キツネ 1983年 東京都 40代の男が魚を樽に入れて運んでいたが、狐にだまされて、樽の中身をぶちまけてしまった。次の日、その場所を見に行ってみると、こぼれた魚は狐に持っていかれたのか、その山にはなかったという話だ。
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キツネ 1922年 山口県 魚や折詰をもって山道を通ると、木の枝などを持って帰ることがある。これは狐に奪われたのだという。予めその品に唾を吐くまねをしておくとそのようなことはない。途中に品物を持ちかえないようにすれば無事だともいう。
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ツルベオロシ 1973年 三重県 ある人が法事の帰りに、山を切り開いているところにさしかかった。その時誰かにボンノクボを捕まれて引っ張り上げられたので、ツルベオロシが出たと言って逃げて帰った。後にこれはイバラモチの幹に引っかかっただけだと気がついたという。
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タヌキ 1974年 和歌山県 魚屋が魚を買って山をかきわけて帰って来たら、体は傷だらけで、手には何もなかった。これも狸にだまされたのだという。
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キツネ 1936年 鳥取県 十年程前、六十才位の婆さんが村の者4,5名と弁当を持って近くの山に葺取りに行ったが、帰りに婆さんがいなくなった。手分けをして探したが、見つからなかった。村の人達は狐に弁当残りの魚の骨をはねられて、化かされてしまったに違いないと言っている。婆さんの死体は2,3ヶ月過ぎて、村から三里離れた山奥で発見された。
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タヌキ 1991年 愛媛県 魚売りの人が狸に化かされて山道に迷い、魚を腐らせた。狸に化かされる人はひょうきんでヒョイヒョイした人が多い。
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キツネ 1972年 千葉県 近所の女の人が、山仕事の弁当を狐に食われた。
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ヤマンバ 1943年 山形県 ある男がある日山に行くと、竹で編んだ真新しいめっけを拾い、裏口に掛けておいた。その夜、山姥が「あしなかを返せ」と言ってやってきた。男がめっけだと思っていたものは、実は山姥のあしなかであった。
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テン,タイショウ 1941年 新潟県 寺の奥さんが味噌が切れると言うと、タイショウ(貂)が他所から取ってきた。その行為を怒ると、味噌を返しに行ったが、途中で転んだのか砂がついて返却された先では食べられなくなっていた。
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キツネ 1956年 宮城県 渓流釣りをした男が夕方山を降りてくると,急にビク(魚籠)が重くなった。ふと見ると血だらけの生首がビクに噛み付いていたので,びっくりして何もかも投げ出して逃げ帰った。翌日仲間とそこに行ってみると空っぽになったビクが転がっており,狐の毛が沢山ついていた。
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キツネ 1956年 宮城県 神次郎部落のある老婆が,親戚のお祭振舞に呼ばれたまま夜更けまで帰宅しなかった。未明,家人が心配して探しに行くと,老婆は裾をはしょって川を渡る格好をし,「深い深い」といいながら山の蕎麦畑の中を歩き回っていた。家人に大声で呼ばれて正気にかえったが,土産の重箱は狐に攫われてしまっていた。
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タヌキ 1974年 栃木県 ある人が大根を風呂敷に包んで山道を歩いていたら、狸が「フロシキダイコンオイテイケ」と言ったので驚いて、荷物を置いて逃げ出した。
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キツネ 1940年 兵庫県 山へ行くときに小豆飯の弁当を持っていくと、狐にだまされるという。
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ヤマノモノ 1983年 岩手県 大勢子供がいる家族の娘が、桑刈りの合間に行方不明になった。それから何年もした風雨の激しい日に娘は帰ってきた。何年も山で暮らし、髪も顔も山の者になっていた。家族は味噌汁など作って歓待したが、娘は「辛くて食べられない」と泣きながら山へと帰って行き、山で山の者として暮らした。
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ボウレイ,アヤカシ 1992年 広島県 大元の上にある山に2人で椎茸をとりに行くと、紺絣を着て豆絞りの手拭いで頬かぶりをした人が前を歩いているのを見かけた。登りきった所には大きな岩があり、その先に道がないにもかかわらず岩の向こう側へと消えていった。こういう場合に苛々すると道に迷い山から出られなくなるため、一服して「ちいらんご」と言い、山を下るとよいという。
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ヤマジョロ 1941年 徳島県 昔、二人の男性が山へお参りに行って帰るときに、きれいな女に出あった。近づいてみると、大女となり、馬鍬みたいな歯を見せながら笑い出した。驚いた二人のポケットから落ちてしまった包丁を見たら逃げたという。また、ヤマジョロにあった人が病気になって死んだという話もある。
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ヤマイヌ 1985年 愛媛県 夜、生魚を担いで山道を通ると背後でドスンと音がして、調べると魚がなくなっている。これを山犬が憑いたという。
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キツネ 1954年 神奈川県 50歳のぐらいの婦人が、結婚披露に参列した帰りに、山中を御馳走の折り詰めを提げて歩いていたが、狐に化かされ、一晩中家に帰り着けず、山中をさまよった。晴れ着の腰から下をずたずたに破ってしまい、翌朝やっとへとへとに疲れて家に帰り着いたという。
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テンゴウ 1983年 東京都 山へマキを取りに行った男がてんごうに遠くへつれていかれた。腹がへったので「うどんをくれ」と言ったらミミズだった。それがうまかったらしい。
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ヤマネコ 1929年 宮城県 ある年の秋、島に大暴風雨が襲来したがあくる日晴れ上がった。それで二人の女の子が長瀞へアケビ取りに出かけて帰る時浜辺にさしかかると、砂の上に鐡瓶の蓋ほどもある大きさの足跡が一間おきに位に印されていた。そこには鮪の頭や骨が食い散らされていて女の子は恐れおののいて走り帰った。山猫に違いない。
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