ブナガヤ 1985年 沖縄県 薪を取りに行ったら、ブナガヤを見た。髪は真っ赤で顔も赤く、3・4・5歳くらいの子供と同じくらいだった。山の神だと思ってお祈りをし、薪を取ることができるようにお願いしたら、消えていなくなった。
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ヘビ,カニ 1976年 京都府 昔、綺田に美しい女がいた。ある時、村人が蟹を食べようと沢山取っていたのを、女は魚と交換して助けてやった。次の日、女の父が蛇が蟇を呑んでいるところを見つけ、蟇を逃がしたら娘をやると言った。蛇はすぐに蟇を放して去った。その夜、どこからか男が現れ、昼の約束の通り来たという。まだ娘に話していないというと去った。娘はそのことを聞いて仏前で読経をはじめた。蛇が現れ閨に入った。村人が戸を開いて中を見ると、女は無事で、蛇が数万の蟹に挟まれて死んでいた。村人はその所に寺を建立し蟹満寺と号した。
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テング 1933年 長野県 ある日、婆が山で薪をとっていたら、天狗が現れ手紙を頼まれた。天狗の言うとおり目を瞑ると、体が浮き上がるようになり、目を開けると別の天狗がいた。手紙を渡してから同じようにして戻った。手紙を渡したお礼に天狗は村の火事から婆の家を守ってくれた。
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ベンザイテン,ヘビ 1935年 昔、ある弁才天の神官の家にひとりの娘がいた。近所の百姓が多忙の時期には娘の手を借りることもあった。ある時百姓が養蚕のために手が不足したのでその娘を頼みにいくと、神官の家に出産があり手がいるので娘を借りることができなかった。しかし百姓が家に帰るとその娘が来ており、都合がついたという。それから娘は毎日その百姓の手伝いをした。仕事に区切りがついたので、娘を返すため神官の家まで送ると、娘はお参りをさせてくださいと言って神社に入ったきり帰ってこない。神官の家を訪れると娘はちゃんといて、手伝いには行っていないという。そこで百姓と神官が弁才天の前まで行くとその娘そっくりの頭を持った蛇がいた。神官が礼を述べると蛇は姿を消した。
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オゾキモノ 1976年 兵庫県 但馬国氷の山の麓の鵜縄村の女が童2人を連れて草籠を負って谷筋に入ったら、橋の下に長さ7尺程のものがいた。恐ろしくなり逃げ帰ったが、そのことを聞いた村人が獲物を手に向かったところ、とてもおとなしいものであった。よく観察すると角が1つ生え、手足があり、体は木の葉の色に金の光を帯び、写し絵の青竜のようであった。撫でてやると喜んでいた。
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テング 1937年 福井県 ある男が薪を拾いに行ったまま数日間帰らないことがあり、家族が帰してもらいに行くと戻ってきた。天狗に好かれたこの男は年に数回このようなことがあり、毎回帰ってくると、行ってきた土地の話を詳細に話してくれた。
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テング,グヒンサマ 1947年 山梨県 山で炭を焼いていると沢から魚釣りが来て声をかけた。鴉が廻りをぐるぐる飛んでいた。姿を確認しようと顔を上げたら消えていたのでちかくの人かと思ったが用事で出かけていた。天狗の仕業だという。
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オニ 1988年 奈良県 六兵衛という漁師が網の材料を取りに来て、大台ケ原の大蛇嵓で夜、焚火をしていると、40歳くらいの女が来て、六兵衛の飯を食い酒を飲み始めた。そこに女が来て睨み合いになり、天地鳴動して六兵衛は気絶した。気がつくと後からきた女と巨身白髪髭の老人がいた。先の女は鬼で、大台ケ原の神である女が助けに来たが、力が足りずに弥山大神である老人の力を借りたのだった。
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キツネ 1977年 和歌山県 昔、ある人が田辺まで行って魚を買って帰ってきたが、途中の峠で狐に憑かれて帰ってくることができずに尾根まで登ってしまった。村ではその人が帰ってこないので皆で探していたところ、峠から迷い歩いたところに点々と魚が落ちていたので見つけることができたという。
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オオカミ 1940年 石川県 山へ薪刈りに行って飯を食べていると、狼の子が出てきたので、飯を少し分け与えた。晩になって下山していたところ、親の狼が送りに出てきた。次の朝山へ行ったら、昨日切った薪が一荷になっていた。このようなことが続いたという。
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シラガノハナノタカイロウジン,カミカクシ 1928年 愛知県 ある男が神隠しにあい、幾日かして、大きな木の根株を背負って帰ってきた。白髪で鼻の高い老人に連れられて各地を巡り、別れ際にこれを背負って帰るように言われたとのことであった。この株は燃料にされたがなかなか使い切れないで、5、6年前まではあったという。
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マモノ,マドー,ウジガミサマ 1943年 高知県 昔、深山に入った杣が、日が暮れたので小屋に泊まった。すると、夜遅くに赤子を背負った綺麗な嫁さんが小屋にきた。赤子が斧を食いたといっているというので斧を渡すとバリバリ食べた。今度は自分かと思っていたら、白髭のお爺さんがやってきて、気付くと里の家の前に立っていた。氏神様が魔ドーに食われるところを連れ帰ってくれたのだという。
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カニ 1941年 秋田県 ある日、爺様が子供たちから蟹を助けた。それから沢へ行くと美しい女がいて、仲良く話をするようになったが、婆様の嫉妬で、その女は蟹に戻った後、殺されて、鋏は屋根に、甲羅は畑に捨てられた。
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ヤマジイ,ヤマンバ 1942年 高知県 高岡郡別府村澤渡のヤマヂイ(山爺)の話。昔、ある猟師が火にあたっていると、山爺が現れて餅がないか尋ねた。猟師は明日持ってくると言い、次の日、岩を火の下で焼いていた。山爺が現れ、大きな音の出し合いをした。山爺が叫ぶと岩や木が揺れ動いた。猟師は銃を撃って音を出した。山爺が餅を請うたので猟師は焼けた岩と燈油を口に入れた。山爺はひっくり返り帰って行った。追っていくと岩屋がありヤマンバが居て、山爺は蜘蛛になって仕返しをすると言う。翌日猟師は家に出た蜘蛛を火にくべてしまった。
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ダイジャ 1955年 青森県 ある娘が畑に行く途中で若い男に出会う。「待ってる」というので帰りによると大蛇がとぐろを巻いていた。家に逃げ帰り長持ちに隠れると、大蛇が追いかけてきて長持ちの上に載った。そこへ娘に飼われている大蟹が出てきて、大蛇をずたずたに鋏み切ってしまった。
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ダイジャ 1943年 香川県 昔字黒羽に一匹の大蛇が住んでいて、田畑を荒らし、人々は心を悩ませていた。ある時、大蛇の前に女人が現れ、その大蛇をめがけて小刀を投げつけると、大蛇は死んだ。女人もかきけすように消えた。女人は毘沙門天の出現であったので、村の人々は塚をたてまつった。
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タコ 2002年 山口県 昔、甚平という漁師が住んでいた。魚を捕ることが巧みで近隣の者は皆知っていた。ある日甚平が岩の近くで魚釣りをしていると、急に船が傾いた。見れば大きな蛸の足が船縁を掴んでいた。甚平はその足を包丁で切って持って帰った。その味を覚えた甚平が翌日も岩へ行ったところ、その日も蛸が現れた。こうした日が5日続き、8本の足が3本にまで減った日に、甚平はこの蛸を捕ってやろうと包丁の代わりに縄を持っていった。それきり甚平は帰らず、主のいない船が夕方に浦へ流れ着いた。村人達はきっと蛸に食われたのだろうと噂した。それ以来その岩を甚平岩と呼ぶようになった。
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ヤマフ 2000年 福島県 村民2人が奥山に入ったまま帰れなくなった。大木の洞に入って火を焼いていたら、唇口が長く丈が6尺程ある山婦が現れた。山婦は火で沢蟹を焙って食べた。山婦は猿が老いたものだという。
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ヤマノカミ 1976年 新潟県 夫が炭焼きに山に入って帰らないので妻が心配して見に行くと、山中で女の人が夫を見守っている。妻が声をかけたら女は消え、夫は谷底に落ちてしまった。山の神は女で、山仕事の人を見守っている。
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テング 1931年 山梨県 おえいという婆が急に見えなくなった。村中の人が3日探し回ったがさっぱりわからなかった。そしておえい婆は高さ何尺もある一枚岩の上で見つかった。婆を助け出して聞くと、鼻の高い顔の赤い人に連れられてきたという。
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