ユメジラセ 1987年 岡山県 ある人の兄が戦死して1年位してから、夢に兄が兵隊さんに行く格好をして軍足をはいて歩く音がする。はっとみると兄が帰ってきている。帰ったの、と声をかけると、わしゃ行かないけんけぇ、といって出て行った。それでちょうど今のご主人と兄が同じ隊にいたので聞くと、兄がけがした後、兵隊さんと一緒に凱旋してきた日と、夢を見た日が同じくらいであった。父も母も見たことがないといったが、ある人のところには帰ってきたことを知らせに出てきたのだろう。
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タマシイ 1935年 新潟県 大病を患っていた男が、叔母の家に行きはっきりとその神棚の様子を覚えていた。叔母は男が挨拶をしてふっと消えたという。男が生還して聞いてみると、その神棚は男の行ったとおりに飾っていたという。
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タマシイ 1972年 千葉県 話者が戦争中、戸をドーンと叩く音を聞いた。その時間、話者のおばが亡くなっていた。魂が知らせに来たらしい。魂は死ぬ前には墓に、死んだ跡は生家に行くと言う。
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マサユメ 1946年 戦時中、工場で働いていた女教諭の話によると、中国に出征中の弟が帰ってくる夢を見たら、本当に帰還してきたという。また同じような夢を母も見たという。
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カシカラソセイシタハナシ 1944年 秋田県 ある男が病気で死んで9時間後に生き返った。当人曰く、苦しくなくなったので友人宅を訪問した。戸の狭い隙間から中に入り、話もせず帰った。自宅に戻ると何だか呼び声が聞こえる。夢から覚めた心持で気が付くと、多数の人に取り囲まれて介抱されているのに気づいた。
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シビト 1982年 満州 終戦後の満州にて、話者はよく死者に声をかけられたが、親しかったものであれば、それほどいやな気持ちにならなかった。
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ユメ 1928年 愛知県 ある女が20歳のときの話(20年前)である。姉の病気が重くなり見舞に行こうと思っていた晩のこと、誰かが戸を叩くので声を掛けると、それは患っているはずの姉であった。中に招き入れたが、姉は黙って土間に立っているだけであった。そのとき、戸を激しく叩く音が聞こえたが、気づくと自分は床に寝ていた。しかし、まだ戸が叩かれているので戸を開けると、飛脚が姉の訃報を知らせにきたのだった。
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シノヨソク 1944年 新潟県 大正時代、ある老人が「近々死ぬから」といって近親知友に挨拶状を出し、それから1週間ほど後、俺は今日死ぬからといって、その日の午後、そのまま死んでしまった。別に病気などではなかった。新潟市にも同じような老人がいたという。
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ユメジラセ 1987年 岡山県 ある人の兄が戦死したときに富士山の夢を見た。富士山にずうっとしぶきのえらいのがかかって流れる。それがちょうど兄の戦死の日だった。
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ヘビ 1993年 香川県 戦争のとき、私の兄嫁が三崎さんに日参していた。ある日、三崎さんの大門のところに酒樽の周りくらいある蛇がいた。恐ろしくなりお参りせずにもどると、大阪にいた兄嫁の甥が死んだという電報が来ていた。
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シノシラセ 1946年 伯父の一家が夕飯を食べていたとき、玄関から「ごめんください」という声が聞こえてきたので娘の一人が見に行った。しかし、そこには誰もいなかったので戻ったが、またしばらくして澄んだ女の声で「ごめん下さい」という声がした。北海道に嫁した長女の死の知らせだったのかもしれない。また長女の病が重いときには死んだ人の顔が見えると言っていた。
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シラセ,アカイタマノヨウナモノ 2001年 青森県 義兄が入院していた時、自分の家の木の枝に赤い玉のようなものが止まっており、それは水色に変わったかと思うと、また赤くなって消えてしまった。後に病院に見舞いに行くと、死んだはずの母が渡り廊下を歩いているのを見た。兄は翌日に亡くなったが、みんなは母親が迎えに来たのだろうと言った。
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(リンシタイケン) 1964年 福島県 話者の祖父が三十三歳の時に死にかけた時の話。おとぎの国のような赤や青の光のするきれいなところを歩いていた。途中何度も名前を呼ばれたので、あちこち隠れながら三途の川を渡った。川幅は広いが浅かった。その向うの死出の山も丘みたいなものだった。向うは一面の平野で花畑、その向こうにすばらしい鉄の門と御殿があって、赤鬼と青鬼が立っていた。通してくれと頼んだら、「お前はここに来るのは早すぎる、帰れ帰れ」と怒られ、金棒を振り下ろされた、と思ったら息を吹き返した。
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(ヤナリ) 1990年 福島県 話者の他家に嫁いだ姉が亡くなった晩、カラカラと窓の開く音や、階段を上がる足音がした。話者の父が亡くなったときも、一晩中家の中がガタガタとしていたという。
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ハナガサイテイルカワノドテ,ハシ,ハヤクコイトヨブコエ 1977年 福島県 一日行方不明だった男が戻ってきて、死んだ兄と一緒だったと話した。花がさいている川の土手で、せがむ兄に何本もタバコを渡し、兄の呼ぶままに川向こうへ行こうとしたが、気がつくと兄の墓の前にあぐらをかいてうずくまっていた。後で行って見ると、墓地にタバコが何本も指してあった。
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(シノヨチョウ) 1935年 北海道 話者の友人の話。北海道にいたら、おばあさんが枕元に来て「私が死んだら湯浅家を継いでくれ」という。妙な事だと思っていると、おばあさんが死んだと電報が来た。
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イキリョウ 1967年 新潟県 死の床にあった姉の亭主の生霊が親類宅を訪問していた。
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(シノヨチョウ) 1935年 話者の体験談。叔父がハワイからの帰途汽船の中で死んだ。話者と両親、祖母とが話していると「ごめん」と言ってニハグチ(入り口)の障子に触った者がいた。また、叔父の弟は銚子沖の船中で、暗夜に大時化の中を船が行くのを見た。叔父が死んだのも同じ銚子沖の時化の時だった。
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チイサナウツクシイオボウサン 1975年 愛知県 ある人が病気になった。同じように病人のいる前の家から小さな美しいお坊さんが出てきて、縁の下に入るのを、夢うつつで見ていた。翌日、前の人が見舞いに来て「俺は治ったがお前は死ぬ」と言ったが、逆にその人は死んでしまった。
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ゴロウバンバ 1966年 山形県 二人の男は道すがら、長五郎家の婆んばに会って言葉を交わした。しかしその直後、婆んばの具合が悪いと聞いて婆んばの家に行こうとする別の二人の男が現れた。その婆んばは生魂が歩くので有名な不思議な人で、その翌年死んだ。
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