ビセン 1976年 岐阜県 天皇が美濃国当耆郡多度山の美泉で手と顔を洗うと、肌はなめらかになり、痛いところも治った。水を飲むと、白髪が黒くなり、はげが治り、悪い目が見えるようになった。
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ナベヤクシ 1956年 宮城県 文禄元年(1592)、征韓役に伊達政宗が岩出山城から出陣の途中、軍神の血祭に七ツ森で巻狩りを催したところ不猟で、政宗は機嫌をそこねて大森山へ登る。向こうに黒いものが見え、片倉小十郎に尋ねると、薬師如来だという。不猟の腹いせに鉄砲を打ち放つと、鍋薬師の胸が割れ、同時に政宗の鼻から血が出て止まらない。小十郎は三拝九拝して謝り、笹の葉で拭ったところ鼻血が止まる。政宗も乱暴を悔い、ふもとの周りに道をつけてお留め山にしたという。一説に、射た矢が刎ね返ってきて眼に刺さり、それで政宗は目ッコ(片目)になったとも。
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ケンムン 1977年 鹿児島県 夜、猪狩りに出かけたら目が痛くなった。ユタに見てもらうと、ケンムンの仕業であることがわかった。それで、ケンムンのついているアコウの木を厄祓いしたら快癒した。また、ある人は1月20日の節句に行った時、急に目が痛み出した。山でケンムンに悪戯したための祟られたのだった。ユタに息で吹いてもらったら快癒した。
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ドダイイシノタタリ 1974年 栃木県 ある人の孫が学校に行けなくなった。無理に連れていっても橋の上で胸が苦しいと言って倒れてしまい、家に帰ると治る。太平集落の坊さんに見てもらったら、開田の際に祖先の代の土台石をいじった本めいに当たったのだと言われた。方角が悪いので実家から通わせて、土台石に20日間お神酒を上げて祈願したら、治った。
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(ミガワリダイシ),オマモリ,シンゴン 1973年 大阪府 話者の孫が眼病にかかり、医療でも効果がなかった。それで肌につけているお守りで眼をなで一心に朝夕真言を唱えると、不思議に全快した。
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カンノンサマ 1937年 京都府 独鈷抛山の観音様をある男が狐と間違えて弓で射た。矢は観音様の眼にあたり、観音様が谷水で洗うと眼は全快した。それ以来、独鈷抛山の谷水は眼病の薬となった。
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ヤクシサン 1955年 静岡県 徳川家康が大平の薬師様に参って目が治った。もっと人里に祀ろうとしたが、吉原まで来たら動かなくなった。薬師様は大平が見えない所に行きたくなかった。
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オタヌキサン 1976年 愛媛県 25年程前、節句のときに男が酒を飲んでお宮の鳥居で小便をしたところ、ふるいが出て肌が荒れてきた。金平さんを信仰するおばあさんに拝んでもらうと、金平さんの頭に小便をかけたたたりだと言われた。
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アンバサマ 1939年 千葉県,茨城県 家に疱瘡子ができると、村の神主に頼んであんば様を祭ってもらったという。神主は赤い幣束を切り、それをサンダラボッチに刺して病人の枕元においた。そして、祭ってから12日目に『ムナガシ』と言って、サンダラボッチに刺した幣束をそのまま川へ流し、12日田へば熱が下がり、癒えると信じられていた。
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ミナモトノヨリマサ,ヌエ 1983年 源頼政の蟇目は、鵺という奇怪な物を退治したという。
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キツネ 1939年 秋田県 ある男が祭りを見に行った帰り夜も遅く、大平山の社のあたりで寒気を催し、目に見えない何者か大きな物に掴まれるような心地がした。次の日は稲荷の祭りの後片付けから戻る時に、気分が荒く募り、3日ばかり狂い続けて鎮まらなかった。それから半月、油揚げを欲しがり、飯も多く食べ、後に癒えた。大平山の社にノレキが住んでおり、それが狐を憑けたそうだ。狐憑きはノレキに頼んで離してもらうよりほかない。
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ショウヒ・コシモト 1980年 東京都 寛政4年(1792)に、江戸の村山にある家に奉公する16歳の婢は長く病気をしていた。腰痛がひどく、次第に痛みが足に移り、また瘡が多く出来たが、翌年の夏には完治した。ただ忽然とその婢は男性になってしまった。
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テン,タイショウ 1941年 新潟県 ある人が味噌を一舐めすると、その夜顔を引っ掛かれた。傷が治らないので住職に尋ねると、それはタイショウ(貂)に頼んでくれた。翌朝、住職の所に薬が置いてあり、それをつけると傷はすぐに治った。
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ユノハナ,ユタテシンジ 1956年 宮城県 神官が笹の束で湯を浴びて託宣を伝える。この湯をかぶると頭病みが治り、目に塗ると薬になるといわれる。
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ガラッパ,ガラッパドン 1982年 鹿児島県 河童を見た人が、帰って夕飯になる頃から頭が痛み出し熱が出た。法者に見てもらうと水神の祟りだといわれた。法者の指示通り河童を見た所に米や塩を供えてくると治った。
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オサキ 1975年 群馬県 昭和20年頃ある中年男性が突然苦しみ出し、御獄行者の祈祷の効果なく一晩中狂乱状態であったが翌朝突然治った。ついたオサキは村会議員選挙をめぐる争いが原因としゃべったという。
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(ゾクシン) 1981年 栃木県 上沢氏の家の前に薬師堂がある。ここの水で目を洗うと、目の悪い人は治り、普通の人は目の病気にかからないと言われていた。今では水が入っていないという。
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ケンムン,ホシ 2001年 鹿児島県 昔の人は急に目が見えなくなると、ケンムンに目を突かれたといった。目を突かれると星のようなものが入ったといって、長い間治らないと尾母のメサバチという祈祷師に治してもらった。左網を木に括って治したりした。
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キトウ 1972年 長崎県 亀浦の祈祷師・井出ヨシさんは医師に治せないおできを治せる。その方法は仏壇に祀ってある井出家の守護神にお経を供え、その後目をつぶる。目をつぶってもロウソクの火が見えるようになっているので、良かったら手を挙げる悪かったら手を下げるというように何者かに尋ねておできを治す方法を教えてもらうという。
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クナラタイシセツワ 2004年 クナラ太子は目を抉られて王国を追放された。後に無実が判明した時,人々が経を聞いて流す涙を集めて太子の眼を浸し,眼窩に入れると太子の視力は回復した。
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