チュウドノセイレイ 1974年 群馬県 上野国平井で、ある僧が桜を見ながら忠度の歌を吟じたところ、忽然と50才位の身分の高そうな佩刀した人が現れ、歌の字の読みの清濁について尋ねて消えた。僧は忠度の精霊だろうと思い、その場所に墓を建てた。
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ケチミャクザクラ 1931年 北海道 松前城本丸に隣り合った寺の光善寺と龍雲寺があり、この2本の桜の根はつながっているといわれる。この桜には伝説があり、昔、お芳という娘が芳の山から手折って持ち帰った桜が成長したもので、一重桜に八重の花が咲いたという。ある時、この桜に血脈がかかっており、誰も取りに来るものがいないので、桜の霊魂が血脈を頂いたのだという噂がたった。
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ツエ 1925年 愛知県 宝飯郡の西漸寺に法然上人が行脚して寺に48夜留まり、桜の枝(杖)を逆さに刺したところ、この杖が桜の木になり、逆さ桜と呼んでいる。
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サクラ 1975年 愛媛県 昔、竜岡木地から奈良原神社へ行く参道には、桜の古木がすらりと並んでいた。この桜を切ると、祟りがあるといわれている。山の持ち主が桜を切って売ったところ、その人の家は没落してしまったという。
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セチエサクラ 1983年 愛媛県 伊予国和気郡山越村に、毎年正月16日に桜がある。伝えるところによると、この近くに了恩寺という寺があり、住僧が桜を愛していた。しかし1年して病に臥し、今年はもう桜をみる事ができないと木に向かって嘆いたところ、翌日にことごとく咲いたという。そこから十六日桜ともいう。
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フダンザクラ 1940年 三重県 白子山子安観音の境内に桜の古木がある。この桜は四季花を絶やしたことがないという。昔、寺が火災に遭ったときに桜だけが一本芽吹いていた。聖徳天皇がこれを聞いて南庭に植えるよう命じたが、一夜で枯れてしまった。天皇は不思議に思って、これを観音寺へ再び返したという。不断桜の葉は妊婦の安産守りになる。葉が裏向きであれば男の子が、表向きであれば女の子が生まれるといわれている。
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ナエシロサクラ 1987年 長野県 堂の山の墓にある苗代桜の枝を,邪魔だといって切った人は病気になったという。この桜は,六川長三郎勝家が神から授かって植えたものとされ,この桜が咲けば苗代を作ってよいとされた。
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ムジナ,サクラヒメ 1984年 新潟県 海潮寺にまつってあるムジナを人々は桜姫といった。本堂が傾いたことがあり、総がかりで引っ張ったがびくともしない。住職が桜姫のところへ行って頼んだらすぐに元通りになった。
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ツエ 1925年 岐阜県 郡上の上保村専龍寺に泰澄大師の杖が成長した桜がある。この桜を泰澄桜という。
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ネコ 1939年 岩手県 住職が寝ていると、飼い猫が住職の背丈を測る。猫は住職の身体が隠れる穴を掘っていて、そこに住職を殺して埋め、自分が化けて住職になろうとしていた。
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シニン,タタリ,サクラ 1989年 長野県 昔、城があった場所には何人かの武士が生き埋めにされたので、供養のために塚を作り桜を植えていた。その後、その桜の木に傷が付くと、血が流れ出たという。
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ザンネンザクラ,ムチ 1929年 栃木県 城が落城する時に、駆けつけようとした武将が、到着前に敗北の知らせを聞き、残念がって持っていたむちを捨てた。そのむちが根付いて桜の木になり、残念桜という名前で呼ばれている。
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サクラノツエ 1967年 福島県 治承4年10月、信夫庄司佐藤元治が、嗣信・忠信の2児を義経に従わせるためここまで送ってきて、子らに名を重んずべきことを説き、桜の杖を地に刺し、「わが子が君に忠であれば生きよ、さもなくば枯れよ」といったと言う。後にこの桜は繁茂し、庄司戻し桜とも言っていたが、今は枯れてなくなっている。
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テング 1969年 愛媛県 好色の住職が行方知れずになり、谷川の桜の大木の近くで首の骨を折って死んでいるのが発見された。以来桜の木の上には夜になると天狗が出ると言われ、和尚も好色が祟って天狗に投げ殺されたのだという。
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ツエ 1925年 東京都 谷中の領玄寺に、日享上人が皮付きの桜の杖を刺した。この杖は桜の木になり、会式桜と称し、毎年旧10月の会式の頃に咲いた。
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マゴタロウムシ 2002年 1000年ほど前に桜戸という管領の娘を嫁にした要之介という男が、桜戸を取り合った一角という男に殺された。桜戸は父とあだ討ちに行くが、返り討ちにあい、父は殺される。その後、桜戸は孫太郎という子を産むが、虚弱で、7歳のときに重体になった。田村神社に37日間籠もった桜戸は田村明神から「川の小石の間の百足のような虫を食せしめよ」というお告げを受け、それを実行したところ、孫太郎は回復し、その後、田村神社の前で一角を討ち取ったといわれている。
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チュウゴノツカ,タタリ 1943年 岐阜県 忠五という鉄砲の名人がいたが、悪戯が過ぎて切り殺されてしまった。切られたところに忠五の霊がたたって、塚をさわると病気になるといわれている。忠五の塚を老人たちはサンドナシと言っている。
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チザクラ 1967年 福島県 平絹谷の青滝の堤に大蛇がすみ、灌漑用水を止めてしまったので、ある若者がこれを切り殺し、死骸を池畔に埋めた。ここにある桜の木はどこを切っても血のようなものが吹き出るので血桜という。年に3回花が咲くが、その都度花の色が異なるという。
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ムジナ,サクラヒメ 1984年 新潟県 海潮寺にまつってあるムジナを人々は桜姫といった。住職が夜半に帰ってきても山門から明るくして道を見せてくれた。
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ケチヤマ,サクラ 1955年 静岡県 昔、炭焼きに大きな桜を切ったら幹から血が出たので、そこをケチ地にした。
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シンダイサクラ,ニチレン 1935年 山梨県 新富村の実相寺境内に日本武尊が自ら植えたとされる桜があるが、日蓮上人がこの地に来て、この桜が衰弱しているのを見て樹勢回復を祈願したところ、不思議にも木は繁茂したという。
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