ヒダルガミ,ヒダルボウ,ガキ 1936年 兵庫県 空腹の状態で六甲山を歩いていると、餓鬼にとり憑かれて両手を震わせながら座り込まされてしまう。ひだる神、ひだるぼうともいわれ、冬に雪の上で汗をたらたらかいて動けなくなった人もいる。生卵を飲ませるとすぐ気がつく。山では米を1粒放るか、ご飯を1粒でも食べて「あーうまかった」と言へばすぐに治るという。
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モチ,ナゲ 1995年 福島県 一月と七月の十六日には、狩人による「オトキ祭」がある。天照大神に上げた御餅を山へ持っていくと、ナゲ(雪崩)に巻き込まれない。
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オンナ 1991年 秋田県 ある年の冬の初め、若いマタギが7人で山に入った。その夜から吹雪になった。2日目の暮れ方に女が小屋にやって来て泊めてくれといった。その晩女は6人の男の魂を吸い取ったが、最後の1人は起きていたので山刀を突き立て命が助かった。
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ヤマノカミ 1983年 山梨県 1月21日は、山の神が狩りをしてやぶの中をとび歩いたときに落としたオカンムリをこの日にみつける。そのため弁当やお供え餅を持って山へ行って、オカンムリ拾いを手伝うが、朝に行くと山の神に会って蹴倒されるので午後から行く。
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ヤマノカミサン 1958年 香川県 月の九日は山へ入ってはいけない。この日は山の神さんのオセチビで、山の神さんがお膳だてをしている。
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ダラシ 1934年 長崎県 ある人が、急用のため、十分にご飯を食べずに峠のところで、急に体がだるくなり、どうにも動けなくなった。連れの者に肩を借りて歩いていると、高野豆腐が一つ落ちていた。それを拾って食べると、けろりと元に戻った。だらしにつけられたのである。
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オテングサン 1974年 山梨県 五人兄弟の末子がふとしたことで山に入り、一週間も帰ってこなかった。一週間目の夜素足で下りてきた。山にいるときおてんごうさんが腹が減ったか聞くので、減ったというとみみずをさしだしたという。その後その人は出家して僧になった。
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ジキトリ,ツキガミ 1985年 愛媛県 旅をする時、特に峠を越える時はジキトリにつかれて空腹で倒れるので、旅立には必ず豆ご飯を食して立てと語られている。
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ヒダルカミ 1932年 兵庫県 山野で弁当を食べる時はその一部を側においてひだる神に供する。これを与えないととりつかれる。また空腹時に山へ入ると必ずとりつかれる。最近憑かれた人を見たが、何も言わずに米を8合余りと生の塩鮭を食べていた。
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ダル 1957年 和歌山県 スエクニは昔旅人が餓死したところで、その霊を山のウネに祀っているがそこを通ると急に腹が減り動けなくなることがあった。そんな時は米を一粒でも拾って食べればよい。
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タリ 1960年 三重県 山の中で急に腹が減って動けなくなる。これをタリに憑かれたという。飯粒1粒でも食べれば治る。山中で死んだ人の霊が、友達を作ろうとして憑く。
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ヤマノカミ 1982年 山形県 山の神は女の神で三人の娘がいたが、亡くなるときに、娘たちに日頃食べさせたことのないおずけ(味噌汁)をかけたマンマを食べさせないでくれ、すぐに腹がすくからといったので、今も山に入るときにはおずけをかけてマンマを食べるな、そうすると怪我をするという。おつゆをかけて食べたい場合は、汁椀の方へ飯を入れて食べればよい。
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ヤマノカミ 1959年 大分県 盆と正月の16日は山の神が祭りを行なっているので、午前中に山へ入ってはいけない。午後は入っても良いが、もし山の中で味噌汁の香りを鼻にすると、その人は1年以内に死ぬ。
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(ゾクシン) 1938年 岡山県 旧暦正月9日には山の神が山の木を数えるので、午前中は山へ行かないという。もし山へ行くと、その中に数え込まれるという。木樵や炭焼きは、この日にご馳走を作るという。
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ヨブコエ 1967年 新潟県 山に仕事に入っているとき、一人が自分の分けぶちを仏様に供えた。仲間は縁起悪いと怒った。夜に稜線の方から呼び声がしたので行くとまもなく、バカナデ(雪崩)が来てその男以外はみんな死んでしまった。二月十八日のことである。
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ガキボトケ 1964年 滋賀県 山などで急に腹が減ることをガキ仏に憑かれたという。山で弁当を開くときには「ガキにあげます」と言って少しとっておく。とりつかれた時には残したものをあげればいい。
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ジキトリ,ヒダルガミ,ガキボトケ 1985年 愛媛県 高い山に登ったときに、空腹で動けなくなることがある。これをジキトリ、ガキボトケ、ヒダルガミに憑かれたという。その時は弁当箱のすみに残っている米粒を食べれば治る。ないときは掌に米という字を書いてなめるとよい。
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カッパ 1989年 長野県 12月1日の朝、熱湯でそば粉をかいて5個か7個丸め、少し水を入れたコビシャクにそれを入れて使い川へ持っていく。そしてかっぱの神様に供えて後ろを見ないで家に入った。
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オニ 1933年 沖縄県 12月8日に兄妹が山に入ったが2人ははぐれてしまった。妹が餅を食べていると鬼が現れて餅が欲しいと言った。餅を与えて暫くすると鬼は妹の陰部を見てそれは何かと尋ねた。妹が鬼を食う口だと答えたら鬼は驚き井戸に落ちて死んだ。
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タイシサマ 1934年 長野県 太子様という方が11月24日に粥が食いたかったが、煮る薪が無いので、村で盗んだ。その足跡を隠すために、雪が降ったのが元で、この日は必ず雪が降る。
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