テング 1972年 石川県 天狗に騙されて連れて行かれ、弟子となって修行した男が、33年目に帰ってきた。その男が雑木原を燃やす時、天狗さんの水縄といって、畑の周りを指で書くと、延焼せずにそこで火が消えてしまう。その時、天狗の使者の鳶が鳴き、天狗の親方であるミナカミの旦那が現れる。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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テング 1969年 埼玉県 精神異常者の男が枯れた天狗の松を切り割って薪にしていたが、天狗の仕返しがあったとは聞かない。しかし、男は天狗を恐れなかったが亡くなり、家も潰れて屋敷跡だけが残っている。
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テング 1937年 福井県 ある男が薪を拾いに行ったまま数日間帰らないことがあり、家族が帰してもらいに行くと戻ってきた。天狗に好かれたこの男は年に数回このようなことがあり、毎回帰ってくると、行ってきた土地の話を詳細に話してくれた。
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テング 1933年 長野県 百年余り昔、婆が夕食の仕度をしていたら、勝手口に大男が立っていた。大男に手紙を出してくれるように頼まれ、目を瞑って開けたら霧ケ峰に来ていた。そこには天狗が大勢いた。天狗に城下が火事になっているが、手紙の御礼に守ってくれることを約束され婆が急いで戻ると婆の家がある上町だけ焼け残った。
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テングサマ,カミサマ 1988年 茨城県 神社にお参りに行き、お賽銭を上げずに頼みごとだけした。すると天狗様が掛けて行って、その人の家に火をつけていた。
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オテングサマ 1953年 埼玉県 若い男が、お天狗様に山に連れて行かれた。三年後帰って来たが、その男は何一つせず、笛ばかり吹いているようになった。
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カミカクシ,テング,トブコ 1926年 静岡県 男の子が天狗にさらわれた。町内の人々が探したが、10日目に戻ってきた。その後も度々連れて行かれた。
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テング 1950年 埼玉県 男が行方不明になり半月ほどして馬鹿になったようにしてひょっこり帰ってきた。天狗に連れられずっと木の上にいて、食べ物は天狗が運んできてくれたという。
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テング 1978年 岐阜県 橋の架け替えのため、下ヶ流の向山の大檜と大杉を伐ったら、名主の夢枕に天狗が立ち、よくも住処を無くしたな、罰として村を丸焼けにしてやる、と言った。はたしてその晩火事が出て、村の大部分が焼けてしまった。明治10年1月18日の大火のこと。
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テングノオヤシキ 1972年 岐阜県 ある人が、炭焼きのために山に入った。木の葉で固まっているような球があったので、棒でつついてみた。すると急に辺りが暗くなり、雷雨になってその日は帰れなかった。翌日に家に帰ったが、病気になってしまった。祈祷してもらったところ、天狗のお屋敷をつついたと言われたので、呪文で治してもらったという。
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テング 1987年 富山県 天狗につかまった人がとんがり岩で暮らしていた。一度村に戻ってきたが、乾かしている物があるといって岩に戻り、村には戻って来なかった。
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テング,キシン 1977年 岐阜県 ある人が飛騨山で木を伐っていると鼻の高い山伏が現れた。天狗かと思ったら心を読まれ、何故天狗だと思うのかと聞いてきた。急いで木を束ねていると、手元が狂い天狗の鼻に木が当たった。すると天狗は汝の心が読めなかったと言って去った。
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テング,ヒノタマ 1956年 群馬県 川にも天狗がいる。川で漁をしている男がいて、ある日、ばかに魚がとれる日があった。男が薄気味悪くなって来た時、ゴロゴロッと石の落ちる音がして火の玉が転げてきた。それと同時に網が急に重くなり持ち上げられなくなった。男は「天狗が出た」と叫んで逃げ帰り、2,3日寝込んだという。
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タロウヤマノテング,テングサン,テングサマ 1964年 長野県 ある人が天狗さんに3丁余も抛られ、血だらけになっていた。太郎山に行って悪いことをすると、天狗さまに抛られると、幼い頃にはよく言った。
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テング 1932年 高知県 この村にいた久六という男が、ある時天狗に攫われて虚空高く舞い上がってしまった。村人が騒ぐ内に、天狗は見えないが久六の体だけが前の山の松の梢をすれすれに飛び去って行くのが見えた。翌日村人が探してみると、3里ほど隔てた岡豊村の瀧戸という所の巌に、久六の皮が張りつけてあった。
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テング,グビン 1955年 静岡県 山には天狗・グビンがいる。ある若者が山で天狗さんに連れて行かれ、村が丸焼けになる、と言われた。帰ってみるとそのとおりになっていた。信心深かったので、天狗さんが助けてくれたのだった。
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テング 1936年 福井県 いい手の筋をした久左衛門という男のところへ、天狗が手の筋を借りにきた。天狗は、貸しに来たお礼に、豆1粒を置いていった。ある年、大火事が起こって近隣は燃えたが、久左衛門の家だけは燃えなかった。
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テング 1979年 滋賀県 甲賀郡土山町の黒滝部落では、村人は1年を通して山仕事、特に炭焼きをして暮らしていた。ある時炭小屋で仕事をしていると、昼間から太鼓の賑やかな音が聞こえてきた。いっこうに止む気配はなく、誰かが天狗の仕業だと言いだした。その翌日も太鼓の音がしたが、音がする方に煙草の吸殻を投げると、忽ちその音が止んだ。天狗は煙草好きだと話題になった。
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テングサン 1983年 山梨県 天狗さんという人は急にいなくなって立派な成年になって帰ってきた人だ。その天狗さんが山の畑から夕方に帰ってきてお母さんに京都が焼けているからちょっと行ってくるといい、お母さんが弁当もってけと追いかけたら、もう姿が見えなかった。そして、その翌日には帰ってきて、天皇を助けて感状をもらってきたといった。それは菊の御紋章がついている漆塗りのもので、現在も天狗社にその箱が伝わっているがけして中を見せないという。
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