ヒヒ 1955年 静岡県 ある人が猪狩りに行ったら、猟犬がそばから離れない。変だと思って見わたすと、向こうの岩の上に白髪の婆がいて、アーアー言って髪を撫でていた。ひひというものだそうだ。ヒヒはは猿の年を経たやつだという。
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テンニョヅカ 1956年 宮城県 津の宮の社家、作兵衛の四代前の先祖某が竹島に天女の群が舞っているのを見つけ、逃げ遅れた天女を家に連れ帰った。天女は豆柿を少し食べただけで6,7日して死に、連れていた子犬も死ぬ。葬ったところを天女塚といい、子犬の墓を狗塚という。
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ヒヒ 1966年 静岡県 見附の天神様では、毎年若い娘を一人ずつヒヒに人身御供にしていたので、しっぺ太郎という犬に頼んで退治してもらった。しっぺ太郎はヒヒを追って行って、熊村の観音山で退治したので、観音山にはヒヒを祀っている。
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ダイジャ 1936年 香川県 小豆島の三都村にムク犬を連れた狩人が居た。ある日、村はずれの白濱岬の山道にさしかかったあたりで、繁みの中から大蛇が現れて狩人に襲い掛かった。そのとき、ムク犬が飛び出して大蛇に向かっていった。にもかかわらず、狩人は恐れおののき、村に逃げ帰ってしまった。村の若者を連れて戻ったときには、犬は絞め殺されてしまったていたという。狩人は犬塚を建てて犬を弔ったという。
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ムラヲスクッテクレタオオカミ 1987年 長野県 昔,大屋のこの村は信濃十六牧の一つで,毎年三歳馬を一定数朝廷に送っていた。ある年子馬が全て狼の餌食となり,怒った村人は山のいたる所に罠を仕掛けた。狼の子が一匹罠にかかったので,夜,狼の群れが村を襲ってきて一晩中吠え続けた。村長がやぐらの上から「狼たちよ,お前達も子が捕らえられれば一晩中吠えるではないか。馬の身になってみよ。ましてこの村は馬を飼わねば生きていけないのだ。これからは野山で鳥や獣を取ることをやめるから村を襲うのはやめてくれ」と叫び,狼の子を放すと狼は帰っていった。以後狼を神様として祀り,安心して馬を飼うことができるようになった。
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カイブツ,ヒヒ 2004年 静岡県 磐田市の見付天神の話であるが、毎年、祭りが近づくと白羽の矢が飛んできてそれが突きささった家では娘を人身御供として差し出さなければならない掟であった。白い柩に入れられた娘は得体の知れない怪物に食べられてしまう。延暦年間8月に、旅の僧侶が、怪物の「信濃のシッペイタロウ(悉平太郎)に知らせるな」との言葉を聞き、信濃の赤穂村(現在の駒ヶ根市)の光前寺の犬、シッペイタロウを見つけ出す。シッペイタロウは怪物と戦い、退治した。この怪物の正体は年老いた狒々であったという。磐田ではシッペイタロウだが、駒ヶ根ではハヤタロウ(早太郎)、シップウタロウ(疾風太郎)といい、光前寺境内に犬の墓がある。
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ダイジャ 1931年 長野県 昔、大蛇が住んでいて、毎年ひとりの娘をやらなければならなかった。ある年に、武者修業者が訪れ、大蛇を退治してくれた。村の人々は後の祟りを恐れてお宮を建てた。
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オシドリ 2002年 栃木県 大町に六面に六地蔵を彫った五重の石塔があり、鴛鴦塚という。昔この辺りに猟師がいて、求食川上流の求食沼で、雄の鴛鴦を射止めて首を切り、体だけを持ち帰った。翌日同所で雌鳥を射止めると、その翼の下に雄鳥の首を抱いていた。之を見た猟師は発心し、本宮寺に入り、求食川の河畔に草堂を結び、鴛鴦夫婦の塚を設け、冥福を祈ったという。
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ヤマイヌ,バケモノ,タヌキ 1990年 長野県 伊那にある寺の縁の下に山犬が子を5匹生んだ。和尚はこれを大事に育て、そのお礼に1匹を貰って早太郎と名付けた。そこから遠方に天神宮があった。そこの祭りでは、毎年娘を天神様に差し出さなければならない決まりがあった。3匹の化け物が毎年差し出された娘を喰らっていたのだが、これを知った神主は早太郎を探し出し、化け物退治を依頼した。化け物はこうのついたたぬきであった。早太郎は3匹の化け物を倒したが、自らも死んでしまった。死後、早太郎は和尚の寺に祀られたという。
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ヤマイヌ 1959年 長野県 犬と共に猟をしていると、夜中になって犬が大きな声で鳴く。うるさいので斬ってしまうと、その頭が猟師の頭上にいたうわばみに食いついて、猟師を救ってくれた。猟師は感謝して、石碑を建ててその首を祀った。
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タヌキ 1991年 愛媛県 狸が悪さをするので猟師が犬を連れて山へ捕まえに行ったら、お殿さまの行列が通りかかった。早く行かなければ逃げられると思ったが、仕方がないので道の端で控えていた。そのあと狸穴へ行ってみたら、もう一匹もいなかった。狸が侍行列に化けていた。
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イヌ,ダイジャ 1989年 長野県 猟師が犬を連れ、奥山へ狩りに行った。岩の下で休んでいるときに眠たくなったが、連れてきた犬があまり吠えるので、山刀で首をはねた。すると犬の首はそのまま飛び上がって、岩の上で鎌首をもたげていた大蛇に食いついた。猟師は犬斬山の神として犬を祀ったという。
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イヌ,ダイジャ 1989年 長野県 猟師が犬を連れ、奥山へ狩りに行った。岩の下で休んでいるときに眠たくなったが、連れてきた犬があまり吠えるので、山刀で首をはねた。すると犬の首はそのまま飛び上がって、岩の上で鎌首をもたげていた大蛇に食いついた。猟師は犬斬山の神として犬を祀ったという。
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クマ 1992年 宮崎県 熊の捕獲は七代祟るといい、1頭でも獲ると恐れて熊塚を建てて供養した。
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ダイジャ,ウワバミ 1963年 千葉県 猟犬が吠えて眠りを妨げるので、その首を切った。首は飛んでうわばみに噛みついた。大蛇に狙われていた命を犬に助けられたこの男は、うわばみ(毒蛇)を倒した。忠犬の体を埋めたところを犬塚とよぶ。
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タヌキ 1928年 山形県 祭りのときに、金持ちの娘を人身御供に上げる村があった。あるとき六部がこの村の社に入ると、6尺もある大入道が「丹波の国の和犬(メツケイヌ)に、ちっともこの事知らせるな」と言った後に生贄を食べるところを見た。六部は丹波の国から白い犬を連れてきて大入道にけしかけた。大入道との戦いで犬は死んでしまったが、血痕の先にあった洞穴には半死の老狸が横たわっていた。
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ムラヲスクッテクレタオオカミ 1987年 長野県 ある年,娘が悪者に襲われそうになった時,山から狼が現れてその悪者をかみ殺した。このようなことがあったので,村人達はますます狼を犬神様として崇めた。
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オオカミ,オオキナイヌ 1976年 大分県 昔、東林庵の墓に狼が出た。墓を掘ったり人を襲ったりするので、村人が弓矢で退治しようとしたができなかった。村の年寄りが東林庵にこもって百万遍を唱えていると、どこからともなく大きな犬が現れて、狼を3匹食い殺してくれたという。
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アマノマヒトツノカミ 1947年 島根県 昔、天目一箇神がなぶれてきたが、人相が悪かったので犬が吠え掛かった。この際、天目一箇神が蜜柑の木に登って助かったため、祭りのときに蜜柑を備えるのだという。
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フルムジナ 1934年 兵庫県 昔は人身御供があった。霜月の初めに、美しい娘の家に怪しい装束が立てられる。その娘を潔斎させ、白木の箱に入れ、川を渡って岩の上に置かなくてはならない。御供になった長者の娘を愛犬が追い、山中で激しく格闘した。翌日愛犬と狢が死んでおり、娘は無事だった。
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