ヤマオラビ 1938年 福岡県 オラブとは叫ぶの意味である。山中でヤマオラビに出会い、おらびかけるとおらび返してくるといわれている。山彦と山響きと呼ばれヤマオラビとは違う。
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ヤマジイ 1942年 高知県 幡多郡富山村常六のヤマヂイ(山爺)は、身の丈7尺大で蓑を着た様子の妖物で、身を隠すのがとても早い。
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オラビ 1975年 高知県 おらびは昭和の初めごろまで聞くことができた。初めのうちジィーッと鳴き、次第にオーッという大きな声になり、ついに全山をゆるがすばかりの雄叫びになる。おらびのあるときは返事の前兆といわれる。古狸のわざであったという人もいる。
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ヒョウスボ,カッパ 1992年 宮崎県 ソバの花の時期になると、夜半に、愛宕山のオサキ(尾根)から、ヒョウスボ(カッパ)が「ヒョウヒョウ」と鳴きながら、尾根伝いに山へと登っていく。1982年ごろまではよく聞いたが、道路拡張や家が建ったりして聞かれなくなった。
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オラビソウケ 1938年 佐賀県 オラブとは叫ぶの意味である。ソウケという言葉の意味は不明。山中でオラビソウケに出会い、おらびかけるとおらび返してくるといわれている。山彦とは違う。
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カタツムリ 1980年 茨城県 ある年の夏、常陸国の茂木という山里に泊った時、垣根でコロコロと長く鳴く虫がいた。里人に聞くと蝸牛が鳴いているという。
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タヌキ 1978年 山梨県 親子で山に田に入れる若葉を取りに行き、山を降りたがまだカルシキを刈る音がするので、子どもが「おっとちゃん」と呼んだが返事がない。それで音のするほうに行ったが、どこまで行っても着かなかった。いつまでたっても子どもが帰ってこないので探しに行ったらやっとみつけた。
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オオヒトノキタオシ 1982年 新潟県 小雨の降る晩などに、山小屋に泊まっていた村人が、大木の倒れる怪音をきいた。朝方見に行っても、木は倒れていない。これをオオヒトの木倒シという。
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タヌキ 1991年 愛媛県 話者が山で木を切っていると大きな音がする。誰か松でも切っているのかと見に行くが、なにもない。炭焼きのために泊まり込んでいると、山の中から「おーい、おーい」と呼ぶ。返事をしても誰もいない。そこで罠を仕掛けると、次の日狸がかかっていた。
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カラス,(ゾクシン) 1933年 兵庫県 飾磨郡では、烏がカワイ、カワイと啼くのは人が死ぬ予兆だという。
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ヒトコエオラビ 1965年 長崎県 一声オラビという妖怪がいる。
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ヤマワロウ,ヤジン 1979年 宮崎県 むかし豊後国日田の伏木村で、ある親が泣き止まない子を家から出していたら、声が次第に山の方へ消え入り、子が行方不明になった。10年ほど後に日田に住む小一という者が日向の梓越嶺を歩行中、満身に毛が生えた7~8尺の動物と遭遇した。それは人語を話し、我は伏木で行方不明となった子で、今はある者に仕えて数山の主となっていると告げて別れた。これは山童・野人の類である。
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センタクキツネ 1934年 静岡県 平釜川の近辺にある寺の木が茂っている所に、夜になると狐が出て川でザブザブと洗濯をする音が聞こえる。それを洗濯狐という。
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キツネ 1978年 山梨県 西田と言う地名のところに、オヒメサンと言う名の狐が出た。話者が夫と歩いていたとき、夫に「オヒメサンが見える」と注意されて、早く帰った。夫が後で確かめに行ったら、オヒメサンの姿が見えたところには人が座った跡がなかった。オヒメサンは足音は立てるが、姿は見せない。
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ヒノタマ 1960年 静岡県 曇りで風が弱い日、家の裏山を火の玉がとんでいるのをみた。途中で消えてしまったが、木の葉がゆれるような音がした。
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テングノハネノオト 1983年 岡山県 苫田郡富村大には、山中の経験を克明に記憶している老練な猟師がいた。その話すところによれば、「天狗の羽休め」という木があり、そこを通ると天狗の羽の音がするのだという。この羽の音が聞こえなくなったら、猟はやめなければならないのだという。
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ウワバミ 1979年 岐阜県 ある人が峠で草を刈っていたら、ザザアーと音がする。近づいてみたら、木の上にウワバミがいたので逃げ帰ったという。
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タヌキ 1978年 和歌山県 夜、山の仕事小屋で樵が10人くらい話をしていると、外で「オーイ」と2、3人で呼ぶ声がする。皆で「オーイ」と返事をすると、外の声はしなくなった。声の主は2、3匹の狸であった。
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モーレイ 1993年 鹿児島県 東風が吹いて暖かくなる頃、よくモーレイが出る。ヤローとも言う。県道の近くで下から上に向かって音が走る。今度は上のほうから木を下ろす音がする。夜中の12時ごろまでそこに座ったままだったが、正体は見えなかった。
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オジャモ 1969年 香川県 化物のことをオジャモと呼ぶ。讃岐の各地ではオジョモ、マノモンと言う。比害谷で草を刈っていると、グダグダと人のつぶやくような声がするという。顔を上げると声は止まり何も見えない。
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