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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ムジナ
1933年 長野県
土蔵の下に狢の巣がある家があった。その狢は人の声の真似をするのがうまかった。近所の嘉右衛門という家の婆は、暗くなるといつも「お嘉やーぃ」と呼ぶが、狢が真似をして「オーカエツ」と言ったことがある。

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タヌキ,キツネ
1986年 愛媛県
とあるおじいさんが山で炭を焼いていて夜に炭火を止めようとして小屋の中にいるうちにうとうとしてしまった。そのとき、「じいさん弁当持って来たぞ」という声が聞こえたのだが、だれもいなかった。たぬきやきつねは人の口真似が上手く、実際何をいっているかわからないが、人が遠方で話しているのと同じようなかんじに聞こえるのである。
類似事例

カブソ
1996年 石川県 
近所の家にかぶそが上がってきて、厩の2階に巣を作ってしまったことがある。夜物音がするので、その家の人はてっきり亡くなったお嫁さんが化けて出たと思って驚いた。
類似事例

タヌキ
1984年 山梨県
曾祖母から聞いた話。ある家の土蔵の裏のケヤキの木の下に、毎晩丑三つ時に半纏を着て手拭をネエサンカブリにした娘が出て、ネンネンコロリヨの子守唄を歌った。戸の隙間から覗くと狸の尻尾が見えた。赤飯などをおいておくと食べ、次の日もまた化けてやってきた。毎晩来ていたが、いつしかこなくなった。
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キツネ
1935年 熊本県
狐が頭に藻をかぶって琵琶坊主に化けた。その様子を見ていた人がいた。その人が琵琶坊主に化けた狐の後についていくと、狐は一軒の家に入って琵琶を語りだした。その人は暖簾の隙間から見ていたが、黙っておれなくなり、暖簾を押し分けて狐であることを告げた。けれども、注意されて気がつくと、その人は広野の真ん中で馬の尻尾の毛を掻きあげていた。
類似事例

タヌキ,ムジナ
1933年 長野県
狸や狢は人の家の縁の下に巣を作っていて、夜中になるとその家の人の名を呼んでは「雨が降るので早く起きて干物をしまえ」と言う。驚いて外を見ると、星が降るように晴れていた。
類似事例

ムジナ
1933年 長野県
嘉平が山に行くと狢の巣を見つけたので、生松葉を集めて焚き燻して捕まえようとした。けれども、夕方までしても駄目だったので諦めて家に帰った。その晩、嘉平の家と間違えて隣の喜右衛門の家の戸を叩いたり引っかいたりして騒いだ。
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ニンギョウ
1926年 石川県
加賀の某豪家の裏座敷で、夜になると妙な人声がする。垣根の外を通るものも、来客かというふうに聞き流していたが、毎夜のことで不思議に思い、その家の主に告げた。裏の座敷の納戸には毎年回ってくる人形座の座元から預かった長持がしまってあった。中には三〇何体の人形が入れてあった。
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キツネ
1930年 長野県
夜中に人の呼ぶ声がするので表へ出て返事をすると、気持ちが悪くなり家へ入るなり寝てしまった。次の朝、上の家のお祖父がいなくなったというので探すと、下の家のところで寝ていた。狐にだまされたらしい。お祖父の足跡とともに狐の足跡がついていた。
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ネズミ
1934年 秋田県
昔、爺様が鼠に豆をやったところ、鼠の家に呼ばれて歓待され、帰りにはお土産をたくさんもらった。隣の爺様も同じようにして、鼠の家で歓待を受けたが、猫の鳴きまねをしたせいで座敷が真っ暗になって出口がわからず帰れなくなり、そこで死んでしまった。
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バアトイシジゾウ
1956年 宮城県
昔、老夫婦がいた。婆が庭を掃いていると角から豆粒が1つ転がり、馬小屋の側の小穴に入った。婆がもったいないとその穴を掘っていくと、広い野原に出てそこに石地蔵が立っていた。婆が地蔵に豆が転がって来たかと聞くと、地蔵が「豆はそこの俵の中に入ったが、まあ遊んでいけ」というのでしばらく休んでいた。地蔵は「今から面白いことがある。何があっても声を出すな。俺が手を上げて合図したら鶏の鳴く真似をしろ」といったので、婆は俵の中で黙って待っていると、鬼が集ってメクリ(賭け事)をはじめた。鬼が金を出して盛んになってきたとき地蔵が合図し、婆が地蔵の言うとおりにすると鬼はみんな逃げ、婆は鬼の金を地蔵からもらって帰った。隣の慾深婆が火を貰いにきたときその話を聞き、真似をするが、地蔵の合図する前に鳴いたので、鬼にばれて両耳をもがれて帰ってきた。
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オツキトオホシ
1956年 宮城県
お月は先妻の子、お星は後家の子で、どちらもかわいく本当の姉妹より仲が良かった。しかし後家の母は実の子のお星ばかりかわいがり、お月をいじめる。あるとき後家がお月を殺そうと朝から包丁を磨いでいるのをお星が見つけて尋ねると、後家は「南瓜をたく」と言い訳をする。利口なお星は真相に気づき、自分の布団にお月を隠し難を逃れる。次の朝殺したと思ったお月が起きてきたのを今度は石のカラヒツに入れる。お星はカラヒツの下の穴からこぼすようにとお月に芥子の実を渡し、泣きながら「春になったら迎えに行くから」と言う。お月は山奥の土中に埋められるが、春になって咲いた芥子の花をたどっていったお星が山奥でお月と出会う。お星が持ってきたお粥を食べて元気がつくと2人でどこかへ消える。後家は年をとってざとうになり「お月とお星がいるならば、なあしてこの鉦叩くべや」と言いながらほいとう(乞食)して歩いたという。
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タヌキ
1989年 長野県
お宮の方に行くと、たぬきが人の真似をしたりして化かすという。田を作っているとたくさんたぬきが出てきて、小屋に泊まって「雨が降るから誰も来ない」と考えているとたぬきが来て人のように呼んだり壁を叩いたりするという。「たぬきが来たな」と考えると、音が止むというようなことがよくあったという。
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ヤマタロウ,タロウドン
1952年 熊本県
山太郎は山師のまねをする。夜遅くなると、谷間からコッポン、コッポンと木を伐る音がするので聞いていると、まもなく、ザァーッ、ザァーッと木の倒れる男が聞こえる。また、鋸引きのまねをしたり、材木を谷に落とす音をさせたり、ヨイショ、ヨイショと荷を担ぐような声を出したりすることがある。刃物を研ぐまねや、木を折るまねもする。
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キツネ
1920年 長崎県
狐が鳴声で吉凶を予報する。夜更けに町から帰ると、物かげでグドグドと話声がするが姿が見えない。赤子の泣声、犬の鳴声などのものまねをよくした。誰も居ないはずの座敷や縁先などでも声が聴こえることもあったという。
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キツネ
1977年 青森県
産婆さんが夜道を歩いていたら、狐が頬被りした女に化けて「ババオグルカ(送ろうか)」と言ってきた。産婆さんが「オグッテクレ」と言ってついていくと、ホリョウ沢まで来て女は消えてしまったむ、そこには狐の巣があった。
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ネズミ
1934年 石川県
爺と婆が雪隠の屋根をふいていたときに団子が転げて鼠の穴に落ちた。鼠が出てきて、家に連れて行ってもてなしてくれたが、猫の鳴きまねをしたせいで真っ暗になり、ようやくのことで出てくると、自分の家の釜の下であった。
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タヌキ
1962年 大阪府
子供の頃住んでいた家は小高い丘で木が茂っていた。また狐によく鶏をとられた。姉は箏を習っていて、座敷で練習した後は袋に入れてしまっておいた。ある晩、座敷から箏の音が聞こえ始め朝まで続いた。その日に限り袋に入れるのを忘れていた。狸の仕業だろう。
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ヒダリメッコ
1956年 宮城県
箆岳山みたいなところに老夫婦が住んでいた。あるとき爺が今日は遅くなると行って町に出かけた。晩方になって意外と早く爺が帰ってきたので、爺の顔を見ると左目っこの爺が右目っこになっていた。「狸が化けたか」と気をつけて、爺の好物の南ばん大根を作ったが、爺はその焼き大根を食べようとしないので怪しむと、狸は思い切って食べてむせた。婆はおかしさをこらえ、大きな叺を持ってきて、早くこの中に入れと狸に言う。さらに「おじんつぁんは隙間があると寝付かれないから、いつもぐるぐる縄を巻かせるが」とうそをつき、狸をぐるぐる巻きにする。狸を言いくるめて寝たふりをさせ、そのうち八つ下りになって本当の左目っこの爺が帰ってきたので、婆は今日のことを語った。爺はびっくりしたが、やがて「ばんさまのおかげで狸汁食うにええ」と喜んだという。
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タヌキ
1978年 和歌山県
夜、山の仕事小屋で樵が10人くらい話をしていると、外で「オーイ」と2、3人で呼ぶ声がする。皆で「オーイ」と返事をすると、外の声はしなくなった。声の主は2、3匹の狸であった。
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キツネツキ
1987年 岡山県
人ぎつねは、いたち位の大きさで鼻が黒い。猟師のお爺さんがいたちの代わりに人ぎつねを取って売りにいって帰ってくると、お婆さんがこたつへもぐりこんで首だけ出し、お爺さんが売った値段をあてる。人ぎつねはよくつくようなことをいったので、これはきつねがついたと思い、犬がいるぞ、というと、犬は怖くないと言うので、鉄砲で打つぞというと鉄砲は怖いという。それから奥に入って布団に入って寝ると、ひょっと目を覚まして、なんでもないような顔をしてお婆さんは起きてきた。そして、今さっきのことを話しても知らないといったという。
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