ハカイシノタタリ 1981年 和歌山県 話者の娘が椎の実を拾いに行き、墓石に腰掛けて、帰ってきて熱を出した。近所のお婆さんが「玄関の敷居に座らせ、お茶とお線香を立ててイタミを逆さにして『飛んでけ』と言って3回仰ぐとよい」と教えてくれ、そうしたら治った。
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(ヤマノカミノタタリ) 1942年 高知県 ある女は、山の神の祠前で芋を掘って、足が痛み、太夫に見てもらい、まじなってもらって治ったという。
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イボイシ 1984年 長野県 石の上には祠があるが、その石のくぼみにたまった水をいぼにつけると、治ると言われている。
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(ヤマノカミノタタリ) 1942年 高知県 ある青年が山仕事から帰って以来、足が激しく痛むので、太夫にみてもらうと、山の神の木を切った祟りだと言われた。お詫びとして、柏と榊の木をもって行き、枝にお礼をつけ、根元に白餅12個を埋めて、最下部の枝を東に向けて埋めるまじないを実行したら、たちまち治った。
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ブッチョウノタタリ 1993年 三重県 話者の息子が小さかったころに重い病になり、治らなかった。村内の拝む人に見てもらったところ、神棚の仏ちょう(お札)がたたっていると言われ、それを取り除いたら治った。
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モンジンサマ 2002年 山口県 30年余り前、不動講員の子供の腹部が急にふくれ、張ってきた。診療所へ行っても病名がわからず、薬も効かない。症状は日増しに悪化した。一方その頃、不動講員の初代講元に「モンジンサマへ行くように」という託宣が下った。モンジンサマへ参ると「Y.Mの家を訪ねろ」という託宣があったので、当家へ赴いたら子供が重篤であるという。祈祷を試みたが症状は悪化した。仕方なく紙縒りで子供に水を口に含ませると、腕の血管がはっきりと脈打ち始めた。Y.Mは「カミサマのおかげだ」と感謝し、講元の指示に従い一週間ほど水垢離をとった。やがて水垢離を終える頃には子供も快方に向かった。
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ミサキガミ 1992年 宮崎県 ある人の妻が大病を患ったので、文化年間に活躍した修験の金剛院が加持したところ、原因は病家が御崎神の通路をふさいでいたことだとわかった。転宅させたら、病は癒えた。
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(ヤマノカミノタタリ) 1942年 高知県 息子が、山の神のお怒りを受けて患い、お詫びに松と杉を山の神の前に植え、根元に五穀を埋めるまじないをして治ったという。
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タメニオチタコノタマシイ,(トイギキ),(ホトケオロシ) 1984年 新潟県 70歳になったお婆さんが気がおかしくなり医者に診せても治らなかった。嫁が「沢根の不動さん」へ連れて行くと、近所でタメに落ちて死んでしまったが、あまり供養してもらえず、迷っている子の魂があり、畑仕事でしゃがんでいるときにおぶさったものだ、といわれた。また、情けをかけるといつまでも憑いているといい聞かされた。お婆さんは小さな地蔵を一つ作って大日さんにあげ、お前は坐るべきところに坐って、家のものに供養してもらえといって祈った。それからお婆さんは回復した。
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テングノオヤシキ 1972年 岐阜県 ある人が、炭焼きのために山に入った。木の葉で固まっているような球があったので、棒でつついてみた。すると急に辺りが暗くなり、雷雨になってその日は帰れなかった。翌日に家に帰ったが、病気になってしまった。祈祷してもらったところ、天狗のお屋敷をつついたと言われたので、呪文で治してもらったという。
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リュウトウカンノン,ゴシンスイ 1976年 愛知県 奥田字日沢の地、1アール程の林に囲まれた静かな田んぼのほとりに粗末な社と小屋があってのぼりが多くたっている。その小屋に竜頭観音の額と由来をしるしたものがある。神代国造りの時、美津波能女之命が竜に乗って天より下り少彦名命の病気を治した。その場所に水が湧き、後に病で苦しむ人皇20代允恭天にもその御神水は効果があり病気が全快された。今も万病に効くが特に婦人病によいとされ水を瓶につめて持ち帰る信者が多い。
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セキババサン 1992年 島根県 田の畦に咳婆さんという自然石が祀られている。咳がついたときに参ると治るといい、盆や正月にも参る。以前、大水が出たとき、水に浸からぬようにと咳婆さまを動かした人が病気になった。恐ろしい婆さまでもあるという。
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バンバアイシノタタリ 1991年 神奈川県 ばんばあ石を敷石にしたところ、家族全員に祟った。行者の言う通り、八幡様に納めると病気は治った。ばんばあ石が雨乞いのために沈んでいる間、じんじい石が淋しがるので、めかけ石をそばに置いたといわれる。
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ジガミノタタリ 1984年 新潟県 ある家の主人が風邪を引いたようになって寝込んだが、そのうちに口が利けなくなり、耳も痛くなってきた。入院したが、病名がわからない。「八海山」が神さまにうかがったところ、「地神さんの祟り」ということがわかった。その家の地神は屋敷の藤の木の根元にあり、毎日お椀1ぱいの飯を上げていたが本尊のムジナの眷属が多くなってそれでは足りなくなったという理由であった。早速たくさんの供え物をしてまつったところ、主人は急に回復した。
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ヤクジン 1976年 東京都 天保8年2月下旬、次女の乳母が日暮れに急に寒気立ち、夜着を被って打ち伏せていたところ、翌朝になり、昨夜より風呂敷包みを背負った男が側にいると言った。これは疫神かと、種々の札を枕元に掛けたところ、男は立ち去ったといって全快した。ところが上野の祭礼に主人とせがれとで行ったところ、急に歯が痛くなり、家に帰ると治った。すると乳母が再び寒気を訴えた。そこで刀を抜き乳母を峰打ちにしたところ、男がすぐに立ち去るので、障子を開けて欲しいと言った。障子をあけると乳母はそこで倒れたが、そのまま起き上がり正気となった。早く塩をまいて箒で掃き清めよ、と言った。
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(シノヨチョウ) 1978年 石川県 ある乞食が、村一番の金持ちに宿を請うたが断られてお宮に行った。隣の神様が「お産があるので行かないか」と言ってきたが、乞食は「ここでお産があるので終わったら行く」と言った。子どもが産まれたので占うと、「大工になる、二十歳で死ぬ」と判った。子供は大きくなって大工になった。二十歳になったとき、「厄年だから一年遊べ」と言ったが、川でカンナを研いでいるときにアブを払おうとして刃でのど元を切って死んでしまった。
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フナキギレ 2002年 鹿児島県 担い売りをしていた繁の父の体験談。鹿児島県大島郡天城町(西村)で宿泊した家の子供が何ヶ月も病んでいた。舟木切れを踏み台にしていたので,それを清めて海に流すと子供の病気はすぐに治った。
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ジゾウサン,ネツビョウ,ジビョウ,(ゾクシン) 1961年 愛媛県 水難除けの地蔵が河ヶ平にあり、もし子供が水死したときにはその子を遊ばせてくれるという。また、熱病の時には自分の年の数ほどの川石と三角形の握り飯を供えると治るといわれている。耳病の時には土器に穴をあけて糸を通したものか、竹皮の草履2足か、紅白の前垂れかけを供えるといいという。
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(ゾクシン) 1979年 静岡県 鮎釣にある地蔵は、病気をしたときに地蔵の石を1つ借り、悪いところを石で撫でると治るという。治ったら、年の数だけの石を河原から拾ってきて、借りてきた石とともに地蔵のところに置く。
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コウボウダイシ 1980年 ある酒好きの男が去年から酒を飲まなかったものの、ついに手足が不自由となった。多くの医者に診せても治らなかった。ある日駕籠に乗っていたとき、いやしき僧に出会う。その僧に事情を話すと、僧は男に薬と飲み方を教えた。その薬を数日飲んでいると平癒した。男は日頃弘法大師を信じていたので、示現したのかと思った。
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