マンダラガン 1974年 延宝年間に、大雲院の高誉上人が当麻曼荼羅の修復の際に、曼荼羅からこぼれ落ちた糸や積もったお香の粉を全て拾い集め、それを精製して曼荼羅種という薬丸にした。それを知り合いの道俗に与えたところ、信心の至った人の場合数日間輝いたり、五色に変じたり、また増長して大きくなったり、分散して小さな舎利になったという。また妖怪などに取り憑かれた人が、この丸を少しでも喉にいれると、忽ちにして快復したという。
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カンノン 1989年 広島県 昔、火事で観音堂が焼失した時観音像だけ探しても見つからなかった。村人が堂宇は再建したが観音像は安置しなかった。2年後の夏に子供が観音堂近くの滝で泳いでいる時に黒くなった観音像を滝つぼの中で見つけた。
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〔レイイノモノ,コキ〕 1975年 千葉県 上総国東金町の傍にある山より掘り出されたという古器は、2度の火災に遭い焼かれたが、色は変わっても少しも損なわれることがなかった。この古器は神代の物と伝えられているが、2度もひどく焼かれたのに無事だったのは霊異の物だということで、元の上総国に返されたという。
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ハクバイカンノン 1978年 新潟県 京都の本山から住職が持ってきた白梅観音が、火災で行方不明になった。10年前、17歳の男性が脳溢血で倒れて半身不随になったところ、禅宗の僧侶がやって来て、庭の梅の木の下に観音があるからだと言った。親類に頼んで掘ってもらうと、観音が出てきた。
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ブツゾウ,コゾウ 1979年 岩手県 柳玄寺にある仏像はもと松崎村中井家の本尊だった。ある年中井家の隣家より出火した時、何処からともなく1人の小僧が現れこれを消し止めた。無事を感謝し御本尊に合掌すると本尊の手が黒焦げになっていたという。また田植えで人手が無く困っている時にも1人の小僧が現れ手伝ってくれたが、その足跡を追って行くとこの仏像の仕業だったという。
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ジゾウサマ,コウミョウ 1981年 広島県 昔、薬師の所にあった地蔵を漁師が持って帰ろうと思い、シノベの海まで背負って行ったが、重くなって船に乗れず仕方がないので海に捨てた。ある日人が海辺を通っていると海中が光っているので近付くと地蔵があった。それを薬師に返しに行った。
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フドウサマ 1989年 山梨県 大水が出たときに田原の滝の流れが変わったときに、水の中で光っているものがあるので引きあげてみるとかなり水にさらされた不動様が出てきた。引きあげて祀った。そこが火事で焼けたりしても、かろうじて本尊だけは助かった。
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コウボウダイシゾウ 1979年 岩手県 旧松崎村(現・松崎町)菊地家で、ある時蔵を除いて屋敷を焼失した。普請後、同家の妻が原因不明の病にかかり、祈願のため家人が柳玄寺を訪れた。その時は護符と医療によって快癒したが、住職は同家の蔵内に仏像らしきものが放置されているので探すように言った。数年後妻は再び不明の病に倒れ、柳玄字を訪れたが、住職の再度の言に蔵内を隈なく探すと弘法大師像が見つかった。それを懇ろに回向したところ不明の病もたちどころに快癒したという。数年前の話。
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ウマジカンノン 1936年 京都府 厳平寺が焼けた時、観音様も焼失したと思われていたが、ある人の夢に観音様が「淋しいので迎えに来てくれ」と言われ、探すと落葉の下から見つかった。見つかった1月9日を9日正月という。
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レイコン 1977年 斎会で僧たちが酒を飲んでいると、位牌の霊魂が姿を現して、火に焼けた。その者の草履は、ずっとくつ棚にあったが、その日の朝、誰も取り出していないのにそこにあった。草履の焼絵紋をみれば、間違いなく本人のものだった。
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ゴンゲン,クマノゴンゲン 1974年 奈良県 延宝5年5月、ある名高い僧がおり、和州当麻寺の曼荼羅が痛んでいたので修復する事となった。しかしどうしても絵の具の色が合わなかった。そんな時徒弟が二上が岳で老夫に会い、彼は熊野新宮社のうしろを堀り、塊をくれた。それは求めていた色だった。老夫は曼荼羅を本地とする熊野権現なのだろう。
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テン,タイショウ 1941年 新潟県 本堂から火が出ると見かけない小僧が出てきて、鐘を付いたり村中に知らせて廻った。これをやっていたのはおそらく寺のタイシャウ(貂)であろう。
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キツネ 1991年 静岡県 ある寺の住職が檀家に接待されて帰る夜道、提灯が倒れて火が消えた。灯なしに歩くと何度も同じ道に出る。民家で火を求めたが誰も出て来てくれない。あきらめて歩き出すと狐の姿が見えた。さらに歩かされて寺に帰ると衣も脱げ、お土産もなかった。昼間戻ってみると、提灯には爪痕がついていた。とりやめていた寺の豊川稲荷のお祭りを再開したら、そういうことはなくなった。
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ホトケサマノレイケン 1952年 静岡県 行基作の大日如来像が戦国時代戦火で行方不明になった。ある日大井川で網に日輪の光を放つ仏像がかかった。打ち捨てて帰宅したがその夜、高熱を発した。暫くすると病人が「われは大日如来像である。引き上げて山に送り還せ」と告げ、その通りにすると忽ち快癒した。
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ブツゾウ,ユメ 1941年 朝鮮 黄海道信川郡の九月山の中腹にある寺には、銅の仏像があった。ある夜僧は仏像が盗まれ山頂で溶かされる夢を見た。起きてすぐ仏殿に行くと、そこには大蛇がいて仏像は無くなっていた。急いで山頂にいくと仏像を溶かしているところであり、僧は飛びかかって仏像を取り返した。寺に戻ったが大蛇はおらず、仏像は股の所が溶かされていた。この仏像は今も安置されていて、股には土が塗られている。
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ヒノタマ 1936年 鳥取県 今から5,6年前、賀露の寺で報恩講があったが、その最後の日、夜1時頃に本堂の壁を阿弥陀さんの間に直径1尺5寸の火の玉が見えた。出ていた時間は10分間位だった。
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オシラサマ,ヒカルコボク 2001年 青森県 某家のオシラサマは、祖父の代に火事にあった際、屋敷内で焼けて光っていた古木から形作って祀ったものだと言う。だが、父の代に信心が薄れてこれを焼き捨ててしまったところ、不幸ごとが続いた。これはオシラサマのとがめであると言うことになり、再び新しく作り直して屋敷内のお堂に祀った。
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アツタジングウノカジ 2002年 愛知県 熱田神宮の楠の下に乞食が寝ていた。夜中楠から火が出て本殿にも燃え移りそうになった。神主が御神体を持ち出そうとするが鍵が開かない。そこへ神主の父が来て鍵を開けた。父が再来を告げて去ると火が治まった。父は再来せず、自宅へ戻った神主が父に謝辞と何故戻ってこなかったのかを尋ねた。すると父は何も知らぬ、それは末社の神が出てきたのではないかと語った。
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アミダサマ 1985年 愛媛県 高助の寺の阿弥陀様を修繕の男がすりかえ、本浦の寺に納めようとしたら歩けなくなったので元に返した。
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レイケン 1975年 東京都 武蔵国多摩郡芝崎村鎮守八幡宮の本地仏は弘法大師御作で霊験あらたかである。昔火事で堂守が消失した時尊像がどこかへ飛んでいった。宝永の頃堂を再建すると境内の松の根元が輝いているので掘るとそこから現れた。盗まれた時もある日突然帰ってきた。
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