ヒダルボウ 1936年 兵庫県 西宮市外の鷲林寺の奥にある小暗峠を越えるとき、峠の上にある休憩場所の傍を流れる谷川の水を飲むと必ずひだるぼうがとりついて歩けなくなるが、弁当を食べれば治るという。昔、信長に敗れた武田信玄がこのあたりに隠れていたが、食べるものがなくなって餓死し、その亡念がひだるぼうになったという。「ままよんでくれ」と言うひだるぼうもいるらしい。
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ヤマノカミ 1942年 高知県 正月20日の山の神の日は、朝空腹を訴えると、山の神のおふるまいにあうといい、1年中ひだるい思いをしなければならないといって、ひだるいという言葉を口にするのを禁じている。
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ヒダルガミ 1926年 奈良県 ひだる神は四辻になっているところにいる。疲れると冷汗をかいて倒れてしまう。
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ヒダルガミ 1992年 ひだる神に憑かれると厄介である。飢えて死に、無縁となった人の霊が憑いているという。この霊のために盆には無縁仏供養をする。ひだる神も、弱い神なので力尽きた魂が集まってこの神になったのかもしれない。
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ヒダルカミ 1948年 和歌山県 ダル神(ヒダル神)とは飢えて死んだ人の亡魂が憑くことで、急に腹がすいて動けなくなる。このような時は米粒を1つでも食べるとよい。米粒がないときは、指で掌に「米」の字を書き、舐めるだけでも良いという。
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マノモノ 1936年 兵庫県 山道を歩いているとき髪を締められるような思いをしたら、魔の物ににらまれている。そのときは米を1粒放るとよい。
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ダル 1985年 和歌山県 弁当の飯はすべて食べてしまわず、1粒でも残して置けという。昔、飢きんがあった時に死んだ人の亡霊がダルになって人に憑く。その時に残していた1粒を食べるといいという。
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タリ 1960年 三重県 山の中で急に腹が減って動けなくなる。これをタリに憑かれたという。飯粒1粒でも食べれば治る。山中で死んだ人の霊が、友達を作ろうとして憑く。
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ダリ 1981年 和歌山県 ダリに憑かれたときは、米を食べたり、手に米と書いて飲む真似をしたり、米を3粒でも投げたりすれば助かる。
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ジキトリ,ヒダルガミ,ガキボトケ 1985年 愛媛県 高い山に登ったときに、空腹で動けなくなることがある。これをジキトリ、ガキボトケ、ヒダルガミに憑かれたという。その時は弁当箱のすみに残っている米粒を食べれば治る。ないときは掌に米という字を書いてなめるとよい。
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ヒダルカミ 1932年 兵庫県 山野で弁当を食べる時はその一部を側においてひだる神に供する。これを与えないととりつかれる。また空腹時に山へ入ると必ずとりつかれる。最近憑かれた人を見たが、何も言わずに米を8合余りと生の塩鮭を食べていた。
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ダルガミ,ダル,ダニ,ヒダルガミ 1948年 和歌山県 ダル神につかれるのは険しくて迷いそうな道で、飢えて死んだ人の霊がつくことである。急に腹がへって動けなくなるが、米粒ひとつでも食べれば助かる。米粒がないときには、手のひらに米という字を書いてなめるだけでもよい。
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ヒダルボウ,オニ 1972年 兵庫県 有馬へ湯治に行く途中、座頭が死んだ。座頭谷を通ると、ひだるぼうが付く。昔、六甲山に鬼がいて、死人は置いて行けと言うので、背に負い、生きているように話しかけながら山を越した。
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ダル 1985年 和歌山県 ダルに憑かれ、足がだるくなって動けなくなった。家に人を呼びに行ってもらい、父と弟が持ってきたお粥を食べたら治った。ダルはひだるくなって死んだ人の霊で、無縁仏があるようなところで人に憑くと言う。
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ガキ 1984年 新潟県 餓鬼に憑かれて空腹になったら、なんでもいいから3口かむと治るという。
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ダレ 1974年 奈良県 ダレにつかれると体がだるくなり、腹が減って動けなくなる。米一粒でも食べると治る。腹の上に米という字を書いてもよい。
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ダリサン 1974年 和歌山県 ダリさんに憑かれると、歩けなくなってしまう。憑かれたら、手のひらに米という字を書いたり、それを食べる真似をすれば治るという。ダニは行き倒れの人の霊が腹を減らせて側を通る人間に憑くのだという。憑かれたら米を3粒あげるとよい。
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キツネ 1990年 福島県 狐が憑くと体を震わせて狐のように歩くようになる。どんなに止めようとしても止まらない。それが治ると、憑かれた人は1~2日、寝込んだ。
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フダルガミ 1976年 徳島県 山中で不意にひもじくなって倒れると、フダルガミに行き逢ったという。こんなときには弁当の中の米粒を2、3粒投げると治るという。またじっとして念仏を唱えていると良いとも言う。
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ゴクサマ 1973年 富山県 ゴクサマは米の一粒一粒に宿る仏様である。一粒も無駄にせず、食後は湯で回して飲まないとゴクサマが泣かれる。
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ガキアナ 1926年 和歌山県 餓鬼穴という深い穴があり、旅僧がこの穴を覗いたところ、にわかにひだるくなって飢えを起こした。
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