ダルマ,ツク,タイグルマ,セキハン,ホウソウ 1935年 東京都 嬰児が疱瘡にかかると、張子の達磨や木兎、鯛車などを枕元に飾る。方法はさん俵を敷き、その上に達磨や木兎を祀る。そして幣帛を立てたり赤飯を供えたりして、疱瘡の治ることを祈る。半月経つと疱瘡も峠を過ぎたものとして供えた赤飯から3粒をとって紙に包み、三つ辻の角へ持っていって捨てる。この赤飯をまだ疱瘡の終わっていない子供を持つ母親が見ると持って帰って子に食べさせる。そうすると疱瘡が軽く済んだ小児にあやかることができるという。
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ヤクビョウオクリ 1964年 福島県 厄神は村境や道の十文字に送るが、供えた銭や手ぬぐいをとって使うと病気がその人にとりつく。銭は、それを路銀にしていきたいほうへ行けという意味。法印を頼んで拝んでもらい、さん俵に赤い幣をたて、あずき飯のおにぎ(おにぎり)をのせて供える。送るときは夜に2人でし、後を振り返ってはならない。ひいらぎの葉を使って、「よこしまやたてしまや、越えて十文字、われ行く里はひいらぎの里」と3べんとなえる。
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アズキゴハンノオニギリ,(ゾクシン) 1974年 宮城県 赤飯か、小豆ご飯のお握りで、病気の子どもの体を拭くと治る。そのお握りは人に見られないように十字路に捨てられ、拾った人が病気になる
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アンバサマ 1939年 千葉県,茨城県 家に疱瘡子ができると、村の神主に頼んであんば様を祭ってもらったという。神主は赤い幣束を切り、それをサンダラボッチに刺して病人の枕元においた。そして、祭ってから12日目に『ムナガシ』と言って、サンダラボッチに刺した幣束をそのまま川へ流し、12日田へば熱が下がり、癒えると信じられていた。
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(マジナイ) 1957年 山梨県 痘瘡の時には肥桶を頭にかぶり、豆を煎って飯をひいて辻へ捨てる。
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ホウソウカミサマ 1955年 静岡県 疱瘡が流行ると疱瘡棚を作って疱瘡神を祀り、川に流す。
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ホウソウニナッタトキノジュホウ 2000年 富山県 疱瘡になったとき、周囲に赤紙で作った人形と旗を並べる。中央には赤御幣を立てたサンダワラ。菓子や果物を供えた。
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ミコガミ,カサ 1975年 岡山県 ミコガミカサができると、法印に拝んでもらいこの神を送ったり迎えたりする。また他の方法として3軒ボエト、7軒ボエトといって、カサの出た本人か母親が3軒または7軒乞食をして歩くと言うものがある。その材料で赤飯を炊いてミコ神に供えるとカサが治ると言う。
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キツネ 1955年 静岡県 熱が出て意識が無い時は床の下に万年青を敷き、稲荷様を祀って、梅の一年枝で狐をいじめる真似をする。これで治らぬときは家の周りに注連縄を張り、大きな藁人形を弓矢で射る。ヒキメという。
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ヤメコゾウ 1953年 島根県 ヤメ小僧(赤目)、藁人形をつくって一文銭をかけ、道の四辻に立てておく。通る人が銭欲しさに手を触れればその人に染り、立てた者は癒るという。だから通る人はにらみつけ、ツバをはきかけて通らなければならない。
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ジゾウサン,ネツビョウ,ジビョウ,(ゾクシン) 1961年 愛媛県 水難除けの地蔵が河ヶ平にあり、もし子供が水死したときにはその子を遊ばせてくれるという。また、熱病の時には自分の年の数ほどの川石と三角形の握り飯を供えると治るといわれている。耳病の時には土器に穴をあけて糸を通したものか、竹皮の草履2足か、紅白の前垂れかけを供えるといいという。
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オコモリ 1943年 京都県 病気がなかなか治らない人が居ると、「ネンが入ったようですがどうですか」と見舞、近所の者が共同で観音へオコモリをしたり、川で水垢離をとったりする。病気が治れば家の者が千軒の家からお米を少しずつ貰い神仏に供える。
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オユダチ 1964年 福島県 伝染病が流行するときなどに、おさごを供え、塩を入れた湯を煮立て、神がのりうつったまま幣束を湯に浸して人々にうちふる。熱湯だが不思議に熱くなく、湯がかかれば病気はうつらないといわれた。
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シチニンミサキ,ユキアイ,ドウロクジン 1943年 高知県 川で病気になって戻ると七人みさきが憑いたという。山ではユキアイ、道では道碌神という。家の入り口に外向けにしておいて蓑の上に天照皇太神のお札を乗せて煽るとよいなどという。
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ワカミヤサン 1978年 鳥取県 ミコ神さんをワカミヤサンという。家の裏手の竹薮の中の小祠に祀る。首から上にカサが出たり、モノが青く汁が出るなどしてなかなか治らないときは「ワカミヤサンの機嫌が悪い」という。そう言うときには7軒ホイトをする。7軒の家から米や小豆をもらい小豆飯を炊いてワカミヤサンに供えればカサが治る。近所の人もワカミヤサンに詣る。
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ヤクジン 1974年 推古天皇34年に、日本は米が実らなかったので三韓から米を調貢させた。その船の中に疱瘡を患った人が3人おり、それぞれ老人と僧と婦人がつきそっていた。その名を問うと我らは疫神であり、疱瘡という病を司るという。また我らが来たので、この国の民も疱瘡にかかる。我らは畠芋を好むので、我らを祀るならば畠芋を供えよと告げて姿を消したという。
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ダラシ 1920年 長崎県 千々石から島原へ向かう古道、平石の道中にあるノトンの坂付近では、昔からダラシが憑くという。あるときノトンの坂と反対にある平石と魚洗郷との間の坂(名称不明)の山道で男が腹を押さえて座っているのを見かけた。弁当を食べさせるとすぐに元気になった。弁当は一口二口食べさせて残りは藪の中に捨てた。ダラシに憑かれたら何でもよいから食べ物を食べて残りを付近に捨てると離れるという。また、食べ物がないときは、手に「米」という字を指の先で書き、嘗めると元気になるという。これらは昔旅人が餓死し、それが祟るためだとされる。あるいは平石観音の下の辺りで何人かが首を吊っており、それが祟っているという話もある。
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フクタロウ,カワタロウ 1935年 神奈川県 相州金澤村の漁村、重右衛門の家に持ち伝わる箱に、水難疱瘡の守り神と記してあり、家の中に祭ってあった。享和15年5月15日夜に重右衛門の妹の夢の中に童子が来て、私はこの家に久しく祭られるが、未だによく知るものがいないので、一社を建ててくれ。そうすれば水難疱瘡麻疹の守り神として擁護するといった。妹はそれを親類に告げ、箱の中を見ると異形のものがいた。面は猿のようで四肢に水かきがあり、頭には凹んだところがあった。それを福太郎と称した。その後他の家に出したがそこでも夢告があり、水神と勧請した。またさまざまな霊験があったという。
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スベリイシ 1939年 大分県 村内にスベリ石がある。それにすべった者は病気になるので、すべると石に赤飯をあげて祀る。
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ヘビ(ゾクシン) 1998年 医療、まじない、禁忌などに関する俗信。蛇を見て指さすと指が腐るという。妊婦は火事を見ると痣のある子を産む。産婦は柿とナスを食べるな、髪が抜ける。尺取虫にたかられたと気付くとすぐ落とす。身体の上下をわたられると命を落とす。蛇の抜け殻を財布の中に入れておくと金持ちになる、髪の毛の真中に入れておくと頭を冷やす。便所の神様は大は右手で小は左手で受け取っているのでつばきをすると口をあけ、口の腫れる病いになり罰が当る、など。
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