(タイドク),(ヨナキ) 1980年 鹿児島県 薩摩では、生まれて2・3日あるいは4・5日の子供が、理由なく泣くことがある。一旦こうなると、一昼夜や3日ほど泣き続けて、皆死んでしまうと言う。これは胎毒の可能性があるという。薩摩以外の土地では見られない現象だという。
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ヨナキノマジナイ,(ゾクシン) 1960年 愛媛県 乳児が夜泣きをしたら、「天竺の猿沢の池の子狐は、昼は泣ことも夜は泣くな」と言うといわれている。
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エンキ 1975年 ある夫婦に初めて子ができたが、産後の肥立ちが悪く妻が死んでしまう。妻は死ぬ間際に乳母を雇い、家で養育してくれと頼んでいたが、夫は貧乏故に子を里親に出す。しかし里親はその子を送り返すので理由を聞くと、この子が泣くと家の外で女の声がして、その子の名前を呼ぶという。夫は悟って深く悲しみ、自分の家に引き取って養うと、そうした事は無くなったという。
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タタリモッケ 1956年 死んだ嬰児の霊がタタリモッケになり、梟(フクロ)にやどって泣くという。
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キツネ 1981年 和歌山県 子どもの夜泣きや女の奇妙な行動はキツネが憑いたからだとされ、オガミサンに祓ってもらった。
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オブゴ 1977年 埼玉県 夜遅く歩くと、生まれたての赤ん坊が泣く声がオウェーと聞こえる。足の運び方に合わせて泣き、恐くて早足で歩くと鳴き声もそれに合わせてついてくる。これをオブゴと呼び、赤ん坊はすでに亡くなっている子どもである。オブゴに憑かれた場合は、ポケットのゴミなどを投げてやれば、姿は見えなくてもピタッと鳴き声が止む。
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(ツギノコガナガクウマレナイヨウニスルゾクシン) 1967年 福島県 次の子が生まれることをおとみというが、取り上げ婆に赤子をとりあげてもらうとき、へその緒をのよしを箸の長さに2本揃えて、へその出血の血をはしにつけ、だれも知らないうちに、台所の流しの方の屋根裏へ、出来るだけ離してさしておくと、おとみが長いと言われる。
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ケモノ,イヌ,ニンプ 1950年 山梨県 妊娠したオカタサマ(女房のこと)が、裸に皮を剥いた獣の傍に行くと、それが動き出すという。実際、喉を切って皮を剥いた犬の傍に妊娠したオカタサマが近付いた処、喉から血を流したままその犬が歩いたという。
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ヤコ,タタリ 1923年 山形県 赤子の夜泣きは野狐(ヤコ)の精がたたっているためだといって「奥山の池のほとりに泣く狐 おのれ泣けどもこの子泣かさぬ」という歌を半紙にかきつけ、赤子の部屋の床柱の裏にはりつける。それでも泣き止まないときは、この歌を三度書くまねをして夜泣きを止める。
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イクジノジュホウ,(ゾクシン) 1968年 愛媛県 夜、乳幼児を連れ出すときは、イキアイに会わないように「インノコ(犬の子)、インノコ」と唱えながら額の生え際あたりに墨をつけてから、出るという。また、夜泣きをするときは鶏の絵を書いて尾薬師様に願掛けをするか、「あなたのお足を洗ってあげますから、あなたが泣いて赤ちゃんの泣かんようにしてください」とお荒神さまに祈って塩を供えると治るという。
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(ゾクシン),オニ 1935年 兵庫県 小児の癇には、掌に「鬼」の字を3度墨書きして、その掌を握らせながら、「アブラウンケンソワカ」と3遍唱える。
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(ゾクシン) 1965年 宮崎県 子どもの夜泣きと病に関する俗信一束。
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シュッサン 1939年 千葉県 出産に関する俗信。産婦は、出産後21日目にあたるオボヤキまで髪・手・足・首などを麻で巻いてほどかないという。この日、赤ん坊は産土神に詣でるが、参拝の際に鼻をつまんで泣かせ、大声で泣けば丈夫に育つという。100日目の食い初めには、歯が丈夫になるように、赤ん坊に石をなめさせるという、など。
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オトコノクセヤミ 1942年 福島県 百姓夫婦の女が、胃と頭を患って、しばらくすると、夫も同じ症状になった。誰からともなく夫婦でクセ(つわり)ヤミだという噂がたった。暮れに子が生まれた。
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アトザン 1956年 宮城県 アトザン(後産)で胞衣がおりない時、夫が片足に草履、片足に下駄をはいて屋根に上り、産婦のいる部屋の上から「オリタカ、オリタカ」と叫ぶと、下から「オリタ、オリタ」と大声で返事をするという。
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ヨナキノマジナイ,(ゾクシン) 1960年 愛媛県 乳児が夜泣きをしたら、家の周囲を回りながら、ウブの神さんが帰ったら「ただいま帰りました」と言うといわれている。
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オオカミ 1984年 福井県 昔は、お産があるごとに産小屋を建て、そこで分娩していたが、あるときオオカミがきて小屋を襲って母子ともに犠牲になったために、以降形ばかりの産小屋を建てて入るまねをするのだという。このような風習は昭和20年代まで続けられていた。
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ナキゴエ 2000年 香川県 子供が生後初めて迎えた誕生日を初誕生というが、マメノゴハン(豆ご飯か?)とオカシラツキ(尾頭付きの魚か?)を高膳につけて祝う。この時、母親が高膳の下から子供に前世を聞く。すると畜生の鳴き声が聞こえてくるのでそれが分かるという。
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(ゾクシン) 2004年 香川県 お産に関する俗信。妊婦が火事を見ると赤い痣の子が、葬式を見ると青い痣の子が産まれるという。ウサギを見ると、三口の子が産まれるという。お腹が前に出るあるいは妊婦の顔つきがきつくなると男の子だという。はしかなど高熱で子どもが危ないときは、へその緒を煎じて飲ませるといいと言った。チヌを食べると、乳の出がよくなるという。ナナツキゴは育つが、ヤツキゴは育たないという、など。
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オッチモン 1976年 愛媛県 筆者の幼い頃、なかなか寝なかったり、泣いたりすると母に「オッチモンガカムゾーと言って来るぞ」と言われた。また祖父と共に寝たとき、カムゾーと声がするのでオッチモンが来ると思い母のもとに逃げ帰ったが、それは祖父のいびきであった。
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