング 1937年 福井県 叱られたので外の豆がら畑にいると、夜になって家の人が捜し回った。家の中をくまなく捜しても見つからなかったが、押入れを再度探すとそこにいた。高い木の上にいた天狗が、木から家に連れて入ってくれたのだと言われている。天狗に隠されていたのだろう。
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ヤマノカミサマ 1928年 鹿児島県 勝浦というところで、美しい娘が行方不明になった。娘の着ていたものはみつかったが、その姿を見つけることはできなかった。3年後、父親が山の中で娘とであった。そのとき娘は「山の神様と結婚して幸せに暮らしています。それで永久に村へ帰ることはできません」と言い、走り去ったといわれている。
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タヌキ,キツネ 1985年 愛媛県 筆者の母の墓に、祖母と子守と共に行く途中に子守が突然「向こうから火をつけていっぱい来る」と叫び、「タヌキに馬鹿された」といって坂を駆け降りた。確かに、行列のように灯がうごめいていた。祖母は若くして死んだ娘の魂が燃えたのだと死ぬまで言っていた。
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コモリギョウジャ 1929年 奈良県 講中の人々で大峰登山をしたとき、子供が谷底に落ちた。谷底に降りて探したが、見つからなかった。宿に帰ると、死んだはずの子供がいた。聞けば白く長い髯を生やしたお爺さんと一緒に帰ったとのこと。これが子守行者なのだろうと人々は喜んだ。
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テング,カミカクシ,アカイカオノヒト 1982年 新潟県 昭和の初めころに村の子どもが神かくしにあった。夕方遊んでいるうちにいつのまにかいなくなり、大さわぎになって村人が一升マスの底をたたいてその子の名をよんでさがしたが、みつからなかった。二、三日して青海町外波から、帰ってきた。赤い顔の人につれられて山へいったというが、くわしいことはわからない。
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カラステング 1969年 愛媛県 村の者が男の子を連れて石槌山に登ったが子供の姿が消えた。家に帰ると子供は先に帰っていた。山頂で小便をしていると真っ黒い顔の大男が送ってやると声をかけ、目をつぶると家の裏庭に1人で立っていたという。烏天狗の仕業とされる。
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カミカクシ 1915年 岩手県 農家の娘が、物に取り隠されて見えなくなった。死んだものとあきらめていると、ある日田の掛け稲の陰にこの女が立っているのを見た者がいた。そのときにはすでに気が荒くなっており、たちまち去ってしまい、ついに帰ってこなかったという。
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ヤマノカミサマ 1977年 青森県 夫が山に木を伐りに行って昼になっても帰らないので妻が心配して見に行くと、美しい女の人が、木の上で作業をする夫を支えている。妻が声をかけたら女は消え、夫は木から落ちて死んでしまった。女は山の神だった。
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テング 1931年 長野県 子供が天狗に連れられてどこかに行ってしまった。村中で幾日も探したが見つからず、仕方なく諦めた。翌年その子の家の庭に子供からの置手紙があったという。
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テング,オシヤゴジザマ 1931年 長野県 十歳頃の子が何処へ行ったのかわからない。村中で探したが見つからなかった。夜明け前探していた人たちが家に引き上げてくると、家の中の馬屋の中にいた。村の人たちはおしゃこじ様が隠したのだといった。天狗様のいたずらだともいった。
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