イシバシノウエノオオニュウドウ 1956年 宮城県 江戸時代のなか頃、古川市新田中宿を流れる小川の石橋に、夜になると大入道が現れるという評判がたち、人の往来がたえてしまった。たまたま岩出山の武芸者がこれを聞き、ある夜そこに行くと大入道が現れた。切りつけると手応えがあり、それは消えてしまった。翌朝検分したら石橋が斜めに切られていた。よく調べるとその石は南北朝戦争の際討死した北朝武士の碑であった。その碑は現在子松神社の境内に祀ってあるという。
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キツネ 1971年 岐阜県 ある娘が腰元奉公をしていて殿様のお手つきとなり、刀を拝領して杉平集落に下がってきて、刀を洞に隠した。その後、キツネに憑かれた人が「刀がある」といって探したところ、この刀が出てきた。
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ヘイケノツカ,ヒカリ 1916年 福井県 昔、逃げてきた平家の侍の墓といわれる平家の塚がある。50年ほど前、村民の1人が雨の降る夜にこの塚から光が発しているのを見つけ、掘り出したら一振りの刀が出てきたという。
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ショセンベ 1957年 新潟県 平等寺のショセンベの石はその下に朱が隠されているという。石をどけてその下を掘っても、もとどおりになるという。
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ゴリンノセキトウ,ホウジュ 1980年 石川県 加賀国小松の城の北に、五輪の石塔が10基ほどあった。その中の1つの五輪塔の上にある、宝珠の形をした石は、たとえどこに持ち去ろうと、夜中に無くなって元の石塔の上に帰っているという。多くの人が試みたが、いつも同じ結果となるという。その五輪塔の由来はわからない。
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ツルギミサキ,マイケンサマ 1983年 岡山県 畑を耕していたときに出てきた刀と兜を埋め戻して塚を築き、ツルギミサキ(埋剣様)と呼んで祀っている家がある。このように、土中から出てきた刀を祀る例は多い。
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ワラウチイシ 1976年 大阪府 天下茶屋村の東方にある円山という丘の上には、兼好法師の藁打石という石があった。享和元年の四天王寺回禄の際、近村より礎石となる石を集めたところ、この石も持って行かれた。ところが、怪事が起こったので、石は元の場所に戻されたという。
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ハチノミヤ,ハチ 1988年 奈良県 三月堂の北の厨子に祀る金剛執神を蜂の宮という。平将門平定祈願をしたところ、像の石錺が蜂となり、戦場で将門を苦しめた。刺し殺したとも言う。また、祈願の間像は消えうせ、平定後またあらわれたとも言われる。
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オウマイシ 1943年 香川県 後陽成天皇の文祥年間の頃、細川国広という人が前田から小倉山に行く途中、老婆が道をさえぎった。国広が石を投げつけると老婆は飛び去り、今度は馬に化けた。馬を投げ飛ばすと大石になった。これが御馬石で、小倉山の入り口の畑の中にあり、他に移すと夜の間に元も畑に帰るといわれる石である。
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オノウ,サカサヤナギ 1990年 長野県 お濃が杖にした柳の枝が、逆さまに根付き、逆さ柳として残っている。
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イワガミ 1976年 京都府 下の石神にある岩を高松殿へ引いた。夜な夜な光るので高松殿の乳母の所縁の、今、上京の石神寺の坊主に与えた。
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ヤクシノゾウ 1967年 福島県 大平寺は以前、大平山の上にあったが、安永年中にこの地に移した。大平山の上にあった頃、盗賊が薬師像を盗み出して逃げたが、この地で脛が痛み出しついには切れて動けなくなった。ゆえにこの地を脛折という。
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ハクハツノニョニン 1961年 山梨県 高前寺の梵鐘は一名横取りの梵鐘といい、日蓮宗に信仰のある富豪が奉納したものであるが、完成した後富士川の鰍沢から身延山を目指しての下りの船で天神ヶ滝の難所を過ぎて鴨狩に近付いたときに奇石に座礁した。この巌に竜波穴と称する謎の巌谷があり、難破の彼方に白髪の女人が現れて申すには、梵鐘は近くの寺に納めて、身延山奉納は改めてみてはどうかという意味だった。それにより、高前寺に納めたため、横取りの梵鐘という。
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フドウ 1983年 京都府 真如堂の不動は安倍晴明の持尊なので返してほしいと子孫が訴え、後花園院がそのように宣下したので、不動は唐櫃に納められ禁裏に運ばれたが、開けると中には何もなく、不動は真如堂に戻っていた。元は東向きだったのが北向きになっていたという。そこで仏意を尊重し、子孫の訴えは退けられた。
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ビジョ 1977年 和歌山県 昔、ある人が、ナベ(川岸や川底の岩に出来る円形の穴)に山刀(包丁)を落とした。探すため水中に入ったら、美女が座っていて、糸巻きに糸を巻いていた。このナベは、材木が落ちても出て来ないという。
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テソウカ 1956年 宮城県 蔵王山中腹にあった不動尊像が崖から落ちていたのだが、誰も知らなかった。小原温泉近くに住むある占い師の女性がこのことになぜか気づき、探してもらったところ、像が見つかったという。
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ナナフシギ 1916年 栃木県 太平山大中寺の七不思議。杉並木の数が登りと下りでは違う。不思議な井戸。不思議な雪隠。本堂裏山で誰が打つかわからないが拍子木が打たれる。油の上を歩いてるかのように滑る油坂。火を絶やさないこと。もう一つは不明。
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リュウセンジノヘイアンブツ 1952年 鳥取県 かつて賊が龍泉寺の平安仏を盗んで屋外に出たが、いつまでも寺の周囲をぐるぐる廻るだけで、遠くには行けなかったという。
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オニ,ジゴクアナ 1936年 鳥取県 高山の焼山の亀ヶ滝の左手の岩に地獄穴という穴がある。ここに鬼が住んでいたとも平家の落武者が住んでいたともいう。皿や茶碗を貸せと言って後で来ると、穴の出口に出してあったという。ある人が誤ってこわし、返さなかったらそれからは誰にも貸さなかったという。
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セリザワノサラヤシキ 1956年 宮城県 昔,芹沢という者が武芸の腕によって禄とこの土地を賜った。それから三代後の当主の時の話。ある正月,同家の女中が主人秘蔵の錦手の皿十枚を箱に納める際,一枚を落とし毀してしまった。しばらく隠していたが遂に露見し,一刀のもとに斬り殺された。その後毎夜のように同家の水屋に女中が現れ,「一枚,二枚,三枚・・・九枚・・・おお・・・」と恨めしげに訴える。主人は自らの仕打を悔い,女中の霊を慰めるために石地蔵を刻み,自分の山の頂に建てた。また不吉の刀を地中に埋め,小祠を建てて祀ってやった。以後女中の声も聞こえなくなったという。今でもこの山を地蔵山と呼ぶ。なお旧芹沢家には別人が住んでいるが,その後は何の変事も起こらないという。
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