ヤマンバ 1942年 高知県 土佐山村の「ヤマンバが憑く」とは、豊作が続いて家運が栄える様を言う。山姨は八町四方の森林が無ければ棲まず、常にタキを住処とし、飛翔できる。この村には高川の先祖にも山姨の稗畑の伝説があり、菖蒲の部落にも山姨ヶ谷の地がある。
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ヤマジイ,ヤマンバ 1942年 高知県 高岡郡別府村澤渡のヤマヂイ(山爺)の話。昔、ある猟師が火にあたっていると、山爺が現れて餅がないか尋ねた。猟師は明日持ってくると言い、次の日、岩を火の下で焼いていた。山爺が現れ、大きな音の出し合いをした。山爺が叫ぶと岩や木が揺れ動いた。猟師は銃を撃って音を出した。山爺が餅を請うたので猟師は焼けた岩と燈油を口に入れた。山爺はひっくり返り帰って行った。追っていくと岩屋がありヤマンバが居て、山爺は蜘蛛になって仕返しをすると言う。翌日猟師は家に出た蜘蛛を火にくべてしまった。
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ヤマンバ 1942年 高知県 ある家に山姨が来て、食料を置いていったり、掃除をしたりしていたが、家人が見つけて驚きの声をあげたので、山姨は逃げていった。それからその家は家運が衰えた。この山姨は隣村の一宮村の家から飛来したものと伝えられている。
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ヤマンバ 1985年 高知県 よく稗の穫れる畑があった。ある年、あまりに草が生えるので畑に火を入れたら、畑の中に焼石が残った。それからは家運が衰え、廃絶した。焼石は山姥を祀った山の神だったという。
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ヤマンバ 1999年 長野県 村の衆が山姥に毒の酒と炭のオキを包んだ団子を持たせた。山姥は喜んで帰っていった。その夜、空を真っ赤にして燃える山火事があり、村の人は驚いた。それ以来、山姥は姿を現さなくなった。
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ヤマオトコ 1942年 長野県 昔、村の者が、やまのこに山に行ったところ、山男が裃を着て、火にあたっているのを見て、驚いて逃げ帰ったという。
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ヤマチチ 1938年 徳島県 山父は体中に毛が生えていて、子供を取って食べたといわれている。峠を越して土佐分には、ヤマチチクボという地名があり、ここに昔山父が住んでいたという。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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ヤマウバ 1955年 高知県 ヤマウバがやって来た家がある。ヤマウバが手伝ってくれたおかげで財産ができたが、あてにするようになったら、財産が減ってきた。ある日、この家の二男の姿が見えなくなり、村中で探しまわったら、絶壁の上に立っていた。この家を以前ヤマウバが守っていた
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キツネ,ヒ 1988年 奈良県 古市の田の中に狐塚がある。ある人がそこを開墾しかけたところ、夜に不審な火が見えると言って出かけ、そのまま戻らなかった。それからはもう恐れて誰も手をつけなくなった。
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イシノフルイエ 1956年 宮城県 明治初年頃,荒町下区上久保に化け物屋敷と呼ばれた古家があった。夜になると屋根に石を投げつけられる音がするが,出てみると何もない。あるときはその家が火事のように見えるので人々が駆けつけてみたが,何事もなかった。
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キツネ,カジ 1939年 青森県 畑にいたずらする狐を松葉でいぶして殺した。間もなく百姓の家は火事で丸焼けになった。
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テング 1979年 滋賀県 甲賀郡土山町の黒滝部落では、村人は1年を通して山仕事、特に炭焼きをして暮らしていた。ある時炭小屋で仕事をしていると、昼間から太鼓の賑やかな音が聞こえてきた。いっこうに止む気配はなく、誰かが天狗の仕業だと言いだした。その翌日も太鼓の音がしたが、音がする方に煙草の吸殻を投げると、忽ちその音が止んだ。天狗は煙草好きだと話題になった。
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ビョウニンダ,ジバダ 1985年 茨城県 山刃田を耕作すると、災難が続くので人々は恐れていた。この田は荒れ放題となったので、別の人が耕作してみたが、その人の家は全焼する事となった。
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ムジナ,タヌキ 1976年 新潟県 滝ノ口というところの、左目の悪い爺さんが暮れに津川に買い物に出たのを見て、ムジナが婆さんを騙そうと爺さんに化けて出た。ところが正面から見て化けたので、右目の悪い姿に化けていた。婆さんは化け物だと気づいて、ムジナが囲炉裏で油断してきんたまを炙り出したところに、真っ赤に焼けた鉄瓶の蓋を投げ込んだ。ムジナは逃げていき、山の中で死ぬ思いをして唸っていた。
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タタリノアルヤシキ 1956年 宮城県 今でも佐久間屋敷と呼ばれるところがある。昔この地方を治めていた佐久間家で一人の女中が非業の死を遂げた。その祟りで同家は滅び,以後誰が住んでも凶事が起こるという。今は畑になっているが,黍・菊などは育たないといわれる。
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シラガノロウバ,ヤマンバ 1974年 高知県 麦が次々と生えてくるので、不気味に思い、麦畑を焼いた。すると畑から老婆が出てきて、山姥の林に逃げていった。以来、家が衰退していった。
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ムジナ 1975年 新潟県 爺さんが山へ炭焼きに行き小屋に泊まっていると、夕飯を終え寝ようとしたとき、女が訪れ、とめてくれといって炭火に手をかざした。爺さんが炭火をぶっかけると、女はムジナの正体をあらわして逃げた。
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タヌキ 1982年 群馬県 タヌキが、じいさまに化けて囲炉裏に当りにきた。お婆さんが相手をしていたが、そのうち囲炉裏一杯にきんたまを広げたのでタヌキだと思って、クヨキリ(熱い灰)をきんたまにぶっかけたらタヌキは驚いて逃げ、山で正体を出して死んでいた。
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トカビ,オバケ 1941年 朝鮮 大同郡秋乙美面美林里に木の茂みに隠れた古家が2、3軒あるが、昔はそのあたりでトカビがよく現れ、よく悪戯するお化けである。ある日ある男が、その家の側の木の下を通ると、大きな石が投げつけられた。その男の家の蕎麦の粒がその木に結ばれていたこともあった。それ以来トカビの災難が村中に起こった。そしてある力持ちがトカビ退治にその木に出向き、黒いものと格闘すると、それは棒きれであった。けれどもその木を焼き、灰を銅器に入れ土中に埋めると悪戯が無くなった。
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