(シノヨチョウ) 1935年 話者の兄の話。日露戦争の頃、長兄は大連に、病気だった次兄と話者は家にいた。長兄のもとに次兄がたずねて行き、枕元で話をした。その時は、長兄も「病気が重いのによく来てくれた」と喜んだが、よく考えたらおかしい。しばらくして電報で次兄の死を知らされた。
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ユメ,ムシノシラセ 1936年 鳥取県 北海道にいた時、弟がお婆さんを連れて北海道へ訪ねて来た夢を見た。その服装が冬だというのに白い着物、しかも夏衣装だった。その夢を3回も見たので、電報で照会してみると、不幸があったということだった。
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タマシイ 1972年 千葉県 話者が戦争中、戸をドーンと叩く音を聞いた。その時間、話者のおばが亡くなっていた。魂が知らせに来たらしい。魂は死ぬ前には墓に、死んだ跡は生家に行くと言う。
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シノシラセ 1946年 伯父の一家が夕飯を食べていたとき、玄関から「ごめんください」という声が聞こえてきたので娘の一人が見に行った。しかし、そこには誰もいなかったので戻ったが、またしばらくして澄んだ女の声で「ごめん下さい」という声がした。北海道に嫁した長女の死の知らせだったのかもしれない。また長女の病が重いときには死んだ人の顔が見えると言っていた。
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フネ 1990年 高知県 おばあさんが死ぬときに「船が来る、船が来る」と言った。「どんな船」と聞くと「きれいな船」と言った。そして、「ああきれい」と言って息をひきとった。
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シシャ 1985年 新潟県 戦前のこと。話者の家は冬場にリアカーで雑貨屋をやっていて、そのリアカーの下のほうに仮眠できる設備があった。ある晩そのスペースに、縞の着物を着た60歳くらいのお婆さんの姿が見えたので、その集落の人に「死んだ人がいるのか」と尋ねたら、そこで死んで焼かれたお婆さんがいた、と言われた。
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ユメ,ムナサワギ 1933年 熊本県 一般に、死というものは予告があるものだと深く信じられている。家を離れて遠く、旅で暮らす者には、故郷における肉親の死は、何等かの形で予告される。急にその人に会いたくなるとか、夢にみるとか、胸騒ぎするとか、色々である。
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イトマゴイ 1964年 福島県 ある老女が朝早くから友達や親類を回って歩いた夜に突然死んだ。「いとまごいに歩いたのだ」と村人はうわさした。
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ユメ 1995年 福島県 妹の友子はお盆過ぎに帰郷の途中、乗用車を運転して大きな交通事故を起こした。生前かわいがってくれた祖母に崖から突き落とされる夢を事故前によく見たという。祖母のお骨は数年間お寺に預けたままだった。
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チイサナウツクシイオボウサン 1975年 愛知県 ある人が病気になった。同じように病人のいる前の家から小さな美しいお坊さんが出てきて、縁の下に入るのを、夢うつつで見ていた。翌日、前の人が見舞いに来て「俺は治ったがお前は死ぬ」と言ったが、逆にその人は死んでしまった。
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タマシイ,ギオンマイリ 1933年 京都府 話者の知人の女性が夢に出てきて、自分はどの寺社に参ればよいか尋ねた。祇園社を推すと知人は納得した。それから2・3日後に知人が亡くなった。通夜で知人の縁者に話をすると、その人も同日前に同様の夢を見ており、祇園社へ参る途中であったという。
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シノヨソク,ユメミ 1944年 愛知県 身内の者が亡くなる時は、たとえどんなに遠いところにいても、夢見で知らせがあるとされている。
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オバアサン,クジラ 1996年 石川県 火の不始末で家を燃やしてしまったおばあさんは後悔して、死んだら鯨にでもなってお詫びしたいと言っていた。おばあさんが死んだ数年後に、村が大金を返せと訴えられた。翌年、大きな鯨を浜に引き込み、それを売って金を返すことができた。この鯨はおばあさんだったのだろうと言われた。
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(シニンノシャッキントリ) 1982年 群馬県 沼田のある家で16歳の娘が亡くなった。葬儀の相談をしていたところ、死んだ娘が動いて戸を開けようとしていて、取っ組み合いになり、皆逃げた。おじさんが引返して話を聞くと、「この家に金を貸して死んだ六部がいて、その金を取って来るまでわたしを行かせないというので、取立てにきた」と言った。家のものに確かめるとそういうことがあったというので、娘の手に金を握らせると、ばったり倒れて動かなくなった。
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(シノゼンチョウ) 1982年 群馬県 母親と北枕に寝た夢を見た。翌朝、母の死を知らせてきた。
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ネコ 1933年 青森県 青森県野辺地地方に住む古俳人が言うには、「私が函館にいた時、船着宿のお婆さんが死んだので、からだを湯で洗っていると、死人が頭上に手を上げるから皆がびっくりしたんです。女ばかりではなく、男衆が沢山いたからこれは猫の仕業に違いないって方々に尋ね歩いたら、猫が屋根の上で手を上げ下げしていたよ」
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イキリョウ 1967年 新潟県 死の床にあった姉の亭主の生霊が親類宅を訪問していた。
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オンナノヨビゴエ 1921年 岩手県 遠野郷北川目の人たちが5、6人で出羽の湯殿山に行った際に深沢で女の声を聴いた。それが3年前に死んだはずの自分の女房の声のでようであった。男は家に帰ってから病気になって死んだ。
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ハランダママシンダオッカア,ヨビゴエ 1972年 長野県 部落の大蔵作次郎のおっかあ(妻)が孕んだまま死んだとき、おっかあの兄の大坪源次郎が屋根の上で「おーいおーい」と呼びながら病人の着物を振っていたことがあった。
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コドモノアシアト,モウジャ 1955年 岡山県 この地方の人は達者なうちに必ず帝釈天参りをする。そうでないと死んだ時必ず引っかかりがあり、その間に亡者が貸借参りをするという。2,3実例も語られている。あるお婆さんが村の某と会うと帝釈参りをするとのことだったが、帰ってみると本人の死んだ時間であったという。亡者が帝釈参りをするときには茶店で茶をもらっても茶代をおかずに出るという。
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