ネズミイシ 1958年 岐阜県 双六で、鼠の模様が白く浮き出た自然石が出土した。この珍しい石を寺に置くと、お客(檀家)が増えて栄えると考え、部落の人に石を運んでもらった。しかし、部落で旦那や長男の不幸が続いた。鼠が死人を引いているのだろうということになり、鼠石は寺から双六の方に戻した。
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ネズミイシ 1983年 岐阜県 鼠の模様の浮かぶ石を鼠石という。寺に奉納したところ夜毎鼠が暴れたり、人が死んだりする。
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ヘビイシ 1930年 愛媛県 中山川の蟹瀬という淀みに蛇石という珍しい石がある。8尺×4尺位の自然石であるが、大州藩主が白に運び入れても元の場所に戻り、再び運ぼうとしたときにはビクともしなかったという。
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キュウビノキツネ,イシ 1970年 滋賀県 九尾の狐が中国から来て美女に化け、妃になっていたが、山鳩の尾羽を輪にして覗くと狐の本性が現れたので関東の那須の原に逃げて岩と化した。この岩に近づくもの壊すものが死ぬので、ある坊さんが経を上げ、玄翁で粉々に砕いて全国へばらまいた。その一つが話者の家にあり、毎月17日に赤飯を供える。この石をなぶるな、庭石に使うな、この石は家の難逃れになる、などという。
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オニ 1932年 岡山県 吉備郡足守の西に鬼の石というのがある。昔女が鬼に追われたとき、この石に着物を打かけて逃げたところ、鬼は石を女と思い込み抱きついたため石の下のほうへ穴があいたという。
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イシ,エビス 1984年 鹿児島県 婆が蜷を拾いに行った帰りに籠が重いので見てみると中に石が入っていた。捨てても又入っているので何かいわくのある石だろうと持ち帰った。
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カカンフ 1976年 火鼠の毛で織った布は、汚れた時に火で焼くと、垢だけ焼けて布は損なわれないという。最近、東国で、鉄盤の上に置いた石を鉄槌で静かに打ち砕いて出た、綿のような柔らかい毛を、糸に縒ったものを得たが、金色に光り、火に入れても焼けない。それはどんな石なのか、また常にあるものだろうか。
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タメトモ,オニ 1929年 東京都 樫立村では、為朝が臼を持ち、鬼が杵を持って登り比べをしたときに、鬼は登れずに滑ってその跡がついているという。勝った為朝が鬼を捕えて石の下に入れようとしたが、抵抗したのでその時大石に鬼の耳の跡がついた。以来、通行人がこの石を掻いて桃の実ぐらいになると、石の下から出してやると言われた。
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ヘビ 1931年 長野県 古浅間山の法院坊という穴に大蛇が住んでいた。ある時蛇掘川が水のためにいっぱいになり、蛇が流されてきた。その時蛇は大きな石を背にかぶってきた。その石を笠石と呼び、今も川の中にある。
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ダイジャ 1967年 福島県 狸石とも蛇塚石とも呼ばれているものがある。昔、大蛇を殺してこの地に埋めたのだろうといっている。
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テングユウセキ 1975年 三重県 伊賀国岡山に天狗の遊び石という石がある。八尺四方ほどで上が切られたように平らな石で、山崖にある。宝永のころこの石を城に運ぼうと谷へ落とし、城まで一里ほどのところまで大勢で引っぱってきた。その飛球に空が荒れたので皆が引き上げ、翌日見に行と石は元の山上に戻っていた。
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クダギツネ,キュウビノキツネ 1962年 神奈川県 支那から日本へ逃げてきた金色で九尾の狐が、正体を見破られ、野州の那須野原へ飛んで殺生石になってしまった。ある和尚が法術の法を盗んで石にかけると、石は割れ、眼には見えないクダの狐が幾千となく天に飛び散り、日本国中に隅々にまで広まり、あっちこっちで人に憑いたりするようになったのだという。横浜市港北区十日市場町原村で採集の事例。
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ケイセイイシ 1916年 福岡県 山道の傍らに長さ7尺ばかり幅4尺ばかり高さ3尺ほどの石があり傾城石と呼ばれている。昔、傾城が京都から男を訪ねてきて石になったのだという。そのため、石の上に女が乗っても動かないが、男が乗ると自然に動くという。
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カエルイシ,セッショウセキ 1975年 大阪府 摂津国東生郡林寺村の民家の裏にあり、この石の上に鳥や虫がとまれば、石の上の部分が割れて口を開くように鳥虫を落とし込み、また元のように戻る。その様子はまるで蛙のようである事から蛙石と呼ばれる。また、殺生石ともいう。
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エンコウ 1933年 山口県 猿狐が馬を川に引き込もうとしたが失敗した。この石のある限り村に災いせずという証文を書いたので許された。この石を猿狐石という。
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ジャコツセキ 1970年 静岡県 長さ8尺、白色で白骨がさらされたように見える蛇骨石という石がある。
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イシ,タタリ 1990年 長野県 直径60センチメートルほどの自然石があり、これを動かすと祟りがあるという。ある人が庭石にしようと持ち帰り飾っておいたところ、具合が悪くなったので元へ戻すと治ったという。昭和30年頃にも同じようなことがあった。
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カメ 1990年 福島県 亀石という亀に似た形の石がある。亀が悪さをしたので、お寺さんか祀った。
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フクロウノコ 1974年 支唐禅師が諸国行脚の時に出羽国の寺で逗留した。その寺の庭に朽ちて半ばより折れ残った椎の木があった。その木を掘り取ると、朽ちた空洞から雌雄の梟が飛び去った。なかには土で造った鳥の形をしたものが三つ入っていた。その1つは少し毛が生えて、嘴や足もつき、生気も少し備わっていたという。
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ネコイシ,コウジンノタタリ 1941年 岐阜県 荒神社の床下にある石を借りて、それをネズミの通る道におけば、ネズミが来ない。昔、ある人の父が長らく病気を患っていて、医者にはその原因が分らなかった。そこで、占者に依頼した結果、病因は祟りだったことが分った。よく考えてみたら、その人が荒神社の猫石を借りっぱなしにしていた。
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