コックリサン,キツネ 1968年 群馬県 昔はコックリさん呼びをした。コックリサンとは白狐のこと。乗り移らせて尋ね人や失せ物探しをした。榛名町の御嶽行者のオガミサさんを呼び、占ってもらう人とオガミヤさんと輪になって座り、庭に面した戸を開けておく。輪の真ん中に50音を書いて神棚に上げて拝んだ半紙を敷き、その上に箸を結わえて作った三脚をおく。拝んでいると誰かにコックリさんが乗り移り、三脚の箸で字を指すので、それを呼んで判ずる。
類似事例 |
|
コックリサン 1984年 島根県 戦時中や終戦直後、肉親の安否や復員などをコックリさんで占った。いろは四十八文字・1から9、0までの数字などの紙の上に2人が1体ずつ箸を持ち、もう1本の箸を指針として占った。また、イロミといってトランプの勝敗や恋愛問題、博打の目などもコックリさんで占った。終わったら箸はバラバラにして捨てた。コックリサンにも占の得意不得意があるらしく、占の目的に合うコックリサンがあらわれるまで何度も呼び出したり帰っていただいたりする。
類似事例 |
|
トヤゾネキツネ,キツネモチ 1922年 島根県 数十年前、ある家に恨みを持った女が、トヤゾネの狐に油揚げを持っていって、「あの家へ行って悩ましてくれ」と頼んだ。するとその家の主婦が狐憑きになった。大社に行って弓を引いてもらうなどしたが離れず、狐の言うには「子供が2、3匹いるし、自分の体は犬に食われて帰ることが出来ない」という。その家はそれ以来狐持といわれることになった。
類似事例 |
|
キツネ,コックリサン 1968年 福井県 1950年頃のこと。織機工場勤めの女の人が、箸3本でやるコックリサンをしたところ、頭痛がして眠れず、家の周りをぐるぐる歩き始めた。医者にかかってもよくならず、神主に拝んでもらって、キツネがとれた。
類似事例 |
|
デンゾウイナリ 1987年 長野県 昔,村外れに住んでいた伝蔵さんは時々狐に化かされる事があった。化かされているときはうつろな目をしてコンコンと鳴いたり,ピョンピョン跳ねたり,わけのわからないことを呟いて稲荷様の周りを廻ったりした。翌日になると本人はその事を覚えていない。だが,狐に憑かれる事が度々になってある時狐はらいをすることになった。油揚げを久津根稲荷に供え,伝蔵さんをお稲荷様の前に座らせて神主にお祓いをしてもらい,狐をとってくれるよう皆でお願いしたところ,伝蔵は狐に化かされなくなった。いつしか久津根稲荷を伝蔵稲荷と呼ぶようになった。
類似事例 |
|
(ゾクシン),コックリサン 1998年 静岡県 「コックリサン」と口に出したら、背中を三回たたいてもらわないと呪われる。
類似事例 |
|
キツネ 1972年 千葉県 魚屋さんが狐に化かされて、オーフケ、オーフケといって歩かされた。狐が尻尾を右に振ると魚屋も右に、左に振ると左に動いたという。
類似事例 |
|
キツネ 1987年 奈良県 山の仕事に行った主人が夕方になっても帰ってこないので、家中の者が探した。主人は昼食のご飯に持っていった油揚げを狐に食べられ、狐に化かされ、あちらこちらに引っ張りまわされていた。そうめんを食べたというので、跡を見てみたらミミズを食べていた。
類似事例 |
|
キツネ(ゾクシン) 1916年 岐阜県 精神に異常をきたした者あると、狐が憑いたという。油揚げや赤飯を欲し、目が狐のようにつり上がる。身体に腫れた部分があると、そこに狐が入っているのだといって、その部分を打ったりした。青松葉で燻すと狐が逃げ去ることがある。
類似事例 |
|
キツネ 1972年 千葉県 昔、夜遅く魚や豆腐を持って歩く人は、狐に化かされた。化かされると、誰かに声を掛けてもらうまでは歩き続けてしまっていた。
類似事例 |
|
キツネ 1990年 福島県 油揚げを持っていて、「重い重い」と思ったら、狐に化かされている。
類似事例 |
|
キツネ,イナリ 1961年 長野県 狐つきは、背中に鼠のようなものが憑く。たいてい女に憑き、オコリ、テンカンのようになったり、目が見えなくなったりする。ホウゲンサマが稲荷を使う。恨みのある人が頼んで憑けさせる。憑かれた家は味噌がいたむのでわかる。
類似事例 |
|
キツネ 1995年 群馬県 大深山の立石に狐がいて、みんな化かされた。狐が憑いたときも、立石に油揚げや天ぷらを持っていくと離れた。
類似事例 |
|
キツネ 1954年 三重県 明治末期頃、伊勢から尾張三河の海岸地帯にある農家の中年男子に、原因は不明だが狐が憑いたと言われ、油揚げを急に好むようになり、目がつり上がり、変なことを口走ったという。祈祷師に頼んで狐を追い出してもらったら治ったという。
類似事例 |
|
キツネツキ 1979年 埼玉県 戦時中は狐憑きが多く、油揚げや炒り豆を半紙に包み三本辻に置いてきて狐を送り出した。また熱でうわ言を言うと拝み屋が来て狐が憑いているからだといった。
類似事例 |
|
キツネツキ 1982年 岡山県 55歳の女性が精神異常の状態となり、こんがらさまにやってきた。女性は「道でうかうかしているから憑いてやった。7匹の子供がいるからおなかがすく」などと言っているため、狐憑きと判断した。憑いた狐は刈田稲荷で、「祭り手がいないからこうなった」という。油揚げをもって刈田稲荷まで行列をし、御祈りをして、家に帰って加持祈祷をしていると女性は正気に戻った。
類似事例 |
|
コックリサン 1971年 福島県 こっくりさんは、箸3本を結わえて2人で持ち、いろはをかいた紙の上に置く。「こっくりさん、こっくりさん」と言いながら尋ねると箸がひとりでに動き出して各々1字をさすのでわかる。
類似事例 |
|
キツネ 1967年 石川県 狐憑きは頭のいい人か悪い人がなる。憑かれた人は縁の下でコンコン鳴いたり、油揚げを食べたりする。
類似事例 |
|
キツネ 1981年 京都府 招善寺の下辺りで豆腐屋がよく狐にだまされていたのを畑仕事の農夫たちがよく見たという。畑の端に狐が座っていて、立てた尾を左右へ振ると豆腐屋も「豆腐。豆腐」と言いながら右往左往していたという。
類似事例 |
|
コックリサン 1960年 秋田県 冬、山林に20人ほどで泊まりながら働いていた。ある時、買ったばかりの鉞がなくなった。占い師の息子がコックリサンを使って調べると、鉞を盗んだ人は南の家の人だということになった。コックリサンは千里眼を持っているという姿の見えない狐のことである。なお、雪が消えたら、盗まれたはずの鉞は、赤錆びて小屋の前に転がっていたという。
類似事例 |
|