ヤマオヂ 1915年 和歌山県 山爺の家と呼ばれる家がある。昔、その家の次男が山爺になって出て行ったまま帰らなかった。200年ほど過ぎてから、ある日現れた。裸足で着物一つ着ず、毛が体一面に生えていた。塩を1俵もらって、また山の中へ行ってしまったそうである。
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テング 1977年 和歌山県 赤松氏の祖先の子が戸栗坂で遊んでいたところ、天狗にさらわれた。皆で探し回ると、奥の方にきれいな石があり、ハンチャがかけてあった。子供は見つからなかった。その石を今でも祀っている。赤松家は山田という人を養子に迎えたが、その人が和歌山へ越すときに石を持っていった。しかしどうも落ち着かず、石を持ってきた。石は高さが2尺くらい、巾1尺くらいで人の形のようである。
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ウマレカワリ 1983年 茨城県 生まれかわりの話。久慈郡の山方町に生前馬鹿馬鹿といわれていたものがいたが、亡くなったときに身内の人が股に所と名前を書いてやった。死体にいかなる印もしてはいけないという戒めがあったが、ものはためしと思ってやってみた。数年たつと会津の藩主の使いがこの馬鹿の家の墓の土をもらいに来た。聞いてみると松平家に生まれた子の股に家の住所と名前が書いてあったという。
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(ウマレカワリ) 1973年 三重県 死者の質がいいときには、足の裏にその名前を書いてから葬る。かみやまという場所でそれをしたところ、その名前を足の裏に書かれた赤ん坊が桑名で生まれた。赤ん坊の足をその死者のさんまいの土で撫でると、名前は消えたという。
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リョウシノボウレイ 1982年 宮城県 漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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ヤマンバサ 1982年 新潟県 上州の藤原入り宝川という谷の奥の岩穴に住みついた女が、山ンバサといわれた。その山ンバサには若いとき夫婦になろうと誓いあった男がいた。あるとき、その男がその山奥へ猟師の仕事にいって、めぐりあい、いろいろと話し、山をおりようと誘った。女は山ンバサになってしまい、そのような気はなく、山の岩穴で藤の皮の草履つくりをするといった。その皮のきれっぱしなどが、里へ流れてくるうちは山ンバサは達者で生きていると思ったという。
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(ウマレカワリ) 1982年 群馬県 太田市の馬鹿な人が死んだとき、立会人が足の裏に印をつけて葬ったら、足利市の某家に生まれ変わった。前世の墓の土で擦れば痣が落ちるといわれ、捜してきた。
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(ウマレカワリ) 1982年 群馬県 貧乏な家に足の悪い子がいて、その子が死んだとき両親が印を付けて葬った。その後印のついた子が生まれたので、生まれ変わったということになった。前世の墓の土を塗れば印が取れるというので試したところ、取れたという。
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サクランサク 1964年 福島県 嫁いじめで、田の草を取れば戻すといわれた嫁が一生懸命田の草をとって、赤ん坊をおぶったまま死んだ。その後その田は誰も作る人がいなくなり、作らんさくといわれる。
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ヤマンバ 1960年 大分県 山姥が母親を食い殺し、着物を着て戻ってくる。3人の子が山姥を家に入れてしまう。末の子は食われ、残った2人は木に登り天の神に救いを求める。金の鎖が降りてきて、姉は月になり利口な妹はお天道様になった。山姥は昇ろうとして落ち、その血がススキの根についた。
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ユウレイ 1941年 岩手県 赤ん坊を胎内に留めたまま母は死んでしまったが、その墓から赤ん坊の泣き声がするので、ある人が掘り返してみると男の子が生まれており、その子は後に僧になった。(類話あり)
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〔ショウニンデン〕 1956年 宮城県 土地や豪族の屋敷内を無断で通ったという理由で、山伏が殺される。それを埋葬した土地の所有者がみな祟りをうけたので塚を築いて祀った。前にある田を上人田といって、その地主になると不幸が多く恐れられている。
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テンリュウ 1990年 大阪府 ある男が小墓というところで畑仕事をしていると、天龍が降りてきた。それ以来代々ものを言えない者ばかり生まれる家系になった。
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オニ 1958年 香川県 角がはえて生まれてきた赤ん坊は鬼子と呼び、鬼が迎えにきたのだという。
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バケネコ,ネコババア 1982年 群馬県 いそじという名主の先祖の家で、姑が朝起きてこない。嫁が起しに行くと、とんでもないシゾクネェ(失敗)した、と言って起きない。寝小便でもしたのかと思ったら、一緒に寝ていた孫を食ってしまっていて、喰い残しの手を放り出して宝川の奥へ逃げていった。それからはその村で葬式があると、出棺後にわかに宝川から雲が出て荒天になり、墓場に行く途中で遺体をとられてしまうようになった。
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ヤマブシ 1955年 山形県 山中の一軒家で、泊った山伏を殺して金を奪った。家は栄えたが以後一人ずつ変わり者が生まれる。
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アオダイショウ,ヘビ,リュウ 1937年 愛知県 山の小屋に寝かせておいた赤ん坊が激しく泣いた。行ってみると、赤ん坊は蛇に右足を咬まれていた。その後、小屋の近くで見つけた蛇を殺した。その後、蛇は山の主ではないかということになり、祠を建てた。ある時、材木商の職人が祠の中にある盲の蛇の絵に悪戯をした。翌日、仕事に行くと頭上で龍を見た。見直すと藤蔓だったが、男はまもなく死んだという。
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イバラギドウシ 1931年 大阪府 ある髪結商の夫婦は榎の木の下に捨てられている赤ん坊を拾った。眼光鋭く牙が2本もある人間離れした異形の赤ん坊であったが、夫婦は慈しみ育てた。ところがちょっとしたことからおかしな噂が広まり、童子は家を出た。これが後の茨木童子だという。
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ヤマウバ 1984年 愛知県 子ども好きの山姥がいて、よく百姓の子のお守りをしてくれた。しかし、ある日、畑仕事に連れてきた子どもが行方不明になり、数年後に白骨で発見されるという事件があったときにはその山姥の仕業だといわれた。
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(ヤマブシノレイゲン),カミノケシン 1947年 愛知県 ある家では守り神と童の加護で永久に栄えるという言い伝えがある。没落していた時代のある日、怪しい山伏が食料を求めたとき、最後の食料を与えるとそれから隆盛に向かった。山伏は神の化身で、再興のために何か知恵を授けたのだろうと言われた。
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