エンキリエノキ 1929年 埼玉県 川越街道の岐路の庚申碑の傍に榎の大樹があり、信仰されていたが隣家の火事で根株だけになってしまった。この榎の欠片を粉にして湯茶に混ぜて飲ませると男女の悪縁が切れるといい、祈願成就のお礼の絵馬を奉納する女もいたという。
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(ゾクシン),メオトケヤキ 1935年 山梨県 日野春村長坂上條村社の諏訪神社に夫婦欅とよばれるケヤキがある。社殿の右を夫木、社殿の左を婦木といい、夫木の表皮には多数の突起が疣状についている。紙縒をこの突起に結ぶとイボが治ると言われている。
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カミサマノキ 1976年 大分県 粟島様の境内には赤い実のなる大木がある。これは年3回実り、婦人病に利くという。しかし神様の木なので、「いただきます」と挨拶をしないと腹を下したりする。
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ニチレン,サカダケ 1935年 山梨県 日蓮がこの村に来た時に、持っていた竹杖を地下に突き込んで言うには、後の世に自分の教えが世に広まったならば、この竹に根が生じるだろうと。実際教義が流布したのに合わせて、不思議に根が生じたという。しかしこの町の竹枝は逆だったので枝は下方に向かった。御嶽金櫻神社の神事にはこの竹を用いる。
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〔タテイシ〕 1967年 福島県 田の中の自然石で、立石と称する。子のない女性はこの石に抱きついて祈るとよい。また、性病治療にも効果があるという。昔、嫁入りの女がこの石のそばを通るとにわかに腹痛をおこし、赤子を産んだので、地名を産子内といい、それ以来嫁入りの女性はこの道を通らない。
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コンセイサマ,カナマロサマ 1983年 岡山県 性病や寝小便に霊験のある金精様やカナマロ様には、桐の木や瓦でできた男根を奉納する。
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ムシキリスズ 1935年 山梨県 山梨県宮本村金桜神社で授与される蟲切鈴は櫛稲田姫の伝説に基づき小児の蟲切の禁忌として行われる。この鈴を腰につけていつかこれが落ちたときには蟲が切れたといい、また蟲が起こったときにこの土鈴を大地に叩きつけると蟲が切れるという。
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フダンザクラ 1940年 三重県 白子山子安観音の境内に桜の古木がある。この桜は四季花を絶やしたことがないという。昔、寺が火災に遭ったときに桜だけが一本芽吹いていた。聖徳天皇がこれを聞いて南庭に植えるよう命じたが、一夜で枯れてしまった。天皇は不思議に思って、これを観音寺へ再び返したという。不断桜の葉は妊婦の安産守りになる。葉が裏向きであれば男の子が、表向きであれば女の子が生まれるといわれている。
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(アンザンノゾクシン、ダンジョウミワケノゾクシン) 1967年 福島県 子種山の神さまのおみだらしを飲むと安産する。この水を汲みに行くとき、途中で男にあうか女にあうかによって男女の生まれを占う。
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ヤマノカミ 1956年 茨城県 「峰の三つ股、沢の二股」といって、このような木は神の宿り木とされていた。ある人がこのような木を伐り倒そうとしたが、自分の股をはじかれて大怪我をした。傷を治すため湯治へ行ったが、その帰途、自分の家が焼けたとの知らせを受けた。
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コウジン,ヒャクショウノカミ,コドモノカミ,ウシノカミ 1983年 岡山県 金原部落では、荒神は百姓の神とも子供の神とも牛の神ともいわれ、荒神様の土を踏ませると子供が丈夫に育つとされている。また、雌牛が生まれたときには、荒神様に参り、近所を招いて祝った。
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ノロイ 1919年 徳島県 日吉神社に丑の時詣でとして深夜人知れず訪れ、皮の釘を竹柏の木に打ち、呪おうとする人の居所に向かった枝を折れば功があらわれるという。
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ジャタイノマツ 1967年 福島県 海岸に蛇体の松と呼ばれる二股の老木がある。昔、慶長の頃、与吉という百姓がおり、お松という娘があった。ある時、殿様が与吉の家で休んだ際に、お松を侍女にすると城へ連れ帰った。ところがお松は家に帰りたがって言うことを聞かないので、小船に乗せて竜神の淵に捨ててしまった。お松は海岸に泳ぎ着いたが、力尽きて女面蛇体の死体となって海岸に打ち上げられた。親たちはこれを見て悲しみ、娘の名にちなんで松を植えた。この松が大きくなったものが蛇体の松である。この松は霊験があるという。
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スギ,コモチスギ 1956年 宮城県 鹿島神社にある杉。この杉を抱えれば子が生まれ、杉に背中をつけると生まれないという。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 ウルシかぶれに関する呪的療法。ウルシにかぶれた人が、ウルシの木のところに酒をもっていって男性なら「ウルシの木の婿になる」、女性なら「嫁になる」といって酒を飲み、木に注いでくる。ウルシの木のところへ握り飯を持っていく、など。
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カユツエ,カユノキ 1983年 粥杖や粥の木というものがあり、小さき棍で女性の腰を打つと、打たれた女性は男子を産むという。
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オバケイチョウ 1936年 京都府 枝に釣瓶がかかって、人の首が上がったり下がったりすると噂される銀杏の木がある。また、女の形に見える銀杏の木もある。
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マルシテンノキ,テング 1963年 岡山県 マルシテンの木を切るとたたる。ある人はマルシテンの木を切った。すると間もなく睾丸炎となった。又ある人がマルシテンの木を切るとその母が汽車にひかれて死んだ。また子供の夜泣きがひどいので法印様に見てもらうとマルシテンの天狗の風に当ったとか、天狗様に生れるとき出会ったなどといい、するめや魚を持って参るとその日の夜からなおった、など。
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ヘビ 1973年 岩手県 中大畑集落の人家近くの桜の木の穴に蛇が棲んでいた。親蛇は穴の中で子を産んで穴から出られなくなり、子蛇が餌を運んでいた。夜になると鳴き声が聞こえたので、卵を供えたが、いつもなくなっていた。木を切ろうとした人が腹痛になったので巫女に見てもらったら「切ると殺される」と言われた。やがてその木は豪雨で倒れたが、その後には子蛇がいっぱいいたという。またこの豪雨で橋が4箇所流されたが、蛇が川を流れていくときに壊したのだろう。
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ヒイラギ 1983年 京都府 下賀茂神社の左側に柊の社という神社がある。ここに来て祈願する者は、何らかの木を植えておくのだが、その祈願が成就した時はそれらの木が柊に変わり、願いが叶わない時はそのままだという。
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