ヤマノカミ,ユメ 1941年 朝鮮 大同郡秋乙美面美林里の病人の夢に、白い着物を着た山神が現れて、一里先の小高い山で最初に目に付いためずらしいものを、食べるものなら食い、飲めるものなら飲めと言った。そこで行ってみると清水があり飲んだ。数日続けると次第に快復した。世間にも官にも知らせ、大kの人がその薬水を汲んでいくようになった。
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テンニョ 1941年 朝鮮 平原郡青山面雲塔里の岡の下に池がある。昔、貧しい青年が池で7、8人の仙女が水浴していたのを、その中の衣を一枚隠した。仙女達は衣を纏い飛び上がったが、一人だけ飛び上がれず青年のところに衣の在処を尋ねた。青年は仙女を家に引き留め、共々楽しく暮らしたという。その池は仙女池と呼ばれている。
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テンニョ, 1929年 京都府 比治山の頂上に真名井がある。この井戸に天女8人が来て水浴びをした。老夫婦がこの様子を覗き見して天女の衣装を隠した。衣装を取られた天女は天に帰れず、老夫婦の請うままに娘となり、共に暮らした。天女は良い酒を造り、家は富んだ。
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テンニョ,ハゴロモ 1967年 福島県 葉山権現の傍に大池で、ある暑い日のこと数人の天女が水浴びしていると、1人の漁夫が通りかかった。天女は驚き昇天したが、1人の天女が気付かず水浴びを続けたので、漁夫は羽衣を見つけ、家宝にしようと持ち帰り、庭先に埋めた。天女は昇天することができず、漁夫が羽衣を持っていることを知り、卑しい女に化けて男の家に行き、とうとう夫婦となり1人の子をもうけた。この子が3才の時、庭先から羽衣を見つけ、母にそれをつげたところ、天女は喜びすぐに昇天した。残された子は非常に仏好きで、4才のとき落髪し、後には高僧になった。
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テンニョ 1930年 岩手県 百姓の若者が夏の日に川辺で3人の天女が水浴びしているところを目撃し、一人の天女の羽衣を隠したためにこの天女は天に帰れなくなった。天女はそのまま若者の女房となったが、女房を眺めてばかりで仕事をしなくなったので絵姿を描いて持たせた。その後、女房は殿様の御殿に連れて行かれるが、桃売りに化けた若者は殿様と入れ替わり、天女と御殿に住むことになった。
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シンリョ,(キセキ) 1976年 東京都 木梚町に貧しい商人の親子がいた。息子は平素から実直で親孝行であった。ある時この息子が大病にかかり、母親は、朝鮮人参を飲ませれば効くかもしれないと聞いたが、そんな高い薬は買えない。そこで八百屋で買ってきた人参を煎じて飲ませたところ、息子は医者からもらった薬だと思いこんで飲み、病気も治った。
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センコノタキノオゼン,ミズガミサマ,ユメマクラ 1987年 長野県 昔,病気の母親と暮らす若者がいた。若者は親孝行で,働き者だったが生活は楽にならない。母親の回復を水神様に願掛けしていたが,よくならない。一度でいいから母親に甘いものを食べさせてやりたいと思っていた。ある夜,夢まくらに水神様が現れて「千古の滝の傍で『お膳を下さい』と三度唱えればお膳が出る。ただし食べ終わったらお膳は元の所に返さなくてはならない」という。若者がお告げの通りにすると,ご馳走の並んだお膳が現れた。母親の病気はだんだんよくなり生活も楽になってきたが,隣人が若者の後をつけ,同じようにお膳を出してそのまま返さなかったので,水神様が怒って,それっきりお膳を出してくれなくなった。
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ゴゼンサマ 1967年 福島県 乙女淵とか御前淵と呼ばれているところで、昔、大家の娘が紅花を摘みに行って、水鏡で自分の顔を見ていたら、御前様にみいられ淵の中に引き込まれた。その後、ある男が淵に鉈を落とした。鉈の柄が近くに見えているので取りに入ったら、前にいなくなった大家の娘が機を織っていた。娘は、ここにいることを誰にも話さないでくれと、布をくれた。男が淵から上がると3年が過ぎていて、家では三回忌が行われていた。もらった布はいくら切ってもなくならず、どこまであるのかとほぐしたら、そのとたん男は死んだ。盆の16日はこの淵へ流し機といって、機をつくり流すという。これをしなければケチがつくといわれ、どんなことがあってもやらなければならないといっている。
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リュウトウカンノン,ゴシンスイ 1976年 愛知県 奥田字日沢の地、1アール程の林に囲まれた静かな田んぼのほとりに粗末な社と小屋があってのぼりが多くたっている。その小屋に竜頭観音の額と由来をしるしたものがある。神代国造りの時、美津波能女之命が竜に乗って天より下り少彦名命の病気を治した。その場所に水が湧き、後に病で苦しむ人皇20代允恭天にもその御神水は効果があり病気が全快された。今も万病に効くが特に婦人病によいとされ水を瓶につめて持ち帰る信者が多い。
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センニョ,テンニョ 1940年 朝鮮 貧しい男が傷ついた鹿(獐)を助けた。すると、お礼に1人の女房を与えてくれるという。それは下界へ水浴びに来ていた仙女(天女)であった。男は鹿からおそわった通り、羽衣を隠して彼女を天上界へ帰れなくして、ついに夫婦になった。天上のものと一緒にいると言うことでいろいろな約束事があったが、男は2度もそれを守ることが出来ず、ついに死んだ。
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フドウミョウオウ,テンジン,ハゴロモ 1967年 福島県 三浦左近国清という人が太田村別所に住んでいた。世継ぎが無いことを憂い、馬場村の滝不動に美しい妻が得られるようにと祈願した。すると夢に不動明王が現れ、現世には配すべき女がいないので、五台山の奥の池で天人が水浴びをしてるゆえ、その羽衣を取れと言った。国清はその通り山に登り天人の羽衣を取って家に帰った。やがて天人は気付き、国清の家に行き羽衣を返して欲しいと願ったが返されず、ついには夫婦になった。二男一女をもうけたが、やがて子供たちが大きくなったから別れても立派に育つと言い残し、天女は羽衣を着て天に昇った。国清は悲しんだが、娘はそれにもまして悲しみ、ついには池に身投げして死んだ。中太田に姫塚と呼ぶ塚があるが、この姫を祀ったものといわれる。
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テンニョ 1935年 沖縄県 成弘年間安謝邑に貧しくて妻をめとることができない男がいた。ある時、天女が水浴びをしているのを見て、衣を隠したうえ、騙して妻にした。やがて子どもが生まれたが、歌によって衣の隠し場所を母に教えたので、天女は天に帰った。
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トクラノドクガワ 1956年 宮城県 昔,この地の素封家に美しい娘がいた。何時からともなく,夜毎娘の所に美しい若衆が通ってくるようになり,娘は目に見えて憔悴していった。母が色々問いただした結果,男はどうも化生の者らしいということになり,両親は田束山のお上人に相談した。上人の教えに従い,小豆5石を大鍋で煮てその煮汁を七日間川の上流から流したところ,翌日に川の主の年を経た大鱈が死んで浮かび上がった。娘もやがて回復した。その川を毒川と呼び,また鱈を煮るとき小豆を入れると骨まで煮えると言われている。
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テンドウサマ 1983年 長崎県 仁田の内の人で土地を売る人がいて、カメジイと家内の親父(シュウトジイ)が買いに行った。夜になって帰る時に大雨となりシュウトジイは大水の中に足を滑らせて落ちこんだ。カメジイは川下の浅い所で流れてくるのを待った。シュウトジイは落ちた時に「天道様助けて下さい」といい、流れながら拝むと不思議と光が天道山に照りつけた。それと同時にシュウトジイサンのあしがひっかかって助かった。日頃信心していたから天道さんが助けてくださったのだ。
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(ユメノオツゲ) 1940年 山梨県 六左衛門という財産家は、大水害にあった後、家運が衰えていた。彼には玉吉という20ほどの一人息子がいたが、玉吉は不精者で始終家でのらくらし、体も不健康であった。ある晩玉吉が眠っていると地神が夢枕に立ち、万年橋の下の蛇籠の間に地神の魂である扇がはさまっているので、拾ってきて仰げば諸病が治ると告げた。
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センジュデラカンノン 1956年 宮城県 陸奥の小田の里に間(はさま)さいちようという無慈悲な富者があった。召使いの美女が亡き父母の弔いに千手寺へ詣でたため叱られ、一夜のうちに手桶で百代の田に水を入れよと申し渡される。女は泣く泣く水を汲む。夜になると千手観音の二十八部衆の中の童女が里の女に化身して手伝い、夜明け前に水が満ちる。さいちようが驚いて仔細を聞くと御仏の力と答えるので、千手寺の朽ち木の桜に花を咲かせよと命ずる。千手観音が現れて見事に花を咲かせ、孝女を救う。
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ヘビ,カニ 1976年 京都府 昔、綺田に美しい女がいた。ある時、村人が蟹を食べようと沢山取っていたのを、女は魚と交換して助けてやった。次の日、女の父が蛇が蟇を呑んでいるところを見つけ、蟇を逃がしたら娘をやると言った。蛇はすぐに蟇を放して去った。その夜、どこからか男が現れ、昼の約束の通り来たという。まだ娘に話していないというと去った。娘はそのことを聞いて仏前で読経をはじめた。蛇が現れ閨に入った。村人が戸を開いて中を見ると、女は無事で、蛇が数万の蟹に挟まれて死んでいた。村人はその所に寺を建立し蟹満寺と号した。
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トカビ,オバケ 1941年 朝鮮 大同郡秋乙美面美林里に木の茂みに隠れた古家が2、3軒あるが、昔はそのあたりでトカビがよく現れ、よく悪戯するお化けである。ある日ある男が、その家の側の木の下を通ると、大きな石が投げつけられた。その男の家の蕎麦の粒がその木に結ばれていたこともあった。それ以来トカビの災難が村中に起こった。そしてある力持ちがトカビ退治にその木に出向き、黒いものと格闘すると、それは棒きれであった。けれどもその木を焼き、灰を銅器に入れ土中に埋めると悪戯が無くなった。
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バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
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テンニンニョウボウ 1973年 香川県 あるところに男とその息子がいた。ある日父親が海に行ったところ、木に羽衣が掛かっていたので盗んで帰って箪笥の奥にしまった。息子がそれを見ていた。羽衣をなくした天人を男は家に連れてきて女房にしてしまった。女房が天に帰りたいと泣いているのを息子が見て、羽衣の在りかを教えてしまったので、女房は羽衣をまとって天に帰ってしまった。
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