イヌガミ 1954年 高知県 高岡郡梼原村四万川付近のある婦人の報告によれば、小学校の頃、奥の部落の女性が病気になり、犬神が憑いているという評判が立った。驚くほど大食をし、饒舌にしゃべり、声や動作が犬神統の人とそっくりになった挙げ句、死んでしまった。その後6、7年は病人が出ると必ず犬神が憑くようになった。
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ヘビガミ 1922年 愛媛県 蛇神一名蛇持ちの人があって、誰かを憎いと思ったり、欲しいものが手に入らなかったりするととり憑く。憑かれた人は某方の蛇であると口走りながら、蛇のような狂態を示す。このような場合は医者には見せず山伏や巫女を招いて祈祷をし、死に至らしめることもある。蛇持ちの家は蛇筋といい、代々続くものと信じていた。
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ヘビ,タタリ 1996年 神奈川県 大きな蛇を殺したら、その地方の人が全部具合が悪くなった。先達に聞くと蛇の祟りだという。
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イヌガミ 1954年 高知県 高岡郡の東津野村での昭和17年の聞き書きでは、犬神は鼡(ねずみ)に似て小さく、尾に筋があると言われ、犬神統の家では犬神を集めて飼い、毎朝供物をするという。他人がこれを殺すと犬神統の家に異変があると言われる。憑かれたときは、狐の皮を吊すとよく、憑かれた物のうわごとが犬神統の人と同じ声色になるという。
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イヌガミ 1936年 徳島県 様々な病状を持つ婦人を祈祷したところ、犬神筋である女髪結いの家から来た犬神に憑かれていることがわかった。女髪結いが、婦人の幸せと自分の不遇とを比べて嫉妬したために起こったことであった。
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イヌガミ 1986年 大分県 犬神に憑かれると胸・足・手などが痛み,急に肩を揺すったり犬の真似をしたりする。犬神が憑いた家は金持ちになる。男女問わず,物を欲しがっている人,執念深い人,喜びや悲しみの中にいる人に憑きやすい。犬神持ちの人に対して喜怒哀楽の感情を表すと憑かれるので,彼らは恐れられ嫌われていた。犬神は原則的に個人に憑くが,犬神の憑き易い筋がある。犬神筋と結婚するとすぐに憑かれると言われ,縁組を嫌われた。
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インガミ 1950年 熊本県 旧久連子村では犬神持ちに憎まれたりすると取り憑かれ、高熱を発しうわ言をいう。憑かれぬ為には、筋の家の者が履いた草鞋や草履を盗んで1足づつ括り合わせ、小便所に浸し、筋の家の屋根越しに投げると良い。大抵自分が筋だとは知らず、縁組をする者はない。
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イヌガミ 1936年 徳島県 犬神筋と懇意にしていた婦人は、それがために犬神に憑かれ、様々な病気に苦しんでいる。
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コヘビ 1976年 京都府 某家で伯母が同居してかいがいしく働き、家が栄えていた。しかし妻を迎えたところ、妻が伯母に従順しなかったので、伯母を別居させ、食事を持っていくように主が命じたが、妻は主に偽って、持って行く事は無かった。そのうち伯母は病気になったのだが、その頃から妻も心地が悪いと屏風の内にこもるようになった。2,3日もこのようなことが続くので怪しんで屏風の内に入って見たところ、妻の首に小蛇が巻きついていた。修験に祈ってもらったら、小蛇を退治すると妻は死ぬといわれたが、苦しみを見かねて祈祷を頼んだところ、小蛇は首を離れ妻の口に入り、妻は死んだ。その頃伯母も死んだという。
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ヘビ,タタリ 1986年 長野県 病人やけが人が続くので拝んでもらったところ、蛇の祟りだと言われた。あるとき、草刈りにいって草と一緒に蛇の頭を刈ってしまったことが原因だという。そこで、その蛇の祠を祀ることにした。
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(イヌガミ) 1980年 四国地方では犬神という事がある。犬神が憑いている人に憎まれた者は、すぐに犬神が憑き、心身共に混乱して病気になったり、死んでしまったりするという。しかしこれは病者が犬神を常に恐れ、病気になると、常に犬神の仕業と思っているためであると、四国地方に住む医者はいう。
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ヘビ 1972年 千葉県 話者が小学校のとき、数人で蛇を殺した。その中で一番気の弱い子の家の縁の下に蛇が住み着き、その男は顔色が悪くなり、病気になってしまった。
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キツネモチ 1922年 島根県 江津町の海岸部では、狐持の欲しいと思う物をやらなかったり、狐持の悪口を言ったりすると、すぐに狐に憑かれるという。事のあった晩か翌朝頃急に腹が痛み出し、そこら中転びまわって苦しむ。憑かれると狐持の家にお詫びに行き、欲しいものがあるなら持って行く。その際病人には赤飯や油揚げを食べさせる。病人は日蓮宗のお寺かお宮でお祭りをしてもらうと治る。
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タタリ,ウマ 1943年 高知県 高岡郡上ノ加江町の矢井賀の手前の浜で昼寝をしていると、すぐ気持ちが悪くなったり、病気になったりして長患いをする。昔馬を見殺しにした祟りだという。
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イヌガミ 1936年 徳島県 犬神筋の家の者に恨まれた男の夫人は、犬神に憑かれて様々な病気で苦しんでいる。
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キョウヲクワエタヘビ 2001年 奈良県 春日にある「六道」というほとりで、童子が経をくわえた蛇を打ちはなったために重病になってしまうという話がある。蛇は邪執によって蛇道に墜ちた人間だったという。
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イヌガミ,(ヘビガミ) 1979年 四国には犬神ということがある。犬神を持っている人が誰かをにくいと思えば、その人に犬神がついて心身を悩まし病気にする。病気になった人は犬神の事ばかりを言うようになる。中国や西国あたりの蛇神も同じようなものであるだろう。
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キツネツキ 1942年 長野県 ある人が病気になったので御嶽講の先達に占ってもらうと、狐憑きといわれた。その後、村に2、3軒狐憑きがでた。狐がいうには、上垣という屋号の家で、食べ物をくれないので来たのだという。そこで村の者が上垣に掛け合ったが、上垣は狐など飼っていないと言った。その家の大黒さんを怪しんで川へ流したが、依然狐憑きは治らなかった。村の者は収まらず、ある夜大挙して上垣に押しかけて乱暴狼藉の限りを尽くした。上垣は代官所に訴えて勝訴したが、この件以来けちがついて家は絶えてしまった。
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ワカミヤサマ,タタリ,チョウチフス,リュウコウビョウ,モノシリ 1950年 鹿児島県 この部落に腸チフスが流行った。ものの祟りではないかと考えた住民は、東海岸の浅川部落のモノシリ(巫女)に見て貰った。すると、神を拝み、弓を引く様子や殺される様子を演じ、畠の中で朽ちている若宮様を粗末にするからだと言う。若宮様とは志布志の殿様の子息であったが、弓引きの際に若宮様のある場所で謀殺されたのだといわれる。それから若宮様を氏神様の参道に移して部落で祀るようになった。
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ヘビノタタリ 1956年 宮城県 昔おがら町(東八番丁)に早瀬という侍が住んでいた。ある時同家の厠に大きい蛇が這いこんできたので家人や若党たちが手に手に獲物を持って散々に打ち苛んだ。半殺しにされた蛇は柱を二巻きほどして上に昇ろうとしたが力尽きて死んでしまった。それから早瀬家には妻の死児難産,主人の乱心と投身自殺,家人の病気などの凶事が次々起こったので巫女に拝んでもらったところ,殺された蛇の霊が出て「いくら加持祈祷されても早瀬の家には七代祟ってやる」というのであった。明治時代,私(田夏氏か)の母の実家の隣家にこの早瀬家の子孫の老婆が寄寓していてその愚痴話を聞いたということである。
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