テング 1933年 長野県 ある日、婆が山で薪をとっていたら、天狗が現れ手紙を頼まれた。天狗の言うとおり目を瞑ると、体が浮き上がるようになり、目を開けると別の天狗がいた。手紙を渡してから同じようにして戻った。手紙を渡したお礼に天狗は村の火事から婆の家を守ってくれた。
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テング 1936年 福井県 彦作が夜に町から帰る途中、天狗がやってきて一服するために火を乞うた。彦作がカドイシで火をつけてやると、天狗はうまそうに一服した。天狗がカドイシを欲しがったのであげると、彦作は天狗に見込まれ、神通自在になった。
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カラステング 1932年 家康の頃、力持ちの和尚のところに大敵と勝負をするので和尚の右腕を貸せという天狗がきた。切るには及ばず、ただ貸すといえというので、貸すというと、右腕の力のみを借りていった。7日後、天狗は力を返しに来て、お礼に天狗の爪をくれた。
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テング 1974年 栃木県 下野国宇都宮あたりにある東盧山盛高寺の祥貞和尚が、ある時天狗に腕を貸してくれと言われた。和尚は手を引抜いて持っていかれては困ると言うと、天狗はそういうことはしないが、ただ手を貸すと言ってくれと頼む。そこで和尚が貸す言うと天狗は感謝して帰ったが、和尚の腕は短くなった。しかし30日ほどたった時に、天狗が再びやってきて腕を返すと言い、火除けの銅印をくれたという。その日から和尚の腕はもとにもどり、またその書は火防になった。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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テング 1972年 石川県 天狗に騙されて連れて行かれ、弟子となって修行した男が、33年目に帰ってきた。その男が雑木原を燃やす時、天狗さんの水縄といって、畑の周りを指で書くと、延焼せずにそこで火が消えてしまう。その時、天狗の使者の鳶が鳴き、天狗の親方であるミナカミの旦那が現れる。
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テングサン 1983年 山梨県 天狗さんという人は急にいなくなって立派な成年になって帰ってきた人だ。その天狗さんが駄賃つけに馬を引いていって、須走の食堂でお金を持っていなくて貸しておいてもらいたいといったが、食堂のお婆さんに怒られた。そこで、外に出て天に向かってお金を貸してくれといったら、天からお金が降ってきたので、お婆さんはびっくりしてお金を取れなかった。
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テング 1959年 福井県 天狗の投げ筆という宝物がある。300年程前に字の上手な医師がいた。あるとき山で白髪の老人に「二三日手蹟を貸してくれ」と言われ、請け負うと二三日は惚けていた。老人は天狗であった。その礼に貰ったもので、火伏せになるという。後に貧乏になって軸は他家に渡った。渡った先の家が火災にあったときは、掛け軸だけが抜け出して焼け残った。他家に渡ったから火伏せの力がなくなったという。
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テングサマ 1989年 長野県 ある男性が夏の暑い夕方、一日の仕事を終えようとするときに、「面白いものを見せてやる」と言われて天狗にさらわれた。「目を開けろ」と言うので見ると、楽しそうに盆踊りをしているのが見えた。また連れて帰って来られ、天狗は去り際に「くわの棒をくべろ」と言った。家の囲炉裏にくわの棒をくべると、ようやく我に返ったという。
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テング 1937年 福井県 ある男が薪を拾いに行ったまま数日間帰らないことがあり、家族が帰してもらいに行くと戻ってきた。天狗に好かれたこの男は年に数回このようなことがあり、毎回帰ってくると、行ってきた土地の話を詳細に話してくれた。
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テングサマ,カミサマ 1988年 茨城県 神社にお参りに行き、お賽銭を上げずに頼みごとだけした。すると天狗様が掛けて行って、その人の家に火をつけていた。
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テング 1933年 長野県 百年余り昔、婆が夕食の仕度をしていたら、勝手口に大男が立っていた。大男に手紙を出してくれるように頼まれ、目を瞑って開けたら霧ケ峰に来ていた。そこには天狗が大勢いた。天狗に城下が火事になっているが、手紙の御礼に守ってくれることを約束され婆が急いで戻ると婆の家がある上町だけ焼け残った。
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(ゼンヲカシテクレルバショ),テング 1978年 石川県 貧しいものが法事をしたくてもできないときに明神壁に行くと膳を貸してくれた。「どうぞお願いします」と言って帰ると、家に膳があった。ある時、ある家が借り、そこから一組もう一件が借りて一組足らなくなったときから貸してくれなくなった。天狗が金持ちの家からこっそり借りていたが、それ以来見張りが厳しくなったからだという。
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テング 1950年 埼玉県 山の中のある洞窟に昔天狗が住んでいて、村人が頼むと酒宴に必要な縄、ホラ貝、椀、膳を貸してくれたが、あるとき村人が壊してしまって返さなかったところ、それ以後は頼んでも貸してくれなくなった。
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テング 1970年 滋賀県 ある人が晩に竹の棒をつかんで「誰か来おった」と叫んで駆け出して行き、そのまま見つからなくなった。父親が跡を追っても姿が見えず、玄関には草履が揃えて脱いであった。村中の人が天狗に向かって返せと叫びながら提灯を持って探したが、見つからなかった。一週間たっても帰らないので、親類が天狗の好物のうどんを屋根の上にお供えしたら、うどんは食べられていて、男はいなくなった場所にその時刻に帰ってきた。天狗がごきげんを直したのだろうと言われた。
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テング 1922年 石川県 昔、天狗に捕えられた男が3年に1度、豆絞りの手拭を被って帰ってくるという話を聞いたことがある。
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テング 1992年 茨城県 大部氏宅の庭石に天狗が下りてきて、家の者に目隠しをして土嶽につれて行き相撲を取った。赤飯を持って来れば生涯楽にしてやるといわれたが、帰って妻に話すと、それ以来、天狗は現れなくなった。
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テング 1932年 鳥取県 鳥取の魔尼山には天狗が住んでいた。大工町の西野という家の一人息子が行者風の男にさらわれた。7年ほど後、西野の妻の夢に息子が現われ、天狗のもとで修行中で、披露式の為に屋根に野菜と強飯を用意するように告げた。その通りすると、夜中に風と共に話し声がして静かになった。何十年か後、西野家羽団扇が届けられ、我子の形見かと思った。そして西野家は大火でも焼け残った。
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テング 1999年 宮崎県 松叶の七つ山の松の古木に天狗が住んでいた。ある日、松叶の百姓が天狗をからかって、籾とおしで透き見るとどこでもよく見えると話しかけた。天狗はうらやましがって隠れ蓑と籾とおしを交換した。だまされたと気づいた天狗は、籾とおしを投げ捨ててどこかに行ってしまった。
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テングサン 1983年 山梨県 天狗さんという人は急にいなくなって立派な成年になって帰ってきた人だ。その天狗さんが山の畑から夕方に帰ってきてお母さんに京都が焼けているからちょっと行ってくるといい、お母さんが弁当もってけと追いかけたら、もう姿が見えなかった。そして、その翌日には帰ってきて、天皇を助けて感状をもらってきたといった。それは菊の御紋章がついている漆塗りのもので、現在も天狗社にその箱が伝わっているがけして中を見せないという。
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